カミサマの恋
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2017/01/18 (水) ~ 2017/01/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
殺伐とした日常生活に、ちょっとした安らぎを与えてくれる心地よい物語。
曖昧模糊とした日本的な八百万の神々の存在が、
身の回りの安心と小さな幸せを気づかせてくれる。
人の心の内には神様でなくそれぞれのカミサマがいるのかもしれない。
やすらぎ、刺激、心地よさ、興奮、人それぞれ何かを得られる舞台って素敵ですね。
世界に1人だけの草なぎ
宇宙論☆講座
ラ・グロット(東京都)
2016/12/27 (火) ~ 2016/12/30 (金)公演終了
満足度★★★★
虚像と現実、夢の世界が入り乱れる一種異様なガサツファンタジー。
面白さは想像以上に突き抜ける。
日本的な狭小空間を大胆に活かした舞台構成。ファンタスティックな照明。
オリジナリティ?あふれる音楽の数々にも圧倒される。
作者の脳内と同期するようなハチャメチャさと危うさが心地よかった。
むせ返る酒臭さだけはいただけなかった。
ヘナレイデーアゲイン
AnK
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/12/22 (木) ~ 2016/12/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/12/22 (木)
サンタクロースの様にファンタジーな夢を見させてはくれなかったけど、
見えない何かと戦い、目の前の障害を蹴散らす裏女子力を見せつけられる楽しいお話しでした。
殺伐と得体のしれない何かに流されている毎日にドロップキックする感じで、100分間の心地よいトリップ。
終演で引き戻される現実に寂しさを感じさせる舞台。…やっぱり夢を見ていたのだろうか?
雨の夜っていうのもいけないのか。
初めて観た団体さんでしたが、作者のこだわりや想いがこれでもかって弾ける感覚が伝わり、重たい部分と気持ちよい部分が螺旋状にやってくる。音楽やノイズ、SEが気持ちよいほどマッチしていたのは演出力?それとも音響さんの腕?ともかく覚醒的ですごかった。
やっぱり夢かな
師走の月に何想ふ
演劇ユニットZANNEN座
遊空間がざびぃ(東京都)
2016/12/16 (金) ~ 2016/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
心地よい演出に惹かれた。
濃厚な恋話をさり気なく軽いテンポで見せつけつつも、しっかり個々に足跡を残す。
変幻自在の3人の女性が思春期から母までを当たり前のように演じきる。
3色の背景となる俳優さんも、少々中性的なカラーで違和感なく溶け込み、女子の恋心を紡ぐ柱として良い存在感があった。
簡素なセットもあえてか想像力が膨らみ、
作者の世界観を自由に共有でいた気がするのが良かった。
逆に作者の心内と意思をがっつり感じられる様な、作りこまれた長編も観てみたい気がした。
出来れば、役者さんの顔と名前が一致するように、
誰が誰だか判るともう少し親切だったかな。
執事達は沈黙
劇団ピンクメロンパン
シアター風姿花伝(東京都)
2016/12/14 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了
満足度★★★
執事と羊がかかったコミカルサスペンスかと思いきや!
17世紀の欧州っぽい雰囲気の世界観にシェイクスピアのエッセンスが加味され、支配からの卒業を試みる羊のような奴隷的存在の執事たちの物語だった。
物語のプロットも世界観も素敵で面白いが、登場人物が多いため関係性とキャラクターの説明的なシーンがかなりロスって、テンポを悪くさせていた。個々の役者さんの演技もキャラの作り込もよかったので、少々残念。
オープニングの設定共有の件と展開がとても面白く良かったので、その感じで執事たちのキャラも理解できると良かった。
Dressing/Dressing UP【本日いずれも当日券あります!13時U、16時U、19時D
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2016/12/08 (木) ~ 2016/12/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
-Dressing-観ました
やっぱりfeblaboの企画プロデュース力はレベル高。
魅力あふれ役者陣がそろい、ギュッと詰まった面白さは秀逸。
8人の役者さんが全て女性で60分のミドルサイズにもかかわらず、
しっかりキャラだてされストーリーに絡みつくところは面白い。
魅力的な脚本と演出が活きた物語は、
5年後の 『Dressing UP』もぜひ観たくなる。
バンク・バン・レッスン
劇団MARBLE
ART THEATER かもめ座(東京都)
2016/12/09 (金) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★
ちょっと肩すかし
前説諸注意の凝った見せ方に期待高まる。
しかしながら本編は前説を超える事無く少々消化不良。
役者陣の一生懸命さも、振りきれた演技も良かったものの、
いまひとつかみ合わない物語と、
唐突な早口台詞に後半は少々疲れた感じに。
面白い役者さんもいらっしゃるので、今度は別の作品も観てみたい。
平成戦士デモクラッシャー
アフリカ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2016/11/29 (火) ~ 2016/12/05 (月)公演終了
満足度★★★
物語は面白かったけど
楽しさあふれる戦隊モノは、音楽的にもカッコイ良く面白い物語。
全体的には良くまとまっていて良かったものの、
5人のヒーローも主役のレッドに比べてあとの4人が薄すぎる…。
見た目優先なのか演技スキルが低すぎてバランスが悪かった。
喜怒哀楽が詰め込まれた宝箱のような舞台ながら、
物語がちょっぴり単調だったのが残念。
脇を固める俳優さん女優さんがしっかりして要所を締めてることで、
物語のバランスが保てているのはちょっと綱渡り的か?
元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】
元東京バンビ
スタジオ空洞(東京都)
2016/11/25 (金) ~ 2016/12/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
反則的に面白い
いい、すっごく良い。正面から馬鹿丸出しで挑むドタバタコメディ。
初めて見たけどハチャメチャな面白さ
クソ次郎&ぶうたろうの劇団員以外のメンバーの濃さが、
半端なくズルイ程に面白い。もちろんお二人も素晴らしかったけど。
シンプルなセットながら効果的に展開する細かい計算が憎らしいほどに素敵。
大胆な窓の使い方も衝撃的。
考えて練られた笑いに、役者それぞれのアドリブ的パワーが相乗して、
押し寄せてくる面白さに思いっきり笑えた。
第17回公演 『モラルハザード』 第18回公演 『Ctrl+z ダイアリー』
劇団天然ポリエステル
キーノートシアター(東京都)
2016/11/24 (木) ~ 2016/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★
モラルハザード…。
物語自体、プロットも台詞も面白いし、
ワクワクする展開なのに引き込まれない。
幕開けに現れる男でも女でもない不思議な猫の言葉で、
一気に高揚し物語の展開に期待するも…何故だろう。
役者陣のキャラもたつし演技も素晴らしいのに…
のれないステージだったのが少々残念。
しかしシーンごとに楽しく面白い展開もあり楽しめた。
風車〜かざぐるま〜
ものづくり計画
萬劇場(東京都)
2016/11/16 (水) ~ 2016/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★
後半勝負
三部作の完結編との事で、ついて行けるか?と思ったが心配なく楽しめた。
しかし広島弁?が攻撃的なのと、
早口の怒鳴りあいの展開では台詞が上手く伝わらずに残念。
でもトータルでは面白い舞台でした。
量子的な彼女
NICE STALKER
王子小劇場(東京都)
2016/11/19 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
もっと勉強せねば
不思議な空気感を作り上げるマイナスイオンのような団体。
このお話は文系でも楽しめる理系な物語という触れ込みでしたが、
やっぱりその解釈も表現も難しかった。
しかし魅力あふれる役者さんが、
舞台上で活き活きと動き回わる姿は感動的。
サイド席を使った張り出しの様なステージ、シンプルで神秘的な美術、
客席をも使った縦横無人な演出も妙に心揺さぶられる楽しさだった。
これで自分自身が物理的な表現と比喩をもっと昇華できれば,
もっと楽しめたのだろうと思うとちょっと残念。
オカルト研究部の4人、屋上の先輩2人、望遠鏡をのぞく先輩と後輩。
どのシーンも発せられる言葉一つ一つが面白く、次の言葉、次の展開が
待ち遠しくなる一種麻薬的な台詞回しが心地よかった。
やっぱり、イグロヒデアキさんと藤本紗也香さんは反則的なキャラクター。
その歪なる世界観を存在だけで表現できる魅力的で不思議な役者さん。
かなり気になる存在です。
当たり前のようだけど、制作運営の方がしっかりしていると心地よいですね。
最近ひどいところが多いので、観客に気を配れて、
舞台を楽しんでほしいという気持ちが、
周りに伝わる人たちを見ていると心が洗われます。
これからもがんばってください。
お願いだから殴らないで
MacGuffins
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/11/16 (水) ~ 2016/11/27 (日)公演終了
満足度★★★
熱量の高い舞台
物語は悲運な男が織りなす家族愛なんだろうが、
凄まじく熱く燃えたぎる舞台に圧倒され、物語が入ってこなかった。
主役のお父さんをはじめ一人一人の役者さんは魅力的で素敵なんだけど、
あまりの熱量に飲み込まれてしまった。
舞台セットが何もないだけに想像力が膨らむ。
様々な情報を飲み込むのに必死になってしまったけど、
もっと気楽にのんびりと楽しめば良かった。
力を入れず広角的にみるとよいのかもしれない。
とりあえず、車の中で「やったー」と叫んでみた。
酔いどれシューベルト
劇団東京イボンヌ
ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)
2016/11/15 (火) ~ 2016/11/18 (金)公演終了
満足度★★★★
楽しい試み
クラシックやオペラで目の肥えた方には物足りないのかもしれないが、
生演奏や声楽家の歌声などに
触れる機会が少ないものには心震える素敵な舞台。
物語も判りやすくまとめられ、序盤の観客を引き込む笑いや仕掛け、
そして徐々に高揚感を高め、物語の核心に引き込む後半の流れ。
良くまとまった万人受けする感じ。
主役のいしだ壱成さんはじめ、
要所を力のある役者さんやアーテイストを据える事で、
全体がスケールアップしまとまり感が出来ていた。
演劇公演が日常に近づく一つのあり方として楽しめる一本でした。
ちょっと残念なことはネタバレで。
俺んちに神様!? 2016
タッタタ探検組合
ザ・ポケット(東京都)
2016/11/09 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに喜劇
喜劇舞台の勢いと破壊力を感じた濃厚な舞台。
欲張って言えば、せっかくの七福神それぞれにもうちょっと見せ場と笑いの種があっても良かったかも。それぞれ魅力あふれるキャラクターだし。
本気の喜劇舞台をしっかり楽しめた。
魔女と賢者と永久の薬師
劇団ゴールデンタイム!
劇場HOPE(東京都)
2016/11/10 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★
一つ一つは良いけれど…
ダークファンタジーの汎用型的な判りやすい舞台。
好みは人それぞれであるが、この手の作品はマニア的な楽しみには物足りず、一般客にはちょっとむずがゆく感じる。原作ベースである程度の認知度があるとハードルは低いのだろう。オリジナルで挑むと世界観の説明からついて行くのがちょっぴり大変かもしれない。
しかしながら、導入の一人語り、善悪のカラー、対立軸などなど世界観を押しつけるだけでなく包み込もうとする努力を感じられた。
また、スキルの高い役者陣がそろい、一層魅力的な舞台になったと思う。
とくに動きの激しい女優陣(シュカ、アンダリテ、トート)が、狭い舞台を縦横無尽に動く姿はの見せ場があってより素敵だった。
パール食堂のマリア
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
上質な日常
ほんのり懐かしさを感じる当たり前の日常。
人間一人一人にドラマがあると改めて教えられる物語。
広い劇場の空間をうまく生かした美術も秀逸。
淡々と描かれる物語に絡みつく人間臭い感情が琴線を刺激する。
深い味わいの物語でした。
自分的にはもう一歩、涙腺を刺激する展開も観たかった気がする。
ホテル・ミラクル4
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2016/10/28 (金) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
まさに地産地消
劇場のある歌舞伎町にふさわしい魅力あふれる作品群。
面白い話と役者さんをそろえる卓越したプロデュース能力に脱帽。
演劇の楽しみ方の幅が広がる企画だと思う。
どれも頷け、のめり込む物語が並ぶが、
「楽しい家族計画」の熱い会話劇と、何処までも転がってゆく展開、
気付けば立場も入れ替わる秀逸な脚本にワクワク。
役者さんも男女ともにハマった感じで良かった。
演出がいいのか、役者が良いのか、
相乗効果ってこういうものなのかと思える一本。
今の世では居るなこいつと共感できる「後戻り出来ない女」も秀逸。
これからのラインナップにも注目。
前節から流れるように展開される物語も良かった。
『みんなしねばいいのに』
うさぎストライプ
アトリエ春風舎(東京都)
2016/10/23 (日) ~ 2016/11/05 (土)公演終了
満足度★★★
思いっきり
一日三度はつぶやくこのタイトル惹かれ観劇。
不条理な世界の言いえない歯がゆい感情に湧く刹那的な殺意。
共感できる良い物語のプロットでしたが、表現力の拙さが歯がゆさを増す。
すごく難しいところですが、
不条理な感情が判りにくいところであえいでいる感が大きかった。
しかしながら素敵な役者さんも揃い興味深い舞台でした。
噛み砕いて昇華すると面白みが減退しちゃうのかな。難しいところですね。
骨の見晴
劇団 背傳館
荻窪小劇場(東京都)
2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了
満足度★★★
後から来る感覚
いうほど不気味でなく、いうほどグロくなく、いうほど不快でなく、いうほど難解でなく、でも解るかといわれたら解らない不思議な世界。
なのにもう一度観たくなるのは何故だろうか。
抽象的に舞台から投げられるパーツを、一つ一つ組み立てる作業が不思議と苦にならない、そんな独特なテンポが心地良かった。
広義でもう一度観たくなる作品。