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泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
戦後復興期、高度経済成長期に入った頃の炭鉱町を舞台にしたお芝居で、
タイトルに、まず注目しました。お芝居を観て、何かほっこりしながら納得。
役者さんの強い精神力と訓練された演技力に満ちた本番の間、私の集中力が途切れる事はありませんでした。
歴史を扱っている作品は、時代考証を自分の頭の中で行いながら、芝居を観るので、一つの明確な基準が出来るという点で評価がストレートに決まり、自分にとって楽な気持ちで観劇出来るジャンルだと思っています。この団体は、「忘れられつつある戦後史に責任を果たそうとしているのだ」と感じられた程で、役者さんに「歴史も味方をした」かの様な仕上がりになっていて大変感心しました。台詞はもちろん、炭鉱事故の際に鳴らされたサイレンの音まで私の耳に残っています。
初見の団体でしたが、今後観続けたい高い意識をもった劇団と評価します。