RE-INCARNATION RE-VIVAL
AND ENDLESS
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2014/12/19 (金) ~ 2014/12/29 (月)公演終了
満足度★★★★
良質なエンターテインメント。
西田版三国志。
今回は黄巾の乱がテーマ。はじまりの物語。
スピーディーで迫力のある殺陣と極上の音楽。
エンタメとして素晴らしく、観客を飽きさせない手腕はさすが。
ただし、出演者一人一人にスポットライトを当てようとして、
話に纏まりがなくなるのは、常に西田さんの課題だと思っている。
切り捨てるところは切る。
その勇気も時には大切だと思う。
殺陣巧者なメンツが揃っているのはさすが。
鬼のぬけがら
ナイスコンプレックス
OFF OFFシアター(東京都)
2015/01/21 (水) ~ 2015/01/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
リアルと寓話の絶妙なバランス
久しぶりに、芝居を観て本当に満足した。
過不足なく、文句もなく。
満ち足りた気持ちで劇場を後にしました。
リアルとファンタジー(と言っていいのか分からないけれど)が
ほどよい加減で混ざりあっていて。
混沌と、しかし美しく溶け合い、昇華していった気がする。
曖昧ですが。
たとえば、このテーマををリアリティーだけで構築することも出来ただろうと思う。
ただ、そうすると、震災と父子の葛藤はすごく生々しく重たく感じられる気がしていて。
それを「鬼」という比喩を通して語ることで緩和しつつ、
観客それぞれの胸の中にだけ存在する、鬼のイメージや震災から想起される思いを、板の上に積み上げていく。
その過程が鮮やかで、素晴らしかった。
ものがたりを、現実と非現実の狭間の絶妙なポイントに巧みに誘導していた末原拓馬という役者の表現力の豊かさには、
相変わらず舌を巻く思い。
子役をはじめとした、周囲のキャストも本当に素晴らしくて、
なんのストレスもなく、作品に没頭できた。
おぼんろの良さとナイスコンプレックスの良さが、良い化学反応を引き起こした…そんな気がした。