観たい人がたくさんいて、観た人が全然いないのは何故だろう?
何故でしょうね。
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いきなり不躾な一言ですが、疲れました。大楽だったのもあって満席御礼状態。席にいるのもちょっとツラかった。そんな中で尽力していた制作さんは評価しています。
が、演目に関しては別。この団体は初見だったのですが、これまではどういうのをやってたんでしょうか。それが気になっています。今回は魔法とかが出てくるファンタジー。で、魔法使用時の演出は完全に照明で賄っていました。何度も何度も逆光とか瞬きをやられると目が疲れます。そこにきて音響も疲れる。ヘビメタかな?戦闘場面で英語の歌詞付きの曲を大音量で流し続ける。気を休めようと周辺を見たら、俯いている人や舞台じゃないほうを見ている人がいました。
説明台詞と、脚本では盛り上がりとして書いたけど演出としてそう出来ていない箇所が多かった。なんだか舞台上でみんなして空回りをしていた。殺陣は悪くなかったと思う。役者にはそれなりに体を動かせる人が多くて見栄えがしました。なのに演技が覚束ないのは惜しい。
あ、そうなんですか。へぇ。
青年団ってこういうのもやるんだぁ、と。なんでしょう。アットホーム。サンプルとか東京デスロックよりも体温高めな感じ。温いっちゃ温い。でも、悪くない。
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観劇環境はあまりよくなかったかも。ちょっと暑かった。そこにきて地明かりが暗めになっていたので絶好の睡眠環境…。隣の席のご婦人が時折ウトウトされていました。起きる度にまた観始めて笑っていたので、出来れば通して全部観て頂きたかった。ただ、それはやる側も分かっていたのかも。終盤に静か目の演目をやった後、その後の最後の演目は客の目を覚ますかの如く冒頭で声を張り上げていました。
作風的には言ってしまうと結構在り来たり。観た事のある様な始まり方をして、期待を裏切る事もなく終わる。個人的には物足りない感がありました。ふとした事で女の子型ロボットを手に入れてやる事やっちゃうとか、絶対何かで観た気がしますもの(笑)。でも演劇初心者が安心して観られるというのは大事なポイント。
Air studioバージョンを観て、こっちも。
あっちのは友人が出ていたので観ました。面白かった。こっちもこっちで面白かったのですが、ちょっと馬力が足りなかったかも。ロングランだから大変な部分もあるでしょうが。ヒロインはこっちのほうが可愛くて好き。
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ドラマよりは漫画に近い展開。ヤクザを親に持つ高校生が悪の生徒会長とか。そもそも現代にヤンキーがいるか?とか。でもディフォルメされた面があるからこそ終盤での血が出る様な場面が受け入れられる。あんなのリアルにやられたら嫌悪感が沸きますけど、「そういうふうに見せている」という感覚であれば許容範囲内。結構目頭に来ました。
見世物。
題材を客に見せるものへと構成する力はある。役者もそれなりに能力値が高い。ただ、扱う題材がネタになってしまったのが残念。
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解離性同一障害であるヒロインの色んな人格が出てきて主人公の男の子を困らせるという場面をコミカルに描いていて、客もそれに結構笑っていました。でも個人的には「えぇ~…」と思って引いた。実際の精神病患者の方を目の前にしてもそれが出来るだろうか?
めちゃくちゃな事をする。
好き嫌いはあるでしょう。ショーだと思って観たほうが良いかも。彼らは撮影などをむしろ推奨しています。撮りたくなったら撮りまくればいい。
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メンバーが持ち寄った演目のオムニバス。練り具合に差があるのが気になる。どれを観てもこの団体の特色が出ていればいいのだけれど。
後半2つがそれぞれにリンクしているちょっと長めの芝居。1つ目の終わりをもっと明確にして欲しかった。いつの間にか2つ目が始まっていて頭の整理が付かなかったので。
サークル公演の評価は難しい。
その度に作・演出が変わるので方向性とか定まってなかったりするし。とはいえこの時は既存台本。ここ数年の同団体ではなかった事。意図があるなら何故そうしたのかが気になる。
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印象としては単に本がなかったのか?と思った。過去に多くの団体がこの本を使っているが、特にそれらとの差別化を図ろうとはしていなかった。演出不在の高校演劇と同レベル。せっかく大きな劇場を学内に持っているのに勿体無い。
堪能、渡辺美弥子。
本人による1人芝居が3本。別途、前座が1本。
正当派な1人芝居。演じながらに本人の人間性も見えた気がする。心地良かった。
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電夏を観て気付いていたものの、身体感覚が良い。ストレッチとかを地道にちゃんと続けていないとああいう動きは出来ない。努力家なのだろう。
前座はちょっと微妙だったかな。
眼前に何もなかろうと、感情は己の中に沸く。
ハマカワ嬢が目当てでしたが、思いもよらぬ大収穫。所々とってもポップ。でも全体は陰鬱な色彩を思わせる。なるほど、DULL-COLORED POPか。
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精神の病を扱ってそれがネタに終わる芝居を過去に嫌になるほど観てきました。そりゃ異常(常と異なる。変質ではない)な人を扱ったほうが異常な出来事も起こしやすくて物語は展開させやすい。しかし、彼らの描いた物語はむしろ逆だった様に思います。精神病を患った人物の正常と、何も患っていない人物の異常を見た気がする。芝居が終わってもなかなか消化出来ない、ざらついた後味。まだ自分の中ではあの物語が続いているらしい。
そう来るか。
役者の平均年齢の若さの割に、観る側を対象とした年齢は高めだったかもしれません。目立って出番の少ない人がいて気になりましたが、公式サイトを見たら彼はどうやら初舞台らしく。鴻上さん、今後を見据えて育てていくつもりなんでしょうね。これは劇団なので。
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客入れの時点から役者は場内整理や、舞台上でストレッチをしている。その時に高橋さんを見てスタイルで「絶対あの人は踊れるな」と思う。正解だったものの、ヒロインの小野川さんまであんなに踊れるとは思わなかった。彼女達に惹き付けられていた分、あまり踊り慣れていない役者を気にする余裕がありませんでした。
大久保さんの見事な脱ぎっぷりにちょっと惚れた。脱げるだけのスタイルだったし、男としては得した気分になって間違いはない。
後味のいい終わり方をしているものの、思い返すと物語自体は後味良く終わってはいない点。文緒は隆司に嘘をついて隠し事をしたまま。かといってそこを綺麗に解決させたら誠実過ぎてつまらない。あれでよかったのかなぁ。
個人的には第三舞台の演目を劇中ネタに使っていたのがズルいな、と。鴻上さんが第三舞台で培った劇作家能力は存分に使って欲しいけれども、第三舞台で作ったものはこっちに持ち込まないほうがいいように思う。客層が第三舞台と同じだったら意味がないし。
大人が本気でごっこ遊びをしている。
ゆるゆる。大爆笑はない。弱火でじっくりコトコト煮込む様な笑いの波。くすくす。
肩を張らず気軽に観られます。むしろ気軽に観ないと損。窓口は広い。
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車のホンダが好き。途中から出てくるだけで面白くなった。
張り詰めた空気。
タネ明かしのないマジックを観ている様な感じ。訝しさと共に沸く緊張。時間の流れを支配されてしまって自分が何処にいるのか分からなくなる。不思議だ。
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とにかく動かない。動けないのではなく、動かない。いつ動くのかという思いで、そのまま集中して観てしまう。そんなヤラレタ感がアリ。結局、主役は登場から60分くらい動かなかったのでは?
個人的にはそれぞれが誰かを思う気持ちの理由が見えなかったのが残念。誰にも移入出来ず、好きな人物もいなかった。
「やこうぼし」と読むのです。
「やこうせい」だと思ってました。ごめんなさい。
まさにディスコでショーを観ている様な照明効果と場転の手法。それが目くらましに終わらず、役者12人は漏れなく相当な猛者。面白い。これは、いい。とてもいいです。
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脇役が1人もおらず、それぞれの物語を展開させて最後までにちゃんと終結させている。印象に残らない人物がいないし、嫌悪感を抱かせる人物もいない。それぞれの正義がきちんと描かれているので不快にならなかった。
攘夷志士と新撰組の立場でありながら同郷であり、友人になったと思ったのに殺し合うハメになる2人。部下や巻き込んだ一般人を守る為に全てを自分の罪にして出頭しようとする男。なんだろ。それだけ抜き出したらありがちな気がしてしまう。が、そこまでが気持ちよい流れで来るので全く鼻に付かない。むしろ目頭にちょっときた。
思い返すと、生きたまま幸せになる人物が全然いない。「惜しいな、生きてて欲しかったな」とか思った。移入し過ぎた。
芝居の内容には全く触れない感想を書きます。
お見苦しい文面になるので、見たい方は下をどうぞ。
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これは試験公演のようなものらしいです。本公演は過去に観ていて、それなりに面白かったと記憶しています。が、今回の公演を観てその記憶が定かでない様な気がしてきました。
制作体制が酷い。「無料公演でチケットの対応がないから、後はやる事がない」とでも思ったのだろうか。当日スタッフは人数だけならやたらいるのに、ホントにいるだけで全く機能していない。駅から劇場までは徒歩20分。その間に道順をアナウンスする人間は立っていなかった。
劇場入り口にたむろした人々。客かと思ったら私語を話しているスタッフだった。入ったらロビーで女の子が数人たむろして和気藹々。まさかと思ったが、これもスタッフ。当日パンフとアンケートと折り込みチラシと鉛筆をそれぞれ別々の人物から渡される。受け取るのが面倒。
前説は何故か男女二人のペア。掛け合いをする訳でもなく、堂々とカンペを見て客のほうを見ずに噛みながら。途中で男性が女性にカンペを渡して残りを読ませる。意味が分からない。
上演後。客席後方の扉から外に出ようとしたら、扉脇に立っているスタッフがコートに手を突っ込んでいる。「ありがとうございました」を言うでもなく、ただ立っている。詰まらなそうな顔をしている。諦めにも似た気持ちで他のスタッフに「あちらのスタッフさんの態度はどうかと思いますので、ご注意ください」と伝える。が、伝えたそのスタッフは「あ、はい」とだけ言って注意をしには行かなかった。面倒で注意しなかったなら論外。手を突っ込んでいたのが団体上層部の人間で言いにくい相手だったりするなら問題外。
なんとなく予想出来るでしょうが、客席はかなり空いていました。とはいえ、来ていた中には普段あまり観劇をせず人生でもう機会がない方がいるかもしれません。もしかしたらこれを機に自発的にもう観劇の機会を作らない方もいるかもしれません。なんて事だ。悲しい。
大人が成長するのは感動的でさえある。
自分はちょっと多めに観劇しているので穿った見方をする傾向があります。とはいえ彼女達の活動にはその観点を持つ気になれません。社会人生活を何年も経てからの結成。完全な二束の草鞋なのに、ちゃんと成長している。素晴らしい。
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スポーツでサッカーとか野球が反映しているのは、やった事のある人が多いから。プロ野球選手はプロとしてのレベルを求められますが、草野球ならただ楽しむのが目的でも構わないでしょう。だから思い立ったら気軽にやる事も出来る。対して演劇は公演として行うには色んな事情が絡みます。そもそも思い立ったら出来るという環境が日本にはない。そんな状況にある中で中途半端な心意気の連中がプロ根性を口にして、面白くない芝居を身内客に観せて演劇の評価を下げる。それがどれだけ自分達の首を絞めている事か。大口を叩けば叩くほど、肩透かしの割合も大きくなる。
つらつらと語りましたが、彼女達は「もう年なので細々と…」とか言いながらとても真摯な姿勢でやっています。ホントに楽しんでいます。いつの間にかスタッフの人数も増えている様で、つまり賛同者も増えた様です。そういう人達なら純粋に応援したくなるじゃないですか。
久保亜沙香が可愛かった。
個人的にそれ以外テンション上がらず。
終始顔を曝さないままな役者がいる事が残念。「顔が売れる」って言葉もあるのに…。
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雰囲気を作ろうとしたのは分かる。が、不完全でした。 「誰が何を思っているのか、客が観ていて分からない間」が長過ぎる。 決め台詞も多過ぎ。結局どれも抜きん出る事がないまま埋没する結果に。そして役者が決め台詞をそうだと自覚して口にするから余計なカッコ付けをしてる様に見えました。
生ラーメン。
結成10周年を受けてか、過去の作品の延長にあるものが多数。しかし確実に進化している。いや、変貌してもいる。まだ面白くなる気か。ならば今後も見届けましょう。
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●「社鬼」
ラーメンズの本公演の初っ端を飾るコントは実は大抵の場合そんなに面白くなかったりする。 彼らと客にとってお互いにウォーミングアップ。 いつもの定食屋にいつものメニューがある感じ。 もしくはコースの前菜。ちょっと、ホッとする。
作品的には第8回公演「椿」の「ドラマチックカウント」、 第11回公演「Cherry Blossom Front345」の「レストランそれぞれ」、 そして前回の第15回公演「ALICE」の「モーフィンク」を混ぜた感じ。
「あぁ、ラーメンズだ」と思った。
●「爆破ちゃん」
2人がそれぞれ別のシチュエーションで1人芝居。 口にする同音異句が面白おかしく変に合致していく。 正直、過去に使い古された類のネタではある。 相手の言葉を勘違いしていくという手法であれば。 これに関してはそれぞれの話が完全に独立している。 あっちが進んだと思えば今度はこっちが進むので、 いつ何処でどんな言葉が合致するのかが読めない。 かつて「笑点」にも出演を果たした「読書対決」、 「ALICE」の「風と桶に関する~」のパターン。
同じ趣旨でいくつかのネタが展開されていく。 残念なのはその内1つのオチが読めた事。 しかも始まった瞬間に「んー、まさか…」って。しかも 自分だけじゃないと思うのですよ、多分。 客席の5%くらいは分かったんじゃないかな?
●「不透明人間」
第14回公演「study」に入っていてもいい感じ。 尚且つ、第13回公演「CLASSIC」の「バニーボーイ」。 理屈を遠回りに捏ね繰り回すのが好きじゃない人だと、 中盤以降からは置いていかれちゃうかもしれない。「悪魔の証明」が元ネタ。その名称は出ないけど。
●「条例」
「爆笑オンエアバトル」なんかでもやっていた「日替わりラーメンズ」に近しいものがあるかな。 第9回公演「鯨」にもいくつか符合する。 色々な2人が見られるので、ファンは特に喜べる。 ラーメンズ(というか小林さん)の作る歌が好きな人は、 今回だとこれを何度も見たくなるだろうと思いますよ。 真似したくなるもん。
片桐さんがめっちゃ噛みました。 でも「そもそもそんなの噛んで当たり前じゃん」な台詞。 それを頑張る片桐さんと、頑張れオーラを出す小林さん。 仲いいなー。
●ジョッキー
「はい!ジョッキーテレフォン!」。
以上。
●銀河鉄道
ラストをこのネタで締めるのはうっすら読めました。 でもまさか劇場の名前まで作品にリンクさせるとは…。 小林賢太郎。彼は一体何を何処まで考えているのか。
今回の公演「TEXT」に散りばめられた幾多の物、 その全てが繋がっていたのがここで分かります。 あの時の言葉の意味。あの時のやり取りの意味。 そしてあるルールをリプライズする2人の会話。 前回の公演「ALICE」の「後藤を待ちながら」は「ゴドーを待ちながら」をオマージュしていました。 第三舞台の「朝日のような夕日をつれて」もそう。 有名作品の準えは演劇の世界では結構あります。 今回は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」でした。
醸し出された世界観はソロコント「○-maru」の締め、 あの絵描きのラストとも通じる様な部分がありました。
ある事を悟った片桐さん演ずるカネムラは舞台から消えます。 残るは小林さん演ずるトキワ。彼1人での終幕。最後の暗転。 個人的な気持ちでは、2人が見えたまま終わって欲しかった。
「銀河鉄道の夜」から、ある台詞を抜粋。
「カムパネルラ、僕たちいっしょに行こうねぇ。」
ずっと2人でやっていってください。
柿の女体盛り、4つ目。
【サバンナの掟】二度目。
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開演前に見回してみたら客層が初日とは違っていた。値踏みする様な様子が見えて、どちらかといえばアウェーな感じ。それもあってかウケどころも初日とは違ってまばらになっていました。けれど、舞台側vs客席側の勝負では柿側が勝っていたと思う。約30人が暴れ回る熱気に圧倒さえるのが体感出来た。
柿の女体盛り、3つ目。
【他人の不幸】3作品の中では最もハッピーなラスト。多分。
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初演では「弔問客編」と「未亡人編」の2作連続公演だった演目を1つに再構成。そうして出来た再演の今回は「弔問客編」寄りの物語になっていました。
再演3本同時公演で、この演目としては初日。なのでケアレスミスが垣間見えた。これだけの出演人数がいれば起き得るか。初日割引を実施している分、許す気持ちも沸いてしまう。
柿の女体盛り、2つ目。
【口だけの女】深谷さんの存在に気が付かなかった。存在感がなかったのではなく、別人に見えたのです。帰りの電車の中で改めてパンフを見て気が付いた。ああいうのも出来る人なんですね。
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いつもは灰汁の強い役(そもそも柿はみんなそうっちゃそうだけど)をやるイメージの深谷さんが、今回は感情を内側に秘めた人物を。質が違うと思いました。
その夫を演じる、主役の村上さんにも注目。情けない役を上手くこなせるって素晴らしい。
柿の女体盛り、1つ目。
【サバンナの掟】初日という事もあってか台詞ミスが目立ちました。けれど集中まで途切れさせずにいたので勢いに乗せた流れのまま先に進めていた。
ネタバレBOX
かなり高低差のある舞台から役者(玉置さんと中屋敷さん)が飛び降りるという演出が圧巻。単純にその身体能力にも驚かされる。飛んだ瞬間に「まさか…!」と思い、着地時にもの凄い音がすので息を飲む。