
リーディング公演『ロッテルダム』『若造(チャマーコ)』
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
上野ストアハウス(東京都)
2023/02/16 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
【2ステージ予約済】
どちらも興味深い内容(キューバの戯曲なんて、まず上演されたのを観たことがない)だが、私にはイチ推しの日向みおが出演する「ロッテルダム」を見逃せなくて、この作品を2ステージとも予約済。
それにしても公益社団法人の主催だからだろうが、上野ストアハウスで2千円というのは驚異的な安価さだ。

「また明日ね」
劇団PIS★TOL
ザ・ポケット(東京都)
2023/02/15 (水) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
長崎原爆の前日を描いた舞台作品に井上光晴の「明日―1945年8月8日・長崎」があり、これまで4回観ているが、劇団PIS★TOLの今回の作品は東日本大震災の前日を描いているらしい。両作品ともに「明日」という言葉が使われているのが悲しさを呼ぶ。剣持直明の客演が楽しみ。

レプリカ
ハツビロコウ
シアター711(東京都)
2023/03/14 (火) ~ 2023/03/19 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
演劇にありがちな大きな身体表現が無くとも丁寧にしっかりと物語を紡ぐストレートで丁寧な作品創りで、観客を舞台世界に引きずり込むハツビロコウ。次回公演はチェーホフの「ワーニャ伯父さん」になるようだが、毎回目を離せない。今回の鐘下辰男の「レプリカ」は未見の作品だが、閉鎖された土地での密な人間関係の偏愛が織りなすサスペンスとのことで、松本光生がいつかやりたいと熱望し条件が揃うのをひたすら待っていたというのだから、これはもう期待しかない。

フツーの生活 沖縄編
劇団昴附属養成所
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2023/02/15 (水) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
少し前だが、バブル期に比べて生活が厳しいという意見に対して、バブル期を知らない世代からの「バブルに比べてどうのこうの言わないでほしい。バブルを知らない自分たちには今がフツーなんだから」という意見に目を見開かされる思いがした。確かに今暮らしている日常こそが普通なのだ。しかし、それが普通であってはならない日常だってある。戦争だったり、チベットやウイグルのような人権圧殺がそれだ。この作品は第二次大戦中のガマを舞台にして描かれるらしいが、昨年チョコレートケーキが上演した「ガマ」をはじめとした戦争六部作が読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞したばかりなだけに、老舗劇団昴がどう描くのか興味が募る。
ところで、私が沖縄の泡盛会社に入社した時のことだ。歓迎会を19時から始めるというので、残業していた私はその10分前に息せき切って会場である店に駆け付けた。ところが宴会場の準備は整っているのに、誰も来ていない。じっと待っていたら、最初の人間が来たのは2時間後だった。「19時からじゃなかったんですか?」と問う私に「ああ、沖縄時間の説明を受けてなかったのか」と。結局21時半に始まった歓迎会は午前3時頃まで続いた。翌朝二日酔いの頭を抱えつつ8時半に出社してみればこれまた誰もいない。9時から始動の工場の生産ラインも止まったまま。9時過ぎに出社してきた社員になぜ誰も定刻に来ないのか訊くと「だって、昨日は呑み会だったじゃん」。基地をなくすことで得られなくなる補償金に代えて本土の企業に沖縄に進出してほしいと言いながら、こんなことがフツーとしてまかり通っているんじゃ無理だよなあとつくづく感じたのだった。

点と線のオブリビオン
9-States
駅前劇場(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
オブビリオンとは「忘却」のこと。「点と線」は松本清張の代表作のひとつだが、それが忘却と結びつくとなると……。前回公演「彷徨いピエログリフ」は昨年観た240本の芝居でBEST10に入る内容だっただけに今回も期待が大きい。ライオン・パーマの加藤岳仁が客演しているのも楽しみ。

「どんぐりくらぶ」
人形劇団ひとみ座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「ひょっこりひょうたん島」以降親しみを覚えているひとみ座も創立75周年。その記念公演をシアターグリーンの2館を使ってコインの裏と表のような作品を上演するという。小さなBASE THEATERの方はどんぐりが好きすぎただけで宇宙に広がる物語に巻き込まれる少年を描く「どんぐりくらぶ」。どんぐりと宇宙がどう繋がるのか、また「モモ」との関連は……。興味が募る。

「モモ」
人形劇団ひとみ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
おお、「はてしない物語(ネバ―エンディング・ストーリー)」と並ぶミヒャエル・エンデの壮大な物語「モモ」を人形劇で! いやむしろ人形劇だからこそイマジネーション豊かな物語世界を視覚化でくるのかも。長い歴史をもつひとみ座(私自身はNHK「ひょっこりひょうたん島」から馴染み深い存在だ)だけに期待が大きい。

ひとり語り芝居『土神ときつね』他
お茶祭り企画
あさくさ劇亭(東京都)
2023/03/10 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
物語を戯曲化せずに原文 のまま、ピア ノの生演奏とともに役者の身一つで語り演じるひとり語り芝居による宮沢賢治の世界—宮沢賢治とゴッホの繋がりとは?

愛犬家
甲斐ファクトリー
ザムザ阿佐谷(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
16年9月に上演した旗揚げ公演の再演だという。
ミステリーファンの私が「愛犬家」と聞くと埼玉愛犬家連続殺人事件がすぐに頭に浮かぶが、その犯人・関根元が和歌山毒物カレー事件の犯人とされる林眞須美と互いに獄中にありながら文通していたことはあまり知られていない。
この作品は埼玉愛犬家連続殺人事件とは関係がなさそうだが、静かで穏やかな日常にひっそりと忍び寄る心の闇やコミュニケーションに突き刺さる棘のようなものを乾いた言葉とスピード感のあるリズムを武器にして表現する団体だけに、少女の心の闇をどう観せてくれるだろう。

とんとマル
東京AZARASHI団
サンモールスタジオ(東京都)
2023/02/21 (火) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
映画「スマホを落としただけなのに」は怖い映画だったが、この芝居はスマホを拾ったばかりに大騒ぎに巻き込まれる(巻き起こす?)のだという。穴吹一朗が創りあげる舞台にハズレはないので、今回も期待大。
ところで東京AZAЯSHI団はいつから東京AZARASHI団になったのだろう?

当たったらホームラン!
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
トツゲキ短編祭と銘打たれているが、作家の顔ぶれの広さに驚く。個人的にはプルーストリーの「夜の来訪者」の翻訳家として馴染み深い内村直也がどういう戯曲を書いていたのか興味深い。
全作がホームランとはならずとも、三塁打クラスは期待できる顔ぶれだ。

戯けの死に様
獏天
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
昨年5月の「孤という毒」は、50歳を過ぎての舞台初出演という亀石太夏匡の長編一人芝居に驚愕し、知人の女優にも必見だと薦めて、その女優さんも素晴らしかったという言葉しか出てこない有様だった。今回その亀石は出演しないものの、獏天としてはほぼ15年ぶりという時代劇、しかも幕末オールスターによるイデ版妄想幻想のアクションゴリゴリ幕末狂騒伝だという。今回はどんな驚きを観せてくれるだろう。

ツァイガルニクに勝つ記憶
地下富士と廃校
中野シアターかざあな(東京都)
2023/01/28 (土) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ツァイガルニクとは目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶が完了課題についての記憶に比べて想起されやすいことをいう。要するにできなかったことへの慚愧の念は達成したことよりも大きいということだ。それをテーマにした7本の短編オムニバス公演—あるあると思いながら見つめることになりそうだ。

永遠(とわ)に逞(うつく)しく
よせなべ
雑遊(東京都)
2023/01/26 (木) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
闇鍋ではなく寄せ鍋。渡辺浩一のソロ活動プロジェクトとして始動したというから渡辺の「なべ」なのだろう。今年は、〈渡辺浩一芸能活動30+2周年記念〉として2公演を予定している内の第一弾との由。「逞しく」と書いて「うつくしく」と読ませるのは、やはり男ってものは逞しくあらねばならぬということだろう。逞しき男の美しさを確認したい。

磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了

DOG’S
LIVEDOG
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
飼い主が戻ってくるのをただひたすら待っている―って、まるで忠犬ハチ公だが、犬社会を通じて現代の人間社会に鋭く問いかけをする作品だという。どんな問題提起が隠されているのか。登場人(?)物はすべて「犬」だそうだが、和興がどのような表現で観せてくれるのか楽しみ。

K2
滋企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
この作品はサンシャイン劇場での日本初演(83年)と本多劇場での加藤健一事務所(97年)との2回観ている。日本初演はなんとあの菅原文太の舞台初挑戦だった(といっても菅原文太の舞台出演はその後「半七捕物帳」があるだけだが)。氷壁にハーケンを打って登る場面があるのだが、終盤の雪崩も含めて、こまばアゴラの小さな空間でどう表現されるだろうか。

血の婚礼
劇団東京座
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「ベルナルダ・アルバの家」「イェルマ」と並んでスペインの劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる土着的な三大悲劇のひとつだ。映画化されたものも観ているが、舞台では19年11月にLe Matinが二人芝居として上演した(脚本・演出:奥村千里)のを観たことがあるだけだ。濃密な舞台にめぐり逢えるだろうか。

ラチカン
三栄町LIVE
三栄町LIVE STAGE(旧:フラワースタジオ) (東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

Go Let It Out
演劇企画アクタージュ
荻窪小劇場(東京都)
2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
グループセラピーを扱った演劇作品というと一昨年12月に観たボビー中西プロデュースAWDL公演「ビューーーティフル!」(尾身美詞と江間直子というダブルキャストの両方を観た)を思い出すが、なかなか自分自身のこととして捉えきれなかった。今回の舞台はどうなるだろう。
ところでカプセル薬が敷き詰められているチラシは全英1位を獲得したOasisの曲「Go Let It Out」の冒頭での「自分をそれほど好きならば/全ての薬を試してみろ」という歌詞と関係しているのだろうか。