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時をかける206号室

時をかける206号室

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

何度でも観たくなる。
忍ブ阿呆二死ヌ阿呆の再演でボクラ団義さんを知り、今回二作品目の観劇でした。
本当にいろんなことを考えさせる作品です。

様々な事情を抱えた様々な人々の様々な関係や様々な想いが複雑に、そして繊細に絡み合い、観劇中には観客の頭の中がキャラクターたちの関係のようにぐちゃぐちゃにかき乱されますが、観終わった後にはすべてが綺麗につながり、むすばれ、とても心地よい疲労感に包まれます。
そして、二回目三回目と観劇するたびに、あぁ、あのシーンはああいう意味だったのか、と納得しつつも、この人のこの台詞の裏で別のこの人はこんな表情をしていたのか、など毎回新たな発見をし、何回観ても高い満足感を得て池袋駅へと帰っていけます!
一回だけ観るよりも、二回三回観たほうがより楽しめるのではないかと思います。
この作品を文字で表現するのはなかなか難しい…。
観た人にしかわからないこの疲労感を覚えるほどの衝撃をもっとたくさんの人に感じてほしいと心から思います。

ネタバレBOX


本当にすべての部屋のすべてのキャラクターが魅力的なのですが、私は、加藤凛太郎さん、図師光博さん、吉田宗洋さん、七海とろろさんの4名が登場する204号室が特に好きです。
物語のキーパーソンである大神さん演じる男の「願い」によってつくられた204号室で、そういう意味では架空のキャラクターであるはずの四人は、確実にそこに生きていました。
それぞれがそれぞれに重いものを背負って、物理的にはとても近い距離にいるはずなのになかなかそれを分かち合えずにいる不器用なもどかしさから、クライマックスに向けて徐々に近づいていく物理的なものだけでない距離感が本当にたまらないです。
初日よりも2日目、2日目よりも3日目と確実に全員の熱量があがっていて、何度観ても図師さん演じるカズキの告白シーンに泣かされます。

図師さんといえば、途中、ストーリーテラーである今出さんが物語のキーワードである「オムニバス」という言葉を説明しているシーンでのストップモーション時に、大神さんにツッコミ?を入れようとしてバレて戻れなくなるところにいつも爆笑させられます。

他にも、中野さんの「スペーシア!」や、松嶋さんの「今日もフォアグラでいい?」など、一言で確実に笑わせられる台詞やシーンが盛りだくさんで、爆笑とシリアスと感動を綺麗に両立させる久保田さんの頭の中は本当にどうなっているんだろうと思ってしまいます。

書きたいことが多すぎて書ききれません。
とにかく、本当にすごい作品です!

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