角田の観てきた!クチコミ一覧

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約束だけ

約束だけ

110SHOW

金沢21世紀美術館 (石川県)

2009/01/24 (土) ~ 2009/01/25 (日)公演終了

満足度★★★

近未来。
近未来。経済破綻した日本を捨てて英国で不法滞在して金を得る女たちと、ヤクザの監視係らしい優しげな青年。

ネタバレBOX

ある日組織が崩壊。どこに売り飛ばされるか全くわからない状態に陥る。戦時中の慰安婦や東南アジアからやってきた難民たちと同じ境遇ということ。

...この戯曲の各箇所こそ「錦鯉タッタ」風のコラージュ的な手法が使えるんじゃないの。かつての「前衛的」手法も演劇の方法に変わりないと思うのだが。

しかしながら、役者、演出とも高いレベルで安定していると思います。青年団的な芝居は全く無理なく出来ている。
HOT ☆ SAND 熱砂 < 1 VS 0 +>

HOT ☆ SAND 熱砂 < 1 VS 0 +>

錦鯉タッタ

新小岩ZAZA(旧 新小岩劇場)(東京都)

2009/01/16 (金) ~ 2009/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★

ドライ・エロス
あの『砂の女』の、キュビスム/コラージュ風な。いかにも「錦鯉タッタ」っぽい、飛躍した造型のある脚色版(一部漫才仕立)。『死の棘』の男女と対比させてもよいかもしれない。
動物の体臭の様な乾いた砂の匂いがたち込め、役者が倒れると揺れる劇場。

ネタバレBOX

安部公房の余りにも強烈で神懸かったテキスト、ドラマの場面々々に、ふくらませた部分である「男」の家庭生活やインドシナ戦争、ある海辺の村落の御伽話、谷崎潤一郎(乱歩?『他人の顔』?)の変質者が秘密にしたためたテキスト、歌謡曲(ピンクレディ)、一発芸のギャグが絡む。
初日で前半は練度が足りなかった感触だが、段々引付けられる。あまり声が出ていない。音楽(サキソフォンのインプロビゼーション)がやや大き過ぎるか。三人並ぶと南波さんだけプロのタレント的に体のスケール感が小作りで、踊りが上手過ぎ、声の感じがアングラ系の人とちょっと違う。
砂の上に横たわる役者。石ブロックすれすれに倒れる。目のまわりの化粧は無し。

安部作品にはみなカマトト風に隠された激烈なエログロ部分があると思うのだが(米作家ジョン・アップダイクが“ポルノグラフィだ”と評したのは『密会』)、感覚的には良く出ていたかなと。
脱いだり喘いだりしないエロ。オンナの肉体が立っていて情況が加わると発動するエロス。
邂逅

邂逅

自然生クラブ

田井ミュージアム(茨城県)

2008/09/27 (土) ~ 2008/09/27 (土)公演終了

満足度★★★

赤木主税さん。
自然生クラブ(じねんじょくらぶ)『邂逅』第1部「いのちの詩」:鈴木健司/赤木主税/飯島愛/赤木+鈴木/山本早苗/赤木+飯島。第2部「邂逅」:あべたなおみ/山本早苗。(15:10-15:45/16:05-16:42/-16:52_¥2,000-) @筑波市庁北側(北条/神郡)つくば古道沿い「田井ミュージアム」。

ネタバレBOX

つくば駅から、バス「北部シャトル」で「筑波支庁」へ。ここから先のバスが無い(「筑波山口」での乗換がポイントだった。循環1コースは事実上“使えねー”)。
北条の古道を歩く。石碑の真向いのタクシー会社で車頼む。目印のJA田井支所は清算準備に入っている。
大谷石の倉庫。三部屋とホワイエスペース。内部には黒いパネル。高い雛段席。残念ながらこれはちょっといただけない。
鈴木さん、赤木さん、飯島さんがダウン症の青年たち。山本さんが柔和な笑顔の若い女性ダンサーで、多分この地域/メンバーのアイドル的な存在なのでは。あべたさんはキャリアのあるダンサー。傾向は皆、やや舞踏のニュアンスのあるコンテンポラリーだろう。
赤木主税すばらしい。ソロと、飯島さんと組んだデュオはよかった。
あべたさん、山本さんデュオもなかなか。
商業的な場でやるのは、おそらく無理だと思われますが、機会があれば是非。赤木主税は必見。
時間、時間! 加納の小一時間!! 2 !!!

時間、時間! 加納の小一時間!! 2 !!!

加納真実

イワト劇場(東京都)

2008/09/22 (月) ~ 2008/09/24 (水)公演終了

満足度★★★

青ジャージは過去のお姿。
これからは「さすらいの赤いヤツ」です。

ネタバレBOX

新キャラ「赤いヤツ」へのインタービュー映像を交えつつ、ベタなネタ(「あ・い・し・て・る」/「学生2」)、モダン・ホラー(「いいかも!」/「砂」)、スタイリッシュ(「ナイトライフ」/「ラブ&ニーズ」)、私小説風リアル(「風邪」)の多彩な7演目。中島みゆき岡村靖幸オールドテクノの選曲渋ス。
一応全部「愛」しばりかかってます。冒頭がややとっつきのくいかも。

一番のお気に入りは「ナイトライフ」。
鳥の眼

鳥の眼

La Compagnie An

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2008/09/18 (木) ~ 2008/09/24 (水)公演終了

満足度★★★

虎よ虎よ
今回は長谷基弘さん演出。
舞台は福岡と新宿(おそらくベトナムも)。土砂災害から生還した男の子の成長した姿/新宿のマンションで、仕送りで暮すミュージシャンの卵。福岡で料理屋を経営する彼の姉(癌の手術を拒んでいる)。同郷の親類の若い女医さん。交通事故で幼い息子を亡くし家庭崩壊に直面する若い女。男の幼馴染の板前志望者。
賢治の仏教説話的な、人と動物が対話し輪廻転生する世界を背景に、悲惨な事故で心を砕かれた人々が偶然に出会い絡み合う。

ネタバレBOX

宗教的な生の理論化を否定する登場人物と、知恵ある者と下層のカミのタッグが対立。
幾つか見せ場・聞かせ所としてメッセージを発する部分がある。女医が虎を演じる場面。板前青年が女を口説く所。死んだ子供をありありと思い出す場面。成本千枝さんのジェストダンス。痩せて面変わりした立花あかねさんが見所。
死と生のせめぎあいのイメージ(泳ぐ小魚)。人力で作られるから感動的に感じるんだが、絵的には安い超人アニメとかCGでよく出て来るクリシェに近いのかなという気もする。
#07 平原演劇祭 2008 第三部

#07 平原演劇祭 2008 第三部

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

Rental Space ON AIR(埼玉県)

2008/09/15 (月) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★

左手に小林多喜二
ヘブンアーティストで、「ショーアップ大宮」のイベントにも出演したこともある「水中三姉妹」の末っ子? 「ムラタ製作所」。バーバラ村田さんの一人二役マイム。ヘンリーカウ/アートベアーズのトリビュートバンド、「そら庵」庵主さんも参加する「アオキベアーズ・ザ・バンド」ライブ。高野竜作詞・元「こんにゃく座」竹紫あかね Vo.「FOMALHAUT」ライブ。文芸プログレ2バンドやりたいほうだい全三時間。「私は蟹の女」て。「左手に小林多喜二」て。贋作「メキシコ国歌」てあなたねえ。汗。

ネタバレBOX

仙台では、yumboさんとか、繋がりあるマヘルの工藤冬里さんといった、音圧とか歌詞でグイグイ押してこない人に馴染んでいたので、久しぶりにぐったり。ピンクフロイドとか、キングクリムゾンは一通り聞いたんですが、頭にはいってないなあ。
どうじょうじ

どうじょうじ

えずこシアター

えずこホール(仙南芸術文化センター)(宮城県)

2008/09/06 (土) ~ 2008/09/07 (日)公演終了

満足度★★★

後半もりあがった
現地のアマ俳優たちが倉品淳子さんの指導でほぼ「山の手メソッド」に沿って創作。男女関係の挿話をルパム、ぴん、寸劇で構成。仙台の小劇場からは、Oct/Passの長谷野勇希さん参加。後半の「告白/ディベート」「鐘入り」「井戸端会議」「歌」盛り上がったと思う。
ただあの男性のスーツは年配の方には似合わない。
「山の手事情社」こういう演劇か、と判断するのはまだ早い。「四畳半」という技法が出てませんよ。宮城の人。十二月本公演もお忘れなく。

ネタバレBOX

鈴木さんという年配の俳優氏の「蕎麦屋」の自己流の物まね芸。これはさすがに型にはめられなかった。
蛇体の化身が出せなかったこと。残念だが仕方ないか。アマ俳優の考え方に対する倉品さんの考えなんだろう。
ビニール袋の比喩的な意味の持たせ方。やや曖昧か。
「歌」の節回しは伝統的なものの様な気がするが。
東京戦争 戦後秘話~地獄三景・真夏の夢

東京戦争 戦後秘話~地獄三景・真夏の夢

大谷蛮天門 (「演劇無宿」)

planB(東京都)

2008/08/29 (金) ~ 2008/08/30 (土)公演終了

満足度★★★★

「東京戦争」とは、
関東大震災時。荒川土手の約6500人の朝鮮人護岸工らの虐殺事件(韓国・北朝鮮での通称“東京戦争”)を基点に、
戦時中の日本全土での拉致強制労働。北朝鮮の犯罪国家化。在日コリアンを巡る権力・暴力の100年を点描。
路上の初老の在日の労務者が、四大文明以前の“黄金時代”を夢想する場面に繋がってゆく。

ネタバレBOX

中野テルプシコールでの第一部。銀座マコトシアターでの第二部。今回plan-Bでの第三部(若干ダイジェスト的総合版)。佐藤博泰、伊牟田耕児(蜂蜜劇場)が聞き手とテント劇的なソロで出演+若手ジャズミュージシャンの生伴奏。
観客に恵まれなかったが、第二部が充実していたと思う。芝居というより綺想の演説に近かったと思うが。
今は、悪貨が良貨を駆逐する悪い時代なので、沢山の人に見られるべき良い内容を持っている芝居は、このような形でレパートリー的に、繰り返し上演されるべきなのだろう。
もう一つの「身世打鈴」...「魔術的・身世打鈴」。
#07 平原演劇祭 2008・第二部

#07 平原演劇祭 2008・第二部

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

新しい村(埼玉県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/16 (土)公演終了

満足度★★★★

土砂降りの雨の中
最後まで見届けてきました(観客として見ることのできる範囲で)。
世間には、お金で人に迷惑かけたりスキャンダリズムにのっかって活動したりする手合いもいるんですが、高野さんはそういう面ではケッペキなほうだと思う。しかし、常識人ではないよなあ。
埼玉の片田舎で、孤立する文士(例えば近隣の羽生が生んだ『田舎教師』)、という図柄は、高野さんたちの前で崩れた。
「東京のハコモノに高い金だして見に行くブンカ」という固定観念も、まったく壊された。
いやいや、いまここでいったい何が進行しているんだか。凄い。恐ろしい。

悪魔のアレ

悪魔のアレ

捨組

コラッセふくしま(福島県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

福島県のステカセも侮れないyo。
全部が、後半出てくる絵本《悪魔と少年》の「箱物語」という凝った構成で、芸達者な俳優陣が、レモンの兄弟とか、羊羹職人とか、無闇に高慢な女優さんとかのキャラで、コミックリリーフを勤める。
映像作品も中に出てくる。簡単なようだが、芝居の中に映像作品をきちんと組み込む作業をやっている。他の劇団はタイトルバックを映画風にする位で力尽きていると思う。
情緒的にお客さんの反応が激しくてびっくりした面もあったが、福島の小劇場は、侮れない。俳優もきちんと揃っている。
ただ、わたしには《悪魔と少年》のお話が物足りなかった。

ネタバレBOX

01_カウンセリング?
02_レモンの兄弟/「セレブになれるビデオ」の中味。
03_存在感のないお父さん?
04_「椿の部屋」/『悪魔と少年』/マクベス(虎?猫?)とうさぎ。
05_鬼羊羹屋/ショートコント/資生堂のコマーシャル。
06_喫茶店の三姉妹?
07_旅人の物語/『悪魔と少年』の後日談。
#07 平原演劇祭 2008・第一部

#07 平原演劇祭 2008・第一部

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

宮代町郷土資料館(埼玉県)

2008/08/03 (日) ~ 2008/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

『武井会議』について
『村の宝』は、また上演される模様なので、トゥエルヴの怪作について。
V系バンドの追っかけをやっている医療事務の独身メンバーTさん。彼女の結婚願望を聞き出すため、劇団員が彼女の家に勝手に集まって会議を開催する。ドキュメンタリックなワタクシ演劇。

ネタバレBOX

ちなみにメンバーは4人いて、一人は主婦。他は派遣社員など。趣味嗜好ヲタク的興味の対象は各人違う。
メインは男の趣味も「ヴィジュアル系」(今はこういってはいけないらしい)の武井イジリなんだけど。お互いの趣味が明らかにされ、一言評されるたびに、皆いきり立って喧嘩になる。
TDLネタは「むっちりみえっぱり」より遥かに具体的。情報量が多い。
“腐女子ネタ”を悪乗り大騒ぎのドタバタで展開する演劇は非常にユニークだと思う。私は見たことがなかった。
革命について

革命について

ベビー・ピー

京都大学西部講堂(京都府)

2008/08/01 (金) ~ 2008/08/04 (月)公演終了

満足度★★★★

暑いけどお勧め
当然ながら時間制限内で上演されなければならないため、あくまでもファンタジーの領域に止められている。
人間的な悲惨や矮小さは抜きにして(ミカドのような変な権力のことも省いてある)、西欧的な社会観でなく、東アジア的な、循環するような社会、歴史意識が実は身近に埋もれて在ることを指し示した文明論的演劇。西部講堂でやるのに相応しい、2時間弱に納まったのが信じられないほどのダイナミックな巨編。実際の上演ではかなり苦しい時間帯もあったが、良くしのいだ。
日本ではあの『吉里吉里人』等を代表格にして80年代の頭に幾つか大長編小説で出た“大きな物語”の系譜に連なるような劇。


ネタバレBOX

地震でダムが決壊し水没した群馬県の平野。大湿地で新都市の建設が始まると共に、奇病が蔓延し始める。一方阿波の国からは、ある一族の二人の乙女がクラゲの様な水面漂う群馬の新興街に遣わされ、また一方、山谷のドヤ街には“革命家”と呼ばれる花火職人が潜んでいた。...革命。語源的に解釈すれば命が甦る様に刷新されること。
群馬の新興街と埼玉(?)を繋ぐ橋は奇病のために完成が遅れに遅れていた。山谷の宿屋にもゼネコンの開発の手が及びはじめた。
一方群馬の大量のゴミは千葉へと運ばれ沖を埋立てていた。その海辺には前時代の旧活動家が巨大な竿をぶったてて鯨が来るのをまっていた。
F

F

きらく企画

GalleryOneLIFE(宮城県)

2008/07/27 (日) ~ 2008/08/04 (月)公演終了

満足度★★★

ダンス寄りの
...ダンス寄りの、抽象度の高い舞台。

ネタバレBOX

黒いダービー帽の主役格の男の私的な告白。女性関係。演劇の構造のお話まで。やや盛り込みすぎか。
仙台の演劇関係者の、ある集団としての良い雰囲気は出ているし、今ではなかなか見られない、アングラ・テント劇の「自主稽古」や、山の手事情社の「ぴん」に匹敵するようなソロパート開陳もある。それぞれ発見もあり面白い。真田鰯さんやや別格か。百足さんは仙台の「美加理」といった感じ。目が怖いけど。川熊さん片倉さんはもっと壊せるでしょ。
ただメタフィクションとか、ギリシャ悲劇の引用といった手法は(今回はアイロニー含みだったと思うが)思うような効果を出せる人は、今まで見てきたなかでも稀です。
村の宝 ~ 墜ちよ生きよ、地に満ちよ (プレ上演)

村の宝 ~ 墜ちよ生きよ、地に満ちよ (プレ上演)

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

宮代町コミュニティセンター進修館(埼玉県)

2008/07/26 (土) ~ 2008/07/26 (土)公演終了

満足度★★★

本番は、08/03 (Sun) 白昼です。
改装された「進修館」。どうやら旧市役所の背景の木立がさっぱり無くなってしまい、ポカーンとだだっぴろい場所になってしまった感がある。前後がステージでのバンド演奏だったから、広場いっぱいを使う演劇は面白いと感じる。
やはり埼玉はバンドもなんかおとなしい。
冒頭二十分だけやって、本番は「郷土資料館」の旧庄屋さんのお座敷を開放してあるスペースで上演。

温泉旅館の「新・お気に召すまま」

温泉旅館の「新・お気に召すまま」

シェイクスピア・カンパニー

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2008/07/11 (金) ~ 2008/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

これぞ演劇。
北の「SC」。南の「女騎士」。リージョナル演劇の南北の金字塔(ただし新劇や小劇場ではありません)。機会があれば死ぬ前に是非。9月に東京公演もあります。

ネタバレBOX

小劇場やアングラとは明らかにカルチャーが違う。転換が緩い(暗転と言えるのは一回だけ)。細部がいちいち下らない。馬鹿馬鹿しくて...良い。上手い訳じゃないんだけど野放図でない演技。役者がほぼ皆いい。

最後に近い箇所で一度なにかが途切れるのだが。

これは何だろう。“新劇”を根っ子にもっていないということか。新劇ではない演劇は、ただ「世界」の有為変転を描くだけということか。

簡単に言ってしまえば「村芝居」みたいな雰囲気だったということかな。
宮城の温泉の雰囲気とかわかっていないと楽しくないかも知れない。

ちなみに星奈美座長公演です。
板場

板場

劇団麦

仙台市市民活動サポートセンター 市民活動シアター(宮城県)

2008/07/11 (金) ~ 2008/07/13 (日)公演終了

満足度★★

TVホームドラマ黄金時代を彷彿とさせる
何年かぶりのオリジナル作品とのこと。
県の文化賞を授賞した方が何人もいる劇団だ。

ネタバレBOX

市内一番町の「沙月(サツキ)」という料亭をモデルにしている?_石井ふく子/平岩弓枝/向田邦子/京塚昌子のTVホームドラマ黄金時代を彷彿とさせるタッチ。嫌味の無い御都合主義というか。説明を避けるためか、映像モンタージュで処理するシーンもある。調理場メインで、下手の前面に仲居さんたちの控えの間がサブステージという舞台構成。板場と表方の対立があり、大きな葛藤が押し寄せて、それを乗越えて...という内容。私見だが、デフォルメ系の演技術が主流で、場面ごとにキチッと練習している感じ。動きがやや堅い(形に嵌まっている?)。
サンシャインハイツ202号室

サンシャインハイツ202号室

pointo

白鳥ホール(宮城県)

2008/07/06 (日) ~ 2008/07/12 (土)公演終了

満足度★★★

早めに着いたら、
入り口から向かって右手がオススメかな。四方から見えるので、好みもあるとは思いますが。

ネタバレBOX

この綺麗事大好きな中産階級主体のチホー都市でよくぞ書いたと思う。一頃宮城に限らず全国的に続発したある事件を下敷きにした葬式モノ。精妙な会話劇であり、台詞のワンセンテンスごとに、表情・感情を変えてゆくような演技が求められる。役者陣は仙台若手技巧派揃い踏み。

そもそも上手くてアウラ出マクりの役者陣でないと成立しないのだが、脚本が破綻気味でないかい。
「佐藤さん」がこの期に及んで何で絡んでくるのか意味がわからん(登場がなかなか劇的でワクワクものなだけに、その正体がピリッとしない。関係ないじゃん)。
当人が死んだ跡に強請りに来るというのは、タイミング的にいかがなものか。頭のおかしい人に調子を合わしちゃいかんでしょう。
ムチェンスク郡のマクベス夫人

ムチェンスク郡のマクベス夫人

劇団黒テント

創空間富や蔵(福島県)

2008/07/05 (土) ~ 2008/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

愛ルケならぬ憎ルケ
「黒テント」もしばらく見ないうちお嬢さん方ばっかりになったねえ。感触は「こんにゃく座」オペラに近い。三人殺しても死刑にならず流刑。このお話が現代まで伝わっているのは、流刑地にたどり着くまでにもう一波乱あったからなんだろう。

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OtoOpresents/鳥屋

太白区文化センター(宮城県)

2008/06/29 (日) ~ 2008/06/30 (月)公演終了

満足度★★

スタッフワークが面白い。
お互いを詮索せずに一つの部屋を“シェア”して過す男女。男の方に惹かれた若い女が部屋にやって来て...。という、微細な心理劇的内容。

ネタバレBOX

前半は「静かな演劇」風の劇だったのが、後半、平行して直線歩行するなど写実系の演劇でない演出に突入。芝居が沈滞する時間帯もあったが、後半は「仙台演劇」でないみたい。

過去のシーンを映像で投射したり、展示室のずらっと並んだ照明を巧みに操作(配電を改造した?)、ノイズ音、ラップ音。

照明と音に関しては、札幌の「劇団AND」の人と、仙台の「へも」さんが、おそらく普通は使わない手を出してくる。作品によって極端なことをやる場合は、東京の劇団ではありますが、札幌、仙台ではレギュラーだから。

また「笙司みつえ」という女優さんを初めて見る。

ありがとう第二夜/フラクタル ~ ベルリン封鎖と私の金魚

ありがとう第二夜/フラクタル ~ ベルリン封鎖と私の金魚

スペースベン

スペースベン(青森県)

2008/06/06 (金) ~ 2008/06/28 (土)公演終了

満足度★★

自宅劇場とはねえ!!!
田中さん自宅の一階と地下を改造したなかなか立派な小劇場。中野の「スタジオあくとれ」位はある。

ネタバレBOX

二階の柵の間から柴犬が顔を出してお出迎え。

『ありがとう ~ 第二夜』なんと続き物だ(ズルイ)。『メビウス』という小説で一躍有名になった、メンヘラーの天才肌の作家(今は俳優か?)。楽屋で鏡を見ながら誰かに一人語り。

『フラクタル ~ ベルリン封鎖と私の金魚』冷戦下の東西ドイツの紛争を二階の部屋に一緒に住む兄弟のしつこい喧嘩に置き換えて描く。ホームドラマのようなオチはむしろいらない。

両方であわせて30分強。

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