
第一部 外波山文明ひとり芝居「四畳半襖の下張り」
椿組
SPACE雑遊(東京都)
2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
昨夏をもって花園神社での野外芝居に幕をひき、今春の公演で外波山文明がプロデュースする公演も最後となった椿組の夏公演は、坂本長利の「土佐源氏」と並ぶ好色一人芝居「四畳半襖の下張り」と、女優だけによる「オンナの夜咄」の二本立て。男と女それぞれの艶話で涼を味わうか、もしくは燃えあがるか。ゴールデン街で外波山が経営するバーの出店が入るってのもこたえられない。

息る。
株式会社NLT
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
60年以上の歴史をもつNLTによる「稔」「個室」「歪」「息る。」という4週連続公演の掉尾。劇場は旧てあとるらぽう。劇団NLTの枠を超えて見応えのある演劇作品を制作するカンパニーとしての公演だけに興味深い。
ところでこの4週連続公演、それぞれにチケットプレゼントがあり「観たい!」も投稿されているのだが、「観てきた!」が1件もないというのは…

アンネの逆襲
劇団PDW
ウッディシアター中目黒(東京都)
2025/06/25 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
このチラシを最初に見たときは、月イチの訪問者との戦いを描くコメディかと思ってしまった。まさかパラレルワールドでの「アンネの日記」とは……。
そういえば以前、「アンネの日記」の中に当時は発明されていないボールペンで書かれた部分が見つかり、「アンネの日記」自体がナチスの非道を喧伝するために後年作られたものではないかという疑念が出たという騒ぎがあったが、その後どうなったのだろう……。

料理昇降機
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ノーベル賞作家ハロルド・ピンターの不条理劇「ダム・ウェイター」を最初に観たのは13年前(2012年)の早春だった。劇場は下北沢の楽園。米国人アンディ・ユーテックの演出で、高城ツヨシ・にわつとむの二人が演じていた。楽園の小さな空間が息詰まるような緊張感に満たされていたのを思い出す。飲食店でよく見かける料理用のエレベーターをダム・ウェイターというのだと初めて知ったのだった。
その「ダム・ウェイター」を13年前と同じ喜志哲雄訳で夢現舎が手掛けるという。新高円寺のアトラクターズ・スタヂオ(行灯パブろびっち)も小さな空間。これは期待しかない。

黒いのは大抵、白いのよりほんの少し高い音で鳴く。
空想実現集団TOY'sBOX
北池袋 新生館シアター(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ピアノの#の黒鍵のことかと思えば、「鳴く」となっているからシロ(無罪)かクロ(有罪)かってことだろうな。黒が少し高いってことは「弱い犬ほどよく吠える」ってのと同じか。“真っ白な床に広がってゆくのは「赤」は、ワイン、血か、それとも罪か――。”っていいコピーだなぁ。正義と復讐、嘘と本音がカクテルシェイカーでシェイクされた運命論×メタ視点×ブラックコメディのお味はさて……。

役に立たない言葉が欲しい
GORE GORE GIRLS
駅前劇場(東京都)
2025/07/16 (水) ~ 2025/07/20 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「フォークで刺すならばこめかみがマナー」…アブドーラ・ザ・ブッチャーは対戦相手(殊にテリー・ファンク)をフォークで所構わず突き刺していたなぁ。やっぱマナー違反だったのか。そのブッチャーの引退式での車椅子から立ち上がっての最後のメッセージが「若い奴らに言っておく。親を大切にしろ。施設(老人ホーム)に入れようなんて絶対に考えるな」だったのはある意味シュールだったなぁ。
最近は自虐ネタが少なくなったものの、いつのまにか引きずり込まれる非日常、ある意味不条理劇なGORE GORE GIRLSの舞台は麻薬にも似た習慣性を持つよなあ。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第五期~
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2025/06/11 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
4月から8月までのロングランで、期間中は同じ作品で多くの俳優が入れ替わり立ち替わり出演するという主宰が劇場オーナーだからこそ成しうる異例の企画公演……各期ごとに微妙に異なる舞台だが、折り返しての後半戦最初となる第五期はどうなるか。

尾﨑優人一人芝居 北極星のがなりマイク
優しい劇団
浅草九劇(東京都)
2025/06/03 (火) ~ 2025/06/03 (火)公演終了

『所以』〜room for sympathy〜
劇団 CAT MINT
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/06/04 (水) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
母親を殺したと自首してきた青年の動機は一体…最近の推理小説で最も重要視される動機の問題に、この作品はどう向き合うのだろう。わかばやしめぐみの客演も楽しみだ。

徒然なるままに… NOT TO BE, OR NOT TO BE…
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
タイトルの中の英文は言わずと知れたハムレットの台詞をもじったもの。が今回の物語は何をやらせてもぱっとしない落ちこぼれの兵隊たちが集められ結成された特攻隊の「送り屋」のオハナシ。「死ぬべきか、死ぬべきか」だと確かに特攻隊と無縁ではないが…。記録と記憶の間にある距離を噛みしめるような味わいの中に、心の奥に埋もれている大切な想い、それを守り続ける勇気を繊細に描き続け、役者の創造力を最大限に引き出し、かつ観客の観察力や想像力に訴える秋葉舞滝子の姿勢は今回も我々の心にじっくりと沁みこんでくることだろう。船戸慎士の客演も楽しみだ。

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
![moment et eternite [瞬間と永遠]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/347/stage_347631.png?404156)
moment et eternite [瞬間と永遠]
劇団ろうそくだんす
北千住BUoY(東京都)
2025/06/06 (金) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

未来へつむぐ
つむぎジャパン
国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟・小ホール(東京都)
2025/07/04 (金) ~ 2025/07/05 (土)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
国と愛する者を守るために若い命を犠牲にした人たちがいたおかげで好き放題のことを言っても許される現在の日本がある。それを忘れて現在の視点からああだこうだと言い募る輩ほど不快なものはない。同期の桜の作詞者である帖佐氏は今も戦友の墓参の都度、お前たちはこんな日本を作るために死んでいったのかと語りかけるという。当時の人たちの心を無駄にしてはならない。

Brother~another father~
“STRAYDOG”
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2025/05/28 (水) ~ 2025/06/01 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
タイトルから思いつくことは兄が父親代わりだった、ということか…。「訳ありの兄弟妹を再び引き寄せたのは共有した時間とハンバーグの味」となると胸に迫る物語世界となるだろうか。

『イライラの依頼人とベンベンの弁護人』
コケズンバ
サンモールスタジオ(東京都)
2025/05/27 (火) ~ 2025/06/01 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
穴吹一朗の作・演出だけに面白さは折り紙つき! 昨今弁護士がマスコミによく登場するが、絶対に有罪とわかっていても無罪を主張せねばならない胸中は一体いかなるものだろう。

メイクコンタクト
劇団ZERO-ICH
雑遊(東京都)
2025/06/04 (水) ~ 2025/06/08 (日)公演終了

六道追分(ろくどうおいわけ)~第四期~
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2025/05/28 (水) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
4月から8月までのロングランで、期間中は同じ作品で多くの俳優が入れ替わり立ち替わり出演するという主宰が劇場オーナーだからこそ成しうる異例の企画公演……各期ごとに微妙に異なる舞台だが、前半を締め括る第四期はどうなるか。

ユグドラシル
劇団KⅢ
座・高円寺2(東京都)
2025/06/05 (木) ~ 2025/06/07 (土)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
世界は崩壊し、人々は少ない資源を探し、貪り、支えあう中で次々と「樹」になってしまう奇病が蔓延する…因みにワイン用のぶどうの樹は荒れて水の少ない土地ほど根を深く広く張って、良い実を結ぶという。樹になった人々はどういう実を結ぶのだろう。

Blue moment
Theater Company 夜明け
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2025/05/29 (木) ~ 2025/06/01 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
サブタイトルの「-世界が夜と朝の狭間で色づく瞬間-」というのは以前は登山を趣味とし、時には日本アルプスの山頂からご来光を拝んでいた私にはよくわかることだ。その瞬間のえもいわれぬ感動を舞台でも味わえるだろうか。

リア
劇団うつり座
上野ストアハウス(東京都)
2025/05/28 (水) ~ 2025/06/01 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
昨年桟敷童子の東憲司が脚色・演出し岩崎加根子が主演して俳優座によって上演された「慟哭のリア」は昨年の観劇204本の中でBEST3となる作品だった。そのシェイクスピアのリア王を岸田理生はどのように描き出し、篠本賢一はどのように視覚化してくれるのだろう。