
いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】
sitcomLab
ザ・ポケット(東京都)
2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
赤・紫(シャッフル)・青って観ました。
90分程度を気軽に観られて、すれ違い・勘違いで爆笑させてくれる。
こういうのだと、佐野瑞樹さんのシットコムラボは今、一番だと思う。
今作は、爆笑のあと泣かせて、最後はほっこりするっていう。
ほんと良い芝居だと思える名作。
初演時に比べたら、衣装も美術も豪華になったもんだけど、核の魅力の部分は変わらず。
3チーム、それぞれに良さがあり。
その個性を見比べられたのも楽しかったです。

匠乱史 -shoranshi-
株式会社GOSAI
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2025/10/03 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
東京支部さん、久しぶりのワードレス殺陣芝居。
シンプルな舞台、最近のなかじゃミニマルな劇場。
新しく入ってきたメンバーを中心に構成された出演者。
大作ヴィアインザッツと最終章バベルの間の、お手軽公演的な感じがしてたんだけど。
そんなこと無かった。全力だ。
やっぱり東京支部さんのワードレス殺陣芝居は、唯一無二の、最高の演劇だ。
セリフが無いことを心配するのは不要で。
観客の想像力を信じて尊重して舞台に出現する物語に没入するだけなのです。
ワードレス芝居のなかじゃ、物語重視かな。
(とは言え、溢れる運動量とアイデアは、こちらならでは)
東京支部さんは、色々と挑戦的なことを続けていくみたいなので。
なかなかワードレスを浴びる機会も少なくなってきてるので、ぜひ、この機会を見逃さないで欲しい。

草創記「金鶏 一番花」
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2025/09/20 (土) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日に、彗星と満月を梯子しました。
あやめ十八番さんは、総合芸術としてもエンタメとしても、とても総合点の高い団体だと思ってますが。
今作も、ほんと面白かった。
後日譚にあたる前作は、陽性で色々と派手めな要素が多いショウ的な面もあったのですが。
今作は、物語と役者の力を信じて組み立てられたストレート要素が強いかも。
色んな要素が対称的に、対照的に、見事に奏でられて。
色んな感情を揺さぶられて、最後は“生きる”ことの”ままならさ”に、感動したのかはわからないけど、涙が止まらなくなった。

柿喰う客新作本公演2025『超音波』
柿喰う客
かなっくホール(神奈川県)
2025/09/12 (金) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ホール公演だし、ポスターからもなんとなく王道的なテイスト期待しちゃったのですが。
まあ、そういう団体じゃないんだろうな。
音楽に向ける情熱よりも、いびつな人間模様が見どころかしら。
基本は6人による濃厚な演劇なんですが、その意味じゃスズナリのほうがハマりそうな印象。
ただ、より広い空間にある余白をダンスアンサンブルって形で埋めていていて、それはそれで豪華で見ごたえありました。
コンパクトな空間で良いもの作れるのに、空間が広がるとあれ?持て余してるなって思う団体も多いんですが、流石だと思いました。
アフターイベント回を観たのですが、とても温かい発表会でした。

CONSTELLATIONS
劇団スポーツ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
元々は2人芝居らしいのですが、それを3人1役で男女それぞれ。
組み合わせも変わるので、バリエーション豊かに、ゆらぎながら舞台上に表現されます。
一人の役者が演じ分けるのでは無く、複数の役者が入れ替わり立ち代わり。
パートナーが変わることで芝居が変わるのも面白かった。
量子論(不確定性原理)が割とモチーフ的になっていて、そのあたりとの親和性もあってアリなやり方だと思った。
素舞台に、パイプ椅子が6脚のみ。
照明も色を付け足すようなことはせず。
役者を信じて役者を見せてくれるなって。
素敵な役者ばかりで。
なんてことは無い男女の話なんですけど、不思議と見入りました。

「白月帖」
演劇集団あんちぽっぷ
シアター風姿花伝(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
風姿花伝で、こんなにアクションある舞台は初めて観たかも。
総勢25人(数え間違えてたら御免なさい)、全員入り乱れるシーンもあったりする。
こういう異界で演者は華やかな衣装で……系の芝居が最近、やや足が遠のいてるのですが。
選んで良かった。面白かった。
ちゃんと世界観が作り上げられていて、そこに生きる人々(神様、キョンシーも含む)の思いが立ち上がってる。
外面(そとづら)だけ飾り立てられてない、ちゃんとした異世界のファンタジーがあったと思う。
殭屍人(キョンシー)と作り手の黒導師で、それぞれ関わり合いの違いがあるところとかも良かった。
130分は長めだけど、キャラの個性がよく、テンポがとても良くて長くは感じなかった。
後半がスケール大きくなってやや荒く感じたけど、そのぶん勢いあったな。

フェイクマザー〜嘘つきお銀の本当の話〜
劇団 EASTONES
駅前劇場(東京都)
2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
もったいないことに、イーストンズさんのファイナル公演らしいのですが。
ベタだけど、きちんと楽しませてくれる、笑わせてくれるセンス。
かっこいい殺陣。今作は歌も素敵だった。
基本は娯楽路線だけど、ちょっと変化急な勧善懲悪な感じ。
今作は、出てくる人、ほぼ悪いやつかも。
イーストンズさんにしては、比較的笑いの要素が少なめで、強烈なシーンも多かった。
どのキャラも濃くてね、もっともっとエピソード作れそうだったので。
上演時間90分はやや短く性急に感じたところは、ありました。
上演前にジョークで3時間超えですってのがあったのですが、いや、実際に3時間超えでたっぷり観たいなあって思いが出たくらい面白かったです。

かこちゃんの後悔
なかないで、毒きのこちゃん
ザ・スズナリ(東京都)
2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
これ、自分はかなり好きな芝居です。
始まってしばらくは、あ、この系統か……みたいだったのですが、途中からぐぐっと引き込まれました。
テイスト的には、自分の世代で例えるなら……、懐かしい一話完結のギャグ漫画的で。
ジャンプで言うなら、キン肉マン、ドラゴンボール、聖闘士星矢みたいなののヒットで、何もかもがバトル漫画化する前にあった、 コント的なギャグ漫画。ドクタースランプとか、奇面組みたいな。
ただ、そこに、純愛的なキュンキュンや、しんみりする要素がある。
そして最後は意外な感じで、後味がとても良かった。
後悔って言うくらいだから、苦いの来るのかなって思っていたのですが。
主演の、みしゃむーそさんが、凄い素敵だった。
みしゃむーそさん×タカハシシンノスケさん
みしゃむーそさん×弘中麻紀さん
って対になるのですが、どちらも凄い良かったな。
サイドストーリーになる、他の方々のエピソードもかなり面白く観られました。

われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
とても丁寧に描きたいものを存分に詰め込んだ力作だと思いますが。
本も美術も、欲張りすぎ感というか。構成力不足を感じた。
結果、自分は、この世界に寄り添えるような観劇にはならなかった。
当日精算予約で観させてもらいましたが、受付から着席して場内のアナウンスなど。
運営面でも感じが良い団体だなって印象はあって、ただ、手際が良いわけじゃなく。
そのあたり、作品の印象とも重なったかも。

TEXAS KILLERS FOURTEEN
大統領師匠
駅前劇場(東京都)
2025/08/27 (水) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
めちゃくちゃだけど、ベースはスジが通っていて面白かったです。
どれくらい破天荒な設定かと言うと。
ショッピングモールが一個の生命とてして自立して他のショッピングモールと交尾しちゃうシーンがあるくらい。
めちゃくちゃだけど、物語の設定として引かれた一線があって、そこから言えば嘘じゃないわけでして。
そういう硬派さは、SFだなって思った。
意外と、カート・ヴォネガットっぽいかも、いや、バリントン・J・ベイリーかな。
演者の方々みなさま良かったのですが。
バランス良く色んな界隈から集まってる印象で、そのあたりは団体の人徳的なものなのかも。

きょうの経堂は
ムシラセ
studio白猫屋経堂R店(東京都)
2025/08/31 (日) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
本公演では無いスタジオ公演。
よって基本的には、美術や照明は簡素で上演時間も40分。ただ、チケット代はそのぶんお手頃で。
ムシラセの核って、主催の保坂萌(めぐみ)さんの居心地の良さある面白い脚本と、保坂さんのお眼鏡にかなった、素敵な演者陣のコラボレーションな気もするので。
看板女優・菊池美里さんを中心に据えた3人芝居の今作、そういうプリミティブな面白さを存分に味わえました。
やっぱり面白いね、ムシラセ。
なお、今作は、世界制覇を視野に入れた第一歩、エピソード・ゼロらしいので。
長編化して、大きい劇場で観られるの楽しみにしたいと思います。

ろりえの暴力
ろりえ
新宿シアタートップス(東京都)
2025/08/27 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
めちゃ良かった。まだ公演日があるので、取り急ぎ。
タイトルとあらすじ読んでも、どんなのかわかりにくい。
青春バトルものです。
何で闘うかというと、ハモネ〇゜(隠す必要無いかもだけど)
ダンスもあるんですが、ほぼ全編、歌につぐ歌。
(だから、あやめ十八番の吉田能さんの名前が監修にあるんだね)
アカペラ合唱がぶつかり合います。
さながら、ハ〇ネプ版のアパッチ野球軍。
テンポが非常に良くて、”省略”ってセリフがそのまま出てきたりします。
あとね、男性陣が本当に縁の下的に頑張っていて。
アンサンブルでは無いけど、アンサンブル的に大活躍で、これが演劇的に面白かったな。
最高潮に達する終盤近くまでは、今年観た芝居の中で一番頭悪くて、最高!!だった。
(最高峰の褒め言葉として取って欲しい)
そこからの……、

月光ゲームの殺人
カスタムプロジェクト
調布市せんがわ劇場(東京都)
2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
自分のなかじゃ、毎年、夏の恒例になってます。
今年も自分の推理は大外しでしたが、芝居部分の面白さ、ぽんこつ探偵なりに頭を悩ますシンキングタイム。
とても楽しい時間でした。
ネタ切れが心配だけど、来年もまた新しい趣向が用意されてるようで、楽しみです。
芝居パートは、推理・謎解きにそこまでの興味が無い人が観ても楽しめる出来です。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)
風雷紡
座・高円寺1(東京都)
2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
自分はね、戦争ものの芝居って苦手意識があるんですよね。ただ、これは、良かった。
良し悪しじゃなくて……。
こういう時代、歴史があった。
そこに生きてる人たちがいた。
それは、今の我々にも地続きであるって、感じられる芝居。
医者、医療の話でもあって、トリアージについても考えさせられたり。
強く描かれたのは、生きるってことだと自分は感じた。
悪役として描かれる人がいないのが、本当に良かった。

JULIO -フリオ-
はぶ談戯
駅前劇場(東京都)
2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
25年前の作品の、初めての再演らしい。
20世紀末。世の中をまた現代とは違った閉塞感が覆っていた時代。
あの頃、人間の内面の暗部に迷い込むような精神世界、猟奇的な事件を描いたサスペンスやホラーが流行っていた。
今作は、まさにそのテイスト。
2時間15分。発端から、猟奇的な連続殺人事件を追ってるうちに、異様な状況が立ち上がってくる。
人の頭を噛み砕く(食べてしまう)、謎の連続殺人鬼の話ですから。
本当に直接的な表現は避けられてるけど、まあ、割とえげつないシーンは多いので、映画なら15歳未満禁止くらいはつきそう。血のりはドバドバじゃないけど、多め。
発端から丁寧に見せてくれるので、こういうのに慣れてる人だと、割と全部読めてしまう感じはあります。
ほんと丁寧にやってるので、このスリラー、ホラーテイストが好きな人は、たっぷりと満足出来そう。
笑えるシーンや登場人物もありますけどね。

伊能忠敬、測り間違えた恋の距離
アナログスイッチ
ザ・スズナリ(東京都)
2025/08/14 (木) ~ 2025/08/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
伊能忠敬を主人公にもってきて、ラブコメにしちゃうって発想が面白いよね。
まあ、自分が伊能忠敬で持ってる知識って、当時としては驚異の正確さで日本地図を作った人。
それから、その地図作りを始めたのが、当時としてはかなりの高齢だったってことくらい。
(今作だと55歳から。ちなみに当時の平均寿命は、50歳どころじゃなくて40歳とかだったらしい)
うまく言葉に出来ない、恋の鞘当て。
そういうヤキモキを、本当にコテコテのラブコメで。
平成どころか、こりゃ昭和のラブコメだと思った。
ただ、それが面白いんだよね。
ゲラゲラというよりは、クスクス吹き出す感じのドタバタコメディ。
舞台設定を江戸時代にしたのは正解で、同じことを現代でやると違和感出ると思う。

ほぐすとからむ
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2025/08/03 (日) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
最近、言語外の表現、身体表現もいけるようになってきてまして。
コンテンポラリーダンスとかも、以前ならきつかったんですが、今は割とすんなり楽しめます。
抽象的なのを感じるつもりだと、セリフもあるし物語性もあるしで、あらま、親切だなって感じなんですが。
だからといって普通の芝居だと捉えると、すっきりしない部分が残る感じ。
身体表現、抽象的な表現は、丁寧にきちんと見せる造り。
意外と笑えるくだけた表現も多かった。
生成AIへの踏み込みが足りない気がした。
使い込んでる、日常化してる人の感覚じゃなくて、こういうもんだろって感覚から組み立てられた表現だな、と。
何か斬新なものを見られるかと思ってたら、杓子定規と言うか、古典的な描き方だなって。

水星とレトログラード
劇団道学先生
ザ・スズナリ(東京都)
2025/08/02 (土) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2回観ました。
1回目は展開の面白さに満足しつつ、家族の情にもほろりとした感じで。
2回目は、物語の前向きさに元気もらえたような感じになり。
そこから一日たった今、このお話は、現実の痛みを緩和するためのファンタジーだったのかな、とか想像してます。
いや、まあ、自分は家族の介護経験や死を見取った経験がまだ無いので、ほんと想像ですが。
最初観た時よりも、だんだん評価が上がってる感じ。

実態劇「Macbeth -マクベス」
OuBaiTo-Ri
東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)
2025/07/17 (木) ~ 2025/07/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
客席まで含めても大概の小さいステージより狭いスタジオ空間で、ダイジェストや翻案じゃないマクベスをやる。
アクティングエリアは、客席を斜め横断する通路がメイン。通路両端だけ、やや広めに空間を作っている。
あとは、客席の外側を周回する形で通路もあり、パネルで隠されてる部分が舞台袖になります。
役者は10人。マクベス役を除いて複数の役を兼ねる。
このチャレンジは成功しまして、結果、マクベスの舞台の中に入り込んで観劇するような臨場感。
没入型、体験型のマクベスが出現してました。
この厳しい空間でダンスや殺陣もありました。着替えも血糊も。
アイデアだけじゃなく芝居の熱も良くて、ほんと面白い観劇でした。

シブヤデマチマショウ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2025/08/01 (金) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
このノリが受けていた時代が青春だった人には楽しいんだろうなって思った。
演者は良かっただけに残念な気持ちになった。
次は、もっと若い感性の作・演で観てみたいです。