地下アイドル失踪事件
人間嫌い
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2016/09/22 (木) ~ 2016/09/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
楽しい物語
5人組地下アイドルの一人が失踪する事で、
4人の想い、夢、将来性などの違いが交差する人間ドラマ。
なかなか見応えのある脚本で若い力を感じさせられた物語。
見の劇団で詳しくないが、役者さんはみな劇団員なのか?
客演でキャスティングされたのか?正に地下アイドルっぽさ満開で、
何か一つ足りない雰囲気が演出なのか演技力なのか、
見事なまで役のキャラがはまり、
あて書きで合わせたかのようにはまっていて心地良かった。
せっかくの第1回本公演という晴れ舞台なのだから、
作演出も舞台で顔を見せていただきたかった。
不道徳
MICOSHI COMPLEX
こった創作空間(東京都)
2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しい不道徳
楽しく愉快な人間ドラマの展開。
密室劇で繰り広げられる言葉の応酬に酔いしれる。
ディベートのディベートたらんや、会話の面白さが満載。
要所に入れられるギャグや笑いのクッションで、
物語のバランスがうまくとれて非常に心地良い舞台だった。
ただ、中二病的にスターウォーズネタをこれでもかとぶち込むが、
いかんせんスターウォーズに興味がないとちょっとついていけないところ。
しかしながら全体に秀逸な展開と言葉遊びを楽しめた。
出役も5人と少ないが、それぞれのキャラに感情移入できる高い演技力で、
特に真心出版社のひとなみさんはとても良かったとおもう。
2・5回目の意味は何処に…。これも気になる。
Gliese
ピヨピヨレボリューション
シアターノルン(東京都)
2016/04/01 (金) ~ 2016/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
心地よい夢物語
女子だらけの大所帯に、個性あふれるメンバー大集合!
しかしながらバランスが取れてスッキリ判り易くまとまって楽しめた。
やっぱり目を引くのは妄想女子のカワイユイ。
ちょっと痛い娘かと思っていたら
徐々にその世界に引き込まれ魅力いっぱいの女の子に!
昭和の歌番組的なセットもハマって夢物語にピッタリ、
そして単純明快で明日への希望に満ちてた物語を
うまくサポートしているようだった。
日替わりゲストでも楽しめるのでリピートも楽しそう。
またチャンスがあればお邪魔します。
許されざる者
シンクロ少女
OFF OFFシアター(東京都)
2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了
満足度★★★★★
ハッピーver。幸せなのか?
面白い。
魅力あふれるキャラクターを備える5人と、
リズミカルにクロスする場面と会話。
難しい事抜きに楽しめた。
カオスな人間関係が蠢く濃密な物語、許されざる者は誰だったのか?
やっぱりみんな?なの?
とにかく、時間をやり繰りしてバッドエンドもぜひ観たい。
間に合うかな?
Popn' Mad Effecter
踊る演劇集団 ムツキカっ!!
d-倉庫(東京都)
2015/11/12 (木) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
ダイナミックなエンターテインメント
エンターテインメントは楽しむこと!その通り、たっぷり楽しめた。
広大な空間を活かした躍動感あるダンスと、2階建てセットの立体感。
現代社会で忍者になろうという馬鹿ばかしさと、仲間を守る懸命な戦い。
まさしくダンシングコメディを看板にするだけダンスシーンは必見。
笑いは少々楽屋落ちの多用で「銀魂」的な香りもしたが…。
何より若手の勢いを前面に出す力強さと勢いの半面、
大事なセリフが届かない。
広いステージの逆効果で奥まった立ち位置、
2階部分では声量がないと客席に届かず、
早口では残響でつぶれてしまう。ここはこれからの課題かもしれない。
もっと超越した所へ。
月刊「根本宗子」
ザ・スズナリ(東京都)
2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
爽快だね
斜めから視点をそらしたりせずに一刀両断ストレートなお芝居でした。スピード感あふれるセリフ回しとテンポ感でありがちな一人上手的なところがなく、4組の男女の会話が絡みつき進む展開も判り易く心地よかった。そう、「心地よかった」。超満員の客席を見れば、様々な意見や感想も、好きも嫌いもあるけど、しっかりと構築された世界観ときっちり演じきる役者を揃えた心地よいエンタテインメントでした。
負け犬ポワロの事件簿
東京AZARASHI団
サンモールスタジオ(東京都)
2016/03/04 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
大人の遊園地
個性丸出し、隣人とは一線を画すエスプレッソの様に濃厚な役者さんと、
笑わそう、楽しませようという脚本が一体となった痛快なコメディ作品!
タイトルとキャッチで謳われるミステリーとサスペンスは見当たらなかったが、
大いに笑わせてもらった。
勢いのあるある若手としっかりしたベテランが絡み合う
熱烈なる痛快コメディはストレートで楽しいの一言。
本気でミステリーを構築しようとした感じは見受けられず、
多々ある突っ込み処も笑いの一部として昇華しよう。
そしてなにより!
アフターイベント歌謡ショーが面白すぎ、WaT、E-Girls、ゆずなどなど
異様に面白すぎ!!
芝居の稽古と歌謡ショーのネタ合わせはどちらが優先だったのだろう!
このアフターイベントははずせません。
Back Stage~REBOOT~
TEAM空想笑年
シアターKASSAI(東京都)
2016/09/08 (木) ~ 2016/09/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年一番笑った
セットの裏側を見せる美術も面白い、タイトル通りのバックステージ物語。
無茶と無理をゴリ押ししながら2週間で舞台を作り上げる、
物語性の強いシチュエーションコメディは大いに笑えた。
全体的には今年の1・2を争うコメディだった。
役者陣も魅力あふれるメンバーが揃った。個人的には、
言いだしっぺのサル、巻き込まれた演出、存在感ありすぎの大道具、
そして貫録たっぷりの大女優に、演技に目覚めた素人女子。
このあたりがかなりツボった。
良くできたお話だったが、前半の稽古シーンのテンポがいま一つ悪く、
身内笑いしかもれず不安に駆られたが、後半舞台本番からはエンジン全開。
リズムも勢いも劇場全体が笑いの渦に飲み込まれるように転がった。
女子のキャラが確立して判り易かったが、
男性陣はちょっと人数的にも多かった感。もうちょっと絞ってもよかったかな。
しかし内容は秀逸なコメディで、
セット美術の使い方も良く、大いに笑わせて頂きました。
わたしのゆめ
ガラス玉遊戯
小劇場 楽園(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
高尚な密室劇
密室劇での言葉の応酬、そしてどんでん返し。
観ていてハラハラドキドキ。
テーマは重いものの、
それぞれの役どころに感情移入しながら物語を呑みこめて
これぞ生の舞台の魅力であると感じる。
また役者さんも、カラーの違う演技力の高い方がそろい、
話の説得力と面白味を高めてくれた。
キャッチーなタイトルとフライヤーからは想像しえない
骨太なテーマと内容に感服。
とても良いお芝居でした。
HOME!!
[DISH]プロデュース
テアトルBONBON(東京都)
2016/08/24 (水) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
どこまでも自由に。
軽快で心地よいテンポで展開する物語。
リズミカルな流れで設定説明が展開されてるかと思えば、
そののままメインストーリーへ引きずり込まれる。
親爺は親爺、兄は兄、子どもは子どもらしく、
キャラも年齢もマッチした配役も秀逸。
余計な事を慮らずとも物語へと引き込まれる。
メインテーマの「ホーム=本当の家族」が徐々に見え始め、
頭からちりばめられてきた伏線が大きく一つになる心地よさ。
役者陣も力のある方々そろい、
あの歪で非常識な兄妹をより魅力的に増大する。
時折挟まれるギャグは感性の問題で好き嫌いが分かれるところ。
僕など年齢の高い人には受けると思えわれ。
心地よい素敵な時間を過ごせた秀逸な作品、
みんなにみてほしい作品でした。
元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】
元東京バンビ
スタジオ空洞(東京都)
2016/11/25 (金) ~ 2016/12/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
反則的に面白い
いい、すっごく良い。正面から馬鹿丸出しで挑むドタバタコメディ。
初めて見たけどハチャメチャな面白さ
クソ次郎&ぶうたろうの劇団員以外のメンバーの濃さが、
半端なくズルイ程に面白い。もちろんお二人も素晴らしかったけど。
シンプルなセットながら効果的に展開する細かい計算が憎らしいほどに素敵。
大胆な窓の使い方も衝撃的。
考えて練られた笑いに、役者それぞれのアドリブ的パワーが相乗して、
押し寄せてくる面白さに思いっきり笑えた。
オプティーマへようこそ
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2016/04/30 (土) ~ 2016/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
スポットライトに照らされた。
オーソドックスで有りがちな物語ではあるが、
それを面白く描くのが演出と構成力
。ダンスと芝居の融合と一言では済まされないダンススキルに圧倒され、
コメディ演出のメリハリ感が心地よく流れを作っていた。
難しい事は抜きにスモールディズニー的に夢は叶うを、
臆面なく突き出す潔さが楽しさをましている様に思えた。
それにしても、
良くもこれだけキャッチーにハマる役者さんを揃えたものだと感心。
愚問的にはダンサーが演ずるのか、役者がダンスするのかどっちだろう?
また、MCにつられ、ついついCD買ってしまったものの、
全員のサインは誰が誰だか判らないのはちょっと残念。
しかしながら、かなり面白かった。
コピー通り、下北がダンスの精緻になったのかもしれない。
『あなたへ』/『バカに幸あれ』
天丼
荻窪小劇場(東京都)
2016/04/29 (金) ~ 2016/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
ほのぼの笑える秀作
欲張りな2本立て。それぞれが面白いとは稀な出会い。
読み手の表情と抑揚だけで絵が見えてくる感覚は、
非常に心地よくその世界観にどっぷりと浸かれた。
この世のお人好し的なバカを集めた博覧会で、
互いのバカをフォローし合う人間味。
熱い想いが伝わる素適な作品だった。
この2本がともに繋がっているところも良かった。
次回作にも期待。
量子的な彼女
NICE STALKER
王子小劇場(東京都)
2016/11/19 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
もっと勉強せねば
不思議な空気感を作り上げるマイナスイオンのような団体。
このお話は文系でも楽しめる理系な物語という触れ込みでしたが、
やっぱりその解釈も表現も難しかった。
しかし魅力あふれる役者さんが、
舞台上で活き活きと動き回わる姿は感動的。
サイド席を使った張り出しの様なステージ、シンプルで神秘的な美術、
客席をも使った縦横無人な演出も妙に心揺さぶられる楽しさだった。
これで自分自身が物理的な表現と比喩をもっと昇華できれば,
もっと楽しめたのだろうと思うとちょっと残念。
オカルト研究部の4人、屋上の先輩2人、望遠鏡をのぞく先輩と後輩。
どのシーンも発せられる言葉一つ一つが面白く、次の言葉、次の展開が
待ち遠しくなる一種麻薬的な台詞回しが心地よかった。
やっぱり、イグロヒデアキさんと藤本紗也香さんは反則的なキャラクター。
その歪なる世界観を存在だけで表現できる魅力的で不思議な役者さん。
かなり気になる存在です。
当たり前のようだけど、制作運営の方がしっかりしていると心地よいですね。
最近ひどいところが多いので、観客に気を配れて、
舞台を楽しんでほしいという気持ちが、
周りに伝わる人たちを見ていると心が洗われます。
これからもがんばってください。
ロリコンのすべて
NICE STALKER
王子小劇場(東京都)
2015/12/24 (木) ~ 2015/12/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい!
リズムやテンポも、笑いの落とし所も、よくよく錬られた秀逸な物語。
冒頭の過度な期待への警鐘で、観客自身に背徳を背をわせ
巧みな世界観へと誘う巧妙な手口に乗ると心地よく物語に巻き込まれる。
腹に一物的な坂倉。出落ち的なブサ可愛の藤本さん。
包容力のおばロリ本田さん。はもとより
イグロくんと帯金さんの絡みと会話が超絶的にツボにはまった。
役者の持ち味を的確に捉えた本と演出に、大いに笑わせていただきました。また、観る者誰もが一度は二の足を踏む
デンジャラスなフライヤーとキャッチーなタイトルに挑んだ心意気に敬服。
12人の怒れる陪審員
えにし
駅前劇場(東京都)
2015/12/26 (土) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鬼気迫る密室劇
原作や映画を知ってる方も多い作品だからこそ、
どのように料理して我々に差し出すのか?
シェフと食材、演出と演者の見せどころ。
感情移入してハラハラと物語に没頭できて楽しかった。
スタジアム的な舞台と、回転するテーブルなど、演出も良かった。
異国の文化と制度に立脚した物語は、要所で見入るものの感覚を邪魔する。
「12人の優しい日本人」のように、
日本をベースにすると感情移入もしやすいのかな…などと思う。
劇王東京Ⅱ
劇王東京実行委員会
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2015/12/26 (土) ~ 2015/12/29 (火)公演終了
満足度★★★★★
非常に楽しかった。
短編上演の劇作家バトルって思った以上におもしろい。
また、上演後の審査員の講評?駄目だし?叱咤激励?
これもなるほどねっ!とうなずける楽しいひと時。
決勝に進んだ5団体それぞれのカラーが違い
和洋中のブッフェ的に美味しい感覚にもつつまれた。
絢爛ベルエポック
ベニバラ兎団
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
衣装がやたらスゴイ(良かった)
さすがはミュージシャンIZAMプロデュースのエンターテインメント。
生音にこだわるところも舞台の臨場感を一層引き立てとてもよかった。
文化花咲く大正デモクラシーの日本らしく、
底辺の底力と民衆の立ち上がる勢いをうまく料理した脚本も秀逸。
ただ色々事情はあるのだろうが、やっぱり出演者が多すぎる。
もう少し整理できるとそれぞれのキャラに感情移入しやすく、
物語を容易に楽しめると思う。
これだけいるとそれぞの関係性でちょっとばかり迷ってしまう。
しかし全体的にキラキラした華やかさと人間味があふれるベニバラらしい宝箱のようなステージで、モダン座にぜひ行ってみたくなった。。
『眼球スイミング』
ビニヰルテアタア
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
女の眼
女子高、修道院、女の園…。
アンニュイな女子目線で切り取られたファンタジックホラーは、
あえてメスをさらけ出すような力強い意志を感じさせる。。
メス臭さをあえて紛らすために入れられたのか唯一の男子・白井直也の
野性味あふれる容姿と存在感でうまくバランスをとっているようだった。
あえて女子だけで
女の子の思考回路をさらけ出しても良かったかもしれない。
目黒杏理、千絵ノムラ、池田実香、
パンチの効いた面々の演技は物語にはまって奇妙におもしろかった。
後半、作者の思いが強く置いていかれる感があったものの全体的に平成初期の原宿っぽくて妙な懐かしさを感じさせてくれた。
底ん処をよろしく
東京ストーリーテラー
高田馬場ラビネスト(東京都)
2015/10/19 (月) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
正統派のストレート
人間の持つ情を基軸に展開する、昭和の香り漂う心地よいホームドラマ。
人情、愛情、友情が折り重なるように優しく連なるストーリー。
どこにでもあるかもしれない心情を描き出す脚本は秀逸。
素直に笑って涙できる正統派のお芝居だった。