
せんがわ劇場×桐朋学園芸術短期大学自主上演実習公演
桐朋学園芸術短期大学芸術科演劇専攻
調布市せんがわ劇場(東京都)
2026/07/11 (土) ~ 2026/07/12 (日)公演終了
実演鑑賞
ここ数年、桐朋学園芸術短期大学自主上演実習公演を観ているが、今年は残念ながら1日(2演目)だけ。しかし 未見の作品で潤色しているとは言え 観応え十分。それだけ学生の演出と演技が素晴らしい。
公演は教員の監修のもと、学生が自ら作品を選び 上演する。学士「芸術学(演劇)」取得の審査対象になり、上演作品の映像を独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に提出することになっているため、★評価はしない。
●「またここか」(作:坂元裕二 潤色:片野彩加)
●「夢を見る」 (作:石原燃 潤色:小野七実、小野萌香)
(上演時間「またここか」85分 「夢を見る」60分)追記予定

迷妄曲論
藍澤慶子一人芝居
東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)
2026/07/07 (火) ~ 2026/07/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
或る女性の小学生から三十代半ば迄、その綴られた日記の舞台化のよう。藍澤慶子さんの一人芝居 そのモノローグは内省と激情の繰り返し。ダイアローグ その姿の見えない相手は衣類という小道具を使って対話する。Kという女性の伝聞というスタイルで語っていくが、実は語っている本人の物語と言う。登場する人物そのものの存在があやふやで、一見 迷妄していくようだが…。早い段階で 性格の欠点が語られるが、そうなった原因は 今 社会問題になっていること。それ以降の彼女の人生に大きな影を落とし生き辛くしている。紆余曲折しながら懸命に生きてきた女、その成長譚のようでもある。
公演の魅力は 勿論 藍澤さんの演技力だが、その熱演を邪魔しない演出が好い。一人複数役を担うが、その情景・状況作りは飽くまで一人。音響はなく 音楽も奏でることなく、最後に一曲流れるだけ。照明も過度な照射はなく 淡く柔らかい光が射す、そんな僅かな諧調のみ。それだけに芝居の中の人物がくっきりと立ち上がる。
(上演時間1時間25分)追記予定

夏のおどり
東京レビュー
浅草花劇場(東京都)
2026/07/09 (木) ~ 2026/07/11 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
魅力的なパフォーマンス。「夏のおどり」ということもあり「南へ!」をキーワードに構成した12演目。日本の沖縄民謡だけではなくブラジルのサンバまで幅広く取り入れており、踊る姿態と衣裳の華やかさは眼福。レビューの魅力は華やかさであるが、幕が下りれば夢(酔い)から醒めたような虚無感、その儚さ潔さが好い。だからこそ踊っている最中は夢中になって観る、その姿を目に焼き付けようとする。
本公演、実はすでに音源がない演目もあり、残っている映像で音源を再現したらしい。そんな努力と苦労が実を結び、ダンサーは熱量と鼓動が共鳴し合い、力強いステップが地響きのように会場を揺らす。個々人の力の調和が「生きている」を主張しているよう。
(上演時間1時間)

煙の汽水域
ムシラセ
小劇場B1(東京都)
2026/07/11 (土) ~ 2026/07/19 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
人は その時々の状況や環境に対して 抵抗したり受容したりしながら生きている と思う。そんな人の生き方をタイトルにある汽水域として捉えているよう。もっとも その人の本質は変わらないようでもある。
物語はある男の30年間ー20歳・35歳・50歳ーの時々を切り取った話。必ずしも一般的にある状況ではないが、隣の隣 さらにその隣ぐらいにはあるかも知れない、そんな微妙な距離感の設定。時代に応じた三場面だが、薄暗がりの中でキャストだけで場転換している。その無言の人影に時の流れを感じさせる。まさに演出の妙。
公演の魅力は、現実と虚構の境界線上を揺蕩うような描きで、その世界を役者の自然な演技が飄々と紡いでいくところ。淡々としているが何故か生き活きとしており観入ってしまう。台詞にもあるがデジャブ、そこに目に見えない家族(父と息子)の絆というか不思議な縁を感じる。
(上演時間1時間20分)追記予定

おいしいディストピアの作り方
MEMELT
すみだパークシアター倉(東京都)
2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
AIを通して人間とは、その存在の在り方を描いた野心作。テーマを物語の中へ巧みに落とし込んで観(魅)せている。そのエンターテインメント性--櫓状の回転舞台、モニター映像などを駆使し役者の躍動感を巧く演出し立体的に展開していく。AIの功罪を印象付けるため敵国という存在を作り、AIの戦術的利用価値を設定。敵国と時間軸の変化が 何となく臨場感を誘う。一方、もともとAIの使用目的とは…その有用性まで台詞で説明したのは丁寧なのか描きすぎたのか、観客によって好みが分かれるかも。
(上演時間2時間15分 休憩なし)追記予定

野火
世田谷シルク
サンモールスタジオ(東京都)
2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
小説 原作の力もあろうが、演出とテキレジが秀逸、それを体現する永井秀樹さんの演技が凄い。舞台は敗戦間近のフィリピン・レイテ島、肺病を患った田村一等兵の飢えと孤独を凄絶に描いた力作。いまだ戦争は終わることなく、世界のどこかで勃発し 不安定な状況にある。それだけに80年以上前の最悪な不条理ではなく、今を考える作品といえる。
登場人物を1人にすることで心情表現を際立たせ、同時に語りをすることで客観的というか俯瞰的に眺めているといった感覚。戦争を実体験として知らない後の世代、だからこそ主観と客観を織り交ぜた描き方にリアリティを感じるのでは…少なくとも自分は怖さを覚えた。また信仰は極限(飢餓)状態の人間(精神)を救えるのか、その内なる葛藤も見どころの1つ。
公演の魅力は、小説と違い生身の人間(俳優)が極限状態に置かれた人物を演じ、その心情に迫ろうとするところ。フライヤーの永井さんの表情(頬コケ、無精ひげ等)、その外見から圧倒的な存在感の田村一等兵を立ち上げる。そして ほぼ素舞台を森林・原野のように見立て動き回るさまは狂気そのもの。その姿を効果的な照明と音響・音楽が支えている。
観応え十分、必見の作品。
(上演時間1時間30分) 追記予定

マクガフィンを待ちながら
ゴセキカク
水性(東京都)
2026/06/30 (火) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
近未来の不思議な物語、しかしその奥には人の複雑な思いが見え隠れする。本人とクローン、<記憶>まで受け継いだら そんな複雑で微妙な思いが静かに揺れる。捉え方によっては、クローンを通じて記憶の中にある思(想)い=確執の氷解どころを探しているようだ。案外それが〈マクガフィン〉だったりして。
人の心は得てして多面的で、時々の心境の変化で異なった思いをする。本作は、記憶に謎を絡ませており、登場人物の繋がりに深みを持たせている。この謎が分かったようで分からない、そんな曖昧さが記憶に重なる。
現実には、まだクローンを身近に受け入れていないが、物語では日常の延長として描いている。書類上の手続き等も描かれているが、あくまで〈心情〉を抱きしめた公演。観応えあり。
(上演時間1時間30分)

HUG!!!
ギギ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2026/07/02 (木) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
観る者に媚びを売らず、それでいて飽きさせない 力 のある公演。一瞬 パンクロックのような印象を受けたが、描かれているのは 時の流れに身をゆだねながらも 懸命に生きている若者像。若気の中にチラッと見える気恥ずかしさ、真っ直ぐな情熱の迸りが綯交ぜになったよう。会場に入ると、そこはクラブ(自分世代だとディスコ)の空間、天井には大きなミラーボール、演奏ブースにはDJらしき人物が円盤を回す(ターンテーブル)。重低音が響き、会場が振動しているような錯覚。スモークの中に照明の強烈な明滅、その光景は幻想的でもある。
登場人物は2人、若い俳優の瑞々しさが 観ていて気持ち良い。色々な話を断片的に繋ぎ脈絡があるのか否か、そんな不思議な物語を展開していく。妙なリアリズムが観客の心を捉え、観終わってみればエッジの効いた物語だ。よく動き回るかと思えば、並んで立って接客しているだけ。メリハリのある動/静演技、そしてモノローグ的な表現によって伝える。もう病みつきになる公演。
(上演時間1時間15分 途中休憩3分)

杏仁豆腐のココロ
演劇ユニット「みそじん」
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2026/06/30 (火) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
タイトルにある 杏仁豆腐のような柔らかく甘いといった内容ではなく、けっこうシビアでヒリヒリするような印象。説明にもあるようにクリスマス・イヴ、離婚を決めた2人の漂流するような会話劇。物語はどこに辿りつくのか分からないが、離婚する原因が切ない。
脚本の面白さ、演出の巧さ、役者の演技(体現) その総合力が観客の関心を惹き 飽きさせない。最後の夜、思い出すのはどうでもいいことばかり。日常の些細なことから旅行先での出来事、そして身の上話からだんだんと身の下話へ変化し…。会話の流れに 離婚する理由が見え隠れしてくる。
ちなみに 前説が面白い仕掛け。
(上演時間1時間25分)🟠橙チーム

ディアマイドクター
演劇ユニット「暇つぶしチェルトン」
萬劇場(東京都)
2026/07/01 (水) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
脚本・演出は勿論、ミュージカルと謳っているから歌も見事。
公演は、当時(明治期)の状況や風潮を背景に 初めて医師免許を取得した3人の女性たちが、どうして医師免許を目指したのかを描いた 虚実綯交ぜのフィクション。物語は、3番目に医師免許を取得した高橋瑞をモデルにした高水せい を中心に、彼女たちの生い立ちや性格などを描き、女性にとっての閉塞感を浮き彫りにする。誰もがそれぞれの事情を抱えながら今を必死に生きている。無情な不条理に叫ばずにはいられない。
彼女たちが受けた体験や仕打ちが、医療(対象患者)に対する違いを鮮明にする。それでも台詞にある「道は違えども、すべては患者さんのために」、その精神は現代に通じるもの。現代といえば、3人が医師になってから起きた感染症の大流行、それをコロナ禍と重ねることで、いつの世の人の心の在り方を巧みに織り込む。
(上演時間2時間15分 途中休憩10分)【B】

ラーメンロック!!
KENプロデュース
シアターシャイン(東京都)
2026/06/30 (火) ~ 2026/07/07 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ロックに例え、自分の(心の)中で音が響かなくなった。その虚無感を乗り越え成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。KENプロデュースは「チューボー」(第十三回公演)で池袋演劇祭優秀賞を受賞しており、料理関係を描いたら実に味わい深い。本作もラーメンという庶民の味、それを一般的な人々に準えているよう。
ラーメン修行=物事に打ち込むことによって得られる充実感、それを反目し競い合いながら技量を高め信頼も深めていく。店内という狭い空間が人間模様という大きな器をもって展開していく。ロック(音楽)は自分を表現する方法、今はラーメン(料理)を作る音が聞こえる。それは幼い時から聞き慣れた父の(寡黙な)後ろ姿でもある。なによりラーメンは自分を映す鏡で、味がそのまま出る怖さ。
冒頭のダンスや生歌で観客の興味を惹き付ける上手さ。物語は、ラーメン チェーン店の社長の社訓が心に響く。味の旨さは勿論、経営としての採算性も大切。何より客に喜んでもらえるような店であること。
(上演時間2時間 休憩なし)【醤油班】追記予定

Days Of Grey Sunlight
空想実現集団TOY'sBOX
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2026/06/26 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千穐楽観劇、面白い。
動物の観点で「自由」や「自立」といったことを分かり易く描いた物語。ストーリー性もさることながら、メイクや衣裳等で魅せ ダンスや躍動感ある動き、そのエンターテインメントとしての要素が魅力的。そして擬人化した動物たちの愛らしさが 実に好い。また音楽は動物たちの動きに合わせたテンポ、そのピアノの奏でが優しく効果的。
物語は 概ね説明通りで、舞台は アナタの街から隣の隣の隣ぐらいの隣街…要は身近で普遍的な話ということ。人間に飼われて育った犬・レトは 寝食に事欠かないが 外の世界を知らない。その意味で 知識や経験等は浅い。一方 野良猫のシッシは、日々の寝食を心配しなければならないが、仲間に囲まれ広い世界を見ている。生きている環境が違う犬、猫が触れ合うことで見えてくる情景や心情が観客の心を優しく包み込む。
物語が動き出すのは、「野良犬ゼロ作戦」が始まろうとしていた―。何となく 殺処分をイメージし、外に出たレトは飼い犬から野良犬に間違われ といった緊張感がうまれるが…。人間以外の動物と人間の思惑、その描き方によって物語が全然違った印象(結末)になる。観客が欲している内容、その捉え方によって少し評価が分かれるかも。
(上演時間1時間40分)追記予定

空の下の約束
劇団龍門
シアターシャイン(東京都)
2026/06/24 (水) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
さすが劇団龍門、社会派劇でありヒューマンドラマを硬軟織り交ぜて描いた秀作。説明では「都会の片隅にある『富山公園』に住み続けているホームレス」とあるが、台詞から東京の山谷が舞台になっていることが分かる。その地の歴史を通して 今ある貧富/格差・不平等・生き辛さ等を浮き彫りにする。同時に或る事情で関西から逃れてきた女性の出自から、特定の地だけではなく どこにでもある問題を示唆する。
全体的に昭和という時代、そのノスタルジックを漂わせた公演。登場人物から「義理」や「人情」といった台詞が飛び交う。敢えて昭和から地続きの現代を風刺しているように思える。
(上演時間1時間40分)

海ねこ症候群 結成5周年企画第2弾 スタジオ公演
海ねこ症候群
王子スタジオ1(東京都)
2026/06/25 (木) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
㊗️結成5周年企画第2弾 面白い。
初の外部脚本家(3人)による「メゾン江古田103号室~きゅんきゅんしたい~」というテーマによる競作。フライヤーにある謳い文句「最高に贅沢で挑戦的なオムニバス」は楽しめた。当日パンフに 主宰/演出の作井麻衣子さんが「何とも難解なテーマでお願いし」とあるが、見事にその世界を表していた。
当日は 台風予報で足元が悪かったが観に行って正解。観たのは Aチーム「すさまじい おやさい」と Cチーム「壮大でささやかな二人芝居」の2本。作井さんが出演する「ふたりは(最高の)ともだち」が観られなかったのが心残り。
(上演時間1時間15分-2本 作品間に休憩なし)

『逸出・ハムレット』
演劇企画ヱウレーカ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2026/06/24 (水) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。初見の団体だが、演劇企画ヱウレーカ公演は凄い!また注目すべき団体を見つけた。
逸出とあるだけに、その描き方が多重に立ち上がり、観客の捉え方によって更に面白味が違ってくる。その世界観こそが妙味であり、どう書いてもネタバレになりそう。概要こそシェイクスピアの「ハムレット」だが、描かれているのは彼の内側(心)から捉えた21グラム=魂の彷徨。これにはシェイクスピアもビックリだろう。
物語を支えているのは、舞台美術でありメイクや衣裳といった外観で それだけでも楽しめる。また劇場の中二階部分も上手く使い俯瞰的であり劇中劇仕立てにも思わせる、そこにも逸出の意味合いが込められているよう。シンプルだがスタイリッシュで心情表現にはピッタリ。
(上演時間2時間) 【Team B】

せかいをみてくる
アンティークス
小劇場 楽園(東京都)
2026/06/17 (水) ~ 2026/06/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「これから」観劇。
今どんな世界の物語を観させられているのか、その不思議感覚が公演の魅力。どんどん惹き込まれ、最後まで興味が尽きない。2015年杉並演劇祭大賞受賞作、11年ぶりに蘇るアンティークス幻の代表作は見応えがあった。少しネタバレするが、「ただいま」「おかえりなさい」「元気だった」 という何気ない言葉が物語のカギを握る。意識した記憶と或るモノによって覚醒させられた無意識が交差した時、主人公 しのぶ と母 ゆみこ の想いが溢れ出る。
表層的には SFで夢落ちのような印象だが、それとは別に人のいろいろな感情が押し寄せるといった現実の重み。当日パンフにテーマは「旅」とあり、人生を「意識=魂」の旅と仮説したとある。現在(2015年)と過去、その時の繋がり交わりこそが人と人の絆、それが優しくも悲しい、そして残酷だ。
(上演時間1時間35分)【チーム海】㊟ネタバレ

隕石
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
思(想)いを伝える いや寄り添うといった心温まる物語。冒頭は限界集落からの逃避的な印象だが、その後 不思議な出来事が…。この公演が面白いのは、表層の可笑しさの奥にある哀惜が透けて見えるところ。少しネタバレするが、場面は突然転換し 全然違う話が展開しだす。しかしラストは緩く繋がり余韻を残す。
もう1つの面白さは、眼前で繰り広げられている物語を通して、自分なりの別の物語が立ち上がってくるところ。色々な想像力を掻き立ててくれる好公演。自分の中では「隕石」は比喩、もっとも劇中で隕石が落ちてという台詞があり 大きな音が響くが。隕石は抗えない運命のようなもの、その時 人はどのような選択と判断をするのであろうか。
(上演時間1時間20分)

借金大王
中央大学第二演劇研究会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
バブル経済崩壊の20年後、そして今から20年前というから2006年頃の物語。説明にある雇用が安定せず、社会には大きな格差と不安が生まれたことは事実、しかし そこから成長するもの…国は「ギャンブル推進法」を制定し 一発逆転のチャンスは国の支援もあり急速に成長は虚構(貯蓄から投資〈運用〉を推奨するが)。この虚実を巧みに織り込んで展開する。
(上演時間1時間20分)

半神
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2026/06/04 (木) ~ 2026/06/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
久しぶりの学生演劇。演目「半神」に惹かれて観に行ったが、予想を超える面白さ。勿論 原作/脚本の魅力もあろうが、演出(客席も含め)が面白い。少しネタバレするが、シャム双生児姉妹を通して人の心にある願望というか欲望をあぶり出す物語。姉妹の外面や内面を醜/美や知/痴などで対置させることで、人の心の在りようを描く。生まれた時からいつも一緒、離れることも出来ない。その気持が「孤独」を欲する。しかし 歳月が二人の運命を分つ といった内容。
出ハケを含め 物語の外観を表す動きは十字(縦横の直線)、心情表現はぐるぐる回るような動き、その変化によって物語の状況を分からせる工夫。また姉妹の対比は登場人物の色彩(例えば服や靴など)や可動する対になった木材櫓で表す。櫓は、台詞にある半螺旋階段であり灯台の象徴であろう。その装置を合体したり分離させることで、二人の情況を演出する。
(上演時間1時間50分 休憩なし)追記予定

外のことはわかりません
ポポポ
シアター711(東京都)
2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
間取りという限られた空間を通して、人が大切にし 何を優先したいかを描いた良作。そこに人それぞれの思考、生活様式や社会的な問題を絡め、幅と深みのある物語を立ち上げている。
どうして「子供部屋、いらないです」なのか が肝だが、ラストはその言葉の裏返し(真意)が心に響いてくる。実演では表現し難い場面、それをポポポらしい影絵(手遊び)演出で効果・印象的に観(魅)せる巧さ。
(上演時間1時間50分 休憩なし)追記予定