公演情報
“STRAYDOG”「月と箱舟」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、今まで観てきた“STRAYDOG”作品とはちょっと違うテイストだったが、この混沌とした世界観は好きだ。公式サイトの「平成での上演を最後に封印していた混沌の怪物を、いざ令和の世に解き放つ!」という謳い文句に惹かれて観劇したが、何となく そういう意味なのかと 独り合点した。ひと筋縄ではいかない構成、独自の手法により魅惑的な世界観を創り出している。
物語性は勿論あるが、その観せ方がミステリー、サスペンス、スプラッターホラーそしてコメディと変幻自在の演出で、情景・状況が目まぐるしく変化する。その何でもアリの混沌とした世界観、その不思議な魅力が物語を牽引する。根拠がある訳ではないが、何となく自由奔放イメージの中島らも 作品を連想、それは理屈を超えた勢いのようなもの。
ちなみに人によっては気分が…トリガーアラートの案内があったほうが良いかも。
(上演時間1時間40分 休憩なし)【さくら組】
2025/10/21 20:46
さくら組の舞台をここまで丁寧に読み解いてくださり、心から感謝申し上げます。
「封印していた混沌の怪物を令和の世に解き放つ」という言葉の真意を感じ取っていただけたとのこと、制作者として何よりうれしいです。
ご指摘の通り、本作は“STRAYDOG”作品としては異色の構成とトーンを持ち、ジャンルを横断する演出で〈混沌〉そのものを表現しています。コメディからサスペンス、ホラー、ロマンまでを自在に往来する構成は、混乱ではなく「生の不確かさ」を象徴させる意図でした。
中島らも氏を想起されたとのお言葉も印象的です。理屈よりも勢いで突き進む衝動、その不条理の中に潜む人間の可笑しさや悲しさこそ、この作品の核でもあります。
また、舞台美術や構成への詳細な観察に感服いたしました。狭い空間の中で、過去と現在を自在に切り替えるため、最小限の装置で最大限の想像力を喚起できるよう工夫しています。血飛沫の演出や観客との一体感も、現場でしか体験できない“ライブ感”を狙ったものです。
率直で洞察に富むご感想、本当にありがとうございます。今後の作品づくりの励みといたします。