満足度★★
二都物語と聞いて
原作を知っていて尚且つミュージカルと聞いて期待して観させていただきました。ですが期待以上の物を得ることができませんでした。ダンスの振りや歌、演技に関してキャスト全体でばらつきがあり、辛うじて出来ている方がチラホラ。歌も三部?四部?合唱か分からないほどの出来でイライラしてしまう場面が多かったです。
ですが、役者1人1人は一生懸命舞台空間を生き抜こうという様が客席まで届いて熱意を感じました。今後に期待できる部分も多いのでこれからが楽しみです。
ネタバレBOX
原作をどういう演出や構成になるのかと思っていたが、まず驚いたのが中盤の内容が一部原作と全く違う部分が織り込まれていたこと。ですが、さすがはディケンズの作品。少し違っても作品自体はブレることはなかったです。
初めに驚いたのは公演が始まって直ぐ。ローリー役の室生氏が客席扉の前で一人ゼリフが始まり公演が始まったと思った矢先、室生氏の後ろの扉からお客が入り如何するのかと思いきや、室生氏は急に素に戻りお客の案内をして尚且つ入ってきたお客のために最初からセリフを言い直しているのを見て一気に気分が冷めてしまいました。時間を守って来た何十人のお客より、途中で来た一人のお客を優先させるは正直腹が立ちました。
初めのシーンのダンスと歌のシーンで振りはバラバラ、歌は不安定。何部合唱なのかさえ分からなくて驚きです。素人で合唱している方達よりも酷い。
サンタントワーヌのシーンはダンスと歌に迫力があり場面転換もスムーズで観てて心地よかったです。ただテレーズとドファルジェの外見年齢に差がありすぎて夫婦というよりは親と娘という感じでした。
娘二人とブロスのシーンは観ていて心がほっこりして楽しいシーンでした。ブロス役の田村さんの演技が自然体で迫力があり娘二人との息も合っていたように感じます。
裁判のシーンの初めのダンスは迫力はありましたが長い。歌途中のセリフも聞こえずダンスの振りも息が合わずバラバラ。素直に直ぐ裁判のシーンにした方が見やすい気がしました。ストライバー役の佐藤さんの歌があまりにも喉歌で音程が辛うじて合っているだけに聞こえたのが残念。
パーティーのシーンは華やかで歌いながらどんどん場面が変わり食材がとグラスが用意されていき只々驚きました。ただ1つ気になったのはテーブルクロス。長テーブルのテーブルクロスを投げて敷くのは迫力がありますが成功した場合のみで。もう少し練習した方がよかったと感じました。
サンタントワーヌ暴動はダンス、歌、演技共に迫力があって見応えがありましたが、手紙を見つける牢屋のイメージがあまり伝わってこなかったのが残念。
ルイースとストライバーの歌が聞きずらかったのが残念でなりません。ルイース役の伊藤さんがストライバー役の佐藤さんを引っ張りながら辛うじてハーモニー?になっていたように感じます。全体的にどの歌を取っても佐藤さんの歌が悪目立ちしてしまい1人だけ浮いてることが多かったと思います。歌う際に声を大きくだすことは基本ですが、大きいだけでほとんどハモることのない雑音のように聞こえてしまうのが残念です。
ミュージカルと聞いて期待していた分、歌とダンスが学芸会レベルなのが残念で仕方ありません。衣装や舞台装置の力が入っているように感じただけに期待はずれでした。
これからの公演に期待したいです。