ベッキーの憂鬱
ぬいぐるみハンター
駅前劇場(東京都)
2013/08/07 (水) ~ 2013/08/14 (水)公演終了
満足度★★★★
初ぬいぐるみハンターだったわけですが
正直ビックリした。面白い、面白いとは聞いてはいたがここまでとは……。
一つ一つのコンテンツは、ある意味では「ベタ」ではあるんだけど、トータルで評価すると、一つも外せないし、何よりバランスが絶妙でお互いがお互いを引き立てるその結果としての相乗効果。この計算はちょっとすごい。絶妙。もちろん選曲も抜群。
演者さんの演技力も言う事なし。というか、稽古に費やした時間が演技からにじみ出ていて、とりわけ円環して戻ってくるダンスシーン。泣いた。心の中で。泣いた。心の中で(大切な事なので繰り返しました)。
他の方のコメントをみると、下ネタ的な部分に不満を感じている人がいらっしゃったがそれは少し疑問。先にも述べたように、全体のバランスの中で位置づけなければ、個々の部分を取り出して一種のアレルギー的反応として観るのであれば、ちょっとそれは意味を感じない。(というか、下ネタなんてあったか?)
これはよくあるところのものであるけれど「不在」(ベッキーの)が媒介者として「在」を構成していくという手法を取ると、どうしても「オチ」に物足りなさを感じざるを得ないパターンが多い。しかしながら、本公演ではそのような物足りなさを感じなかった。それはやはりダンスシーンと先に述べたその滲み出ているところのものが完全にカバーしていた。
次回公演も大変楽しみにしております。
【ご来場ありがとうございました!】渇望
ロ字ック
nakano f(東京都)
2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了
満足度★★★
例えば……そう例えばカレー。
例えばそれは「あの」カレーライスのように。
小学校、給食、カレー。
給食でカレー出された時に一瞬頭によぎる、「もしかして家に帰ったらまたカレーだったりしないよな」のアレ。下校し、玄関をくぐるとカレーの匂い。また…カレー…。
「ねぇ、「お母さん」、今日給食でカレーが出たんだ」、「あら、そうなの。でも、お母さん給食でカレーが出たこと知らなかったから」、繰り返されるカレーを巡る批難と批難。幼稚な応酬。
でも、給食のカレーと「お母さん」が作ったカレーは同じカレーであっても同じカレーではないのであって。問題は「カレー」を巡るカレーの反復。カレー「概念」。また「カレー」なの?
さて、本題。要は「あるある」。「あるある」があるある「として」あるあるなんであって、それは「あぁ、あるあるだよね」ということではない。むしろ「あるある」をあえてあるあるとして、みせることによって、「いやー、「あるある」じゃないんですよ、これは」という意味でのあるある。
違う角度から言うのであれば、不愉快なんであって、別に楽しませるようなものではなくて、もっと言うのであれば広い意味でのカタルシスを主題においていないのであろう。
「不愉快」なんだよこれって。でも、世の中ってさ、そもそも不愉快なんだよね。だから、不愉快で行くんだし、不愉快をみせるんだこれは、あえてね。
僕はそう解釈しました。
だから、それは例えば「あの」カレーのようにそれはある種の不愉快なんだけど、でも、でもさ、別にそれって不愉快なものとしてカレーできているのではないんであって、またどこかに不愉快の不愉快性みたいなものがそれを糾弾するような形であるわけではないのだから。だって、みんなカレー好きでしょ?給食のカレーは多くの人が好きだからカレーがメニューとして出てくるのであって、給食の献立おばさんか誰かが悪いわけでもなんでもないんだし、もちろん給食にカレーが出たことなんか知らない「お母さん」が悪いわけでも何でもない。もちろんカレー自体もなんも悪くも何ともない。
だから、ただただイラッとする、反復的に。だからデカ子は牛乳を飲む。牛乳でも飲まなきゃやってられないんだもの。
でも、お母さんが作ったカレーの方がおいしいんだよ。同じ「カレー」なんだけど。ただ、僕はそのカレーの味をもう忘れてしまった……。
根本宗子お祭り公演~バー公演がバーを飛び出した!~
月刊「根本宗子」
浅草木馬亭(東京都)
2013/07/08 (月) ~ 2013/07/09 (火)公演終了
満足度★★★★★
期待の斜め右上。
夜の部通しで鑑賞。
さすが根本さん。期待を裏切らないというか期待の斜め左上、いや右上。
三作鑑賞させて頂いて、「どれか一つ一番面白かったのをいいなさい!」と言われたら、チームC「喫茶室あかねにて。」だろうか。
梨木さんの個性がもう抜群。しかも、調和。マジ最高。っていうか斜め左上、いや右上の最高。
チームD「改正、頑張っているところ、涙もろいところ、あと全部。2013年初夏」も最高。というか、普通にところどころ台詞を覚えてしまっている自分がいてなんかアレだった。というか見過ぎだろオレ、キモい。どこで見たかはお口チャック。
チームE「はなちゃん」、やはり大竹さん。大竹さんってやっぱすごい。そして、一周回って、「あれ?梨木さんが※※さんに見えてきて、というか※※?もう※※でよくね?」
あぁ、明日の昼の部も行けたらな、ぐぬぬ……。悔しい。
なんにしろ期待を裏切らない、っていうか期待の斜め左上、いや右上。
本公演楽しみに日々を励みます。そして、梨木さんのギネス記録、早く登録してぇぇえ!
イカルスの星
ヅカ★ガール
小劇場 楽園(東京都)
2013/05/31 (金) ~ 2013/06/22 (土)公演終了
満足度★★★
レベルアップ。
「イカルスの星」は予選と今回の決勝の観劇で計2回の観劇。
前回は話の焦点が定まっていない印象があったのだが、今回はその点がきっちり修正されていた。おそらくカケルとひかりの関係性がはっきりしたのが、大きいように思われる。
演者の演技の質が前回に比して上がっていたのは言うまでもないが--とりわけ上埜氏--、歌のシーンが増えたことが、効果的だったのではないか。
その他細かい点の修正もあったのだが、それらが正の因子になっていたことを考えると飯塚氏の力量に才能を感じる。
是非これからも頑張って欲しい、と思わせるようなポテンシャルを感じることができた。
イカルスの星
ヅカ★ガール
小劇場 楽園(東京都)
2013/05/31 (金) ~ 2013/06/22 (土)公演終了
満足度★★★
決勝進出おめでとうございます。
全体的にいうと「思っていたよりよかった」という感じだろうか。
ただ、どうも焦点がぼやけている印象が否めない。
「したいであろうこと」自体は面白いのだが、それが上手く表現できているのかどうか、焦点がぼやけているためにいまいち伝わってこなかった。
もっとも、逆に言えば「したいであろうこと」自体は面白そうなので、それがもっと上手く「表」に出るような形で工夫されたら、かなりいいものになるのではないか、とか素人的に言ってみる。
少しネガティブな感想になってしまったが、「化ける」可能性を大いに感じたので、期待したい。
ひかる君ママの復讐
月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2013/04/28 (日) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
そうはいってもやはり
引き込まれてしまった安定の根本感/観。
「ベタなんだけどなー、馬鹿なんだけどなー、くそ!悔しい!」ていうのが、一番の感想。でも、しょうがない。面白いんだもの(みつを)。これ体感しちゃったら五月病になんてかからないこと間違いなし(ソースはオレ)。
濃密な空間で濃密な時間を、こんな破格の値段なら、当然「いつ観に行くの?今でしょ!」だし、観終わった瞬間に、「いやーもう一回見たいな。たまらんな」。興奮冷めやらないまま、帰路の丸ノ内線、緊急停車。電気が落ちる。
そこで頭の中に響く、梨木さんの声。「ちょっと、ぶざけんじゃないよー!」。
あはははは。まだ終わっていなかったのか。ちょーウケル。
おっといけない。頭がラりったままだった。明日は平日です。
少し静かに
ブルドッキングヘッドロック
ザ・スズナリ(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/10 (水)公演終了
満足度★★★★
どんたったどんたった。
ブルドッキングヘッドロックvol.23『少し静かに』 観劇(初日!いぇい!)。
パワフルなステージ、こりゃ大変だわ。倒れないでね。決して、直線的にビュンビュン進む「お話」ではなく、演者から演者へとポンポン飛び跳へていくようなシンプルな「ストーリー」。だから(こその)、演者の個性が爆発!
演者から演者へ、場面から場面へ、「縁」者から「縁」者へ、テルミンからペンギン(三羽)へ。そしてラストに向かっていくどんたったどんたった。もっとも、上に述べた「演者の個性が爆発!」であったからこそ、流れが必ずしもリニアで走るようなものではなかった。そこに一抹の不満はあるが、そんなもの「吹き飛べよ!」という類いの舞台。
言うまでもなく、私は根本氏のキツネ目を目当てに行ったのだが、裏切られた。今回は目ではなかった。つま先が美しかった(つま先から太ももへ!)。しかしながらもっとも、私の目を惹いたのは帯金氏のお尻。これはすごい。もはやお尻そのものが「プリ~~~~ン」。うるせー変なこと言ってないで「少し静かに」しろよ!
今、出来る、精一杯。
月刊「根本宗子」
駅前劇場(東京都)
2013/03/06 (水) ~ 2013/03/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
今すぐ予約!観劇/感激すべし!
【いてもたってもいられないので、思いのたけを】
「月刊「根本宗子」『今、出来る、精一杯。』」鑑賞。
素晴らしい。最高だ。
もうめんどくさくてちょーうざい。それに加えて、なんて暑苦しいことか!しかし、少しも「退屈」になんてなりやしない。ぐんぐんと引き込まれ引き込まれ、「ここか、ここがハイライトか、いやまだここじゃない」。で、あっという間に幕。唸る。唸ることしかできない。とにかく拍手、そしてまた拍手。
大きな「私」がぐるぐると台風のようにやってきて「間違っているのはわかっている!でも…!」とあなた(その小さな「私」)を巻き込んでしまう。「あなたも大変だよね。わかるよ。だって私も大変だし」なーんて甘っちょろい関係は許されやしない。
「この私」が「そんなあなた」を巻き込むの(巻き込みたいの)!あぁなんてウザイ女子。でも、好きだ。いや、好きなんてもんじゃない。ちょー愛してる。いいぞいいぞ!もっとやるんだ!でも、オレのところにはお願いだから来ないでくれ!
オレは「根本的台風」に巻き込まてどっかに飛ばされてしまうのはごめんだ。だから必死で足で自らの大地(安全圏)にしがみつき、「根本的台風」の嵐にびしょ濡れになりながらも、それが去って行くのこらえる。少しでも油断したら巻き込まれて飛ばされてしまうから。
でも……巻き込まれてそのまま「どこかへ」飛ばされてもみたい。いや、飛ばされたい!あぁ、オレはもう巻き込まれてしまっていたのだ!