andoの観てきた!クチコミ一覧

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夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

夢も希望もなく(見えるかもしれないけど)。
生きてるってことはいろいろだ。
どんなに取り返しのつかない記憶が刻まれていたとしても、生きてきた時間を後悔だけで語りきることなんてできる筈がない。

優くんと別れて、泣きながらえっちゃんに電話するちいちゃんを見て涙がこぼれました。
なんなんだろう?この感情は?
いまだに正体がつかめません。

でも、震えました。ただ魂から震えました。

「宗子」って書いて何て読むんやろ?ってくらい何も知らずに観に行きましたが、もう離れられないと思います。

また、こんな震える体験をさせてください。

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

あなたに逢えてよかった。
不老不死。大昔から語られてきた永遠のテーマ。誰もが一度は想像をめぐらせたことがあるけど、誰も経験したことはない境地。
ずっと死なない伯爵のことばは、流されてきた後悔に苛まれてか少し陰をおびているけど、天然入ったとぼけっぷりは、やっぱりクスリと笑わされます。
暗転で細かく切り替わる場面も、伯爵のボケをとても引き立ててくれたと思います。

人との優しいつながりを手にしても、誰も伯爵のように永くは生きられず、気がつけば56億年。でも、そのあいだ「伯爵」はずっと「伯爵」で、「先生」や「アニキ」や「宇宙人」になったりはしませんでした。もっと愛してくれた人も、もっと永い時間を一緒に過ごしてくれた人もいたかもしれないけど、ブルボンと過ごした時間は特別だったんだね。

そして最後の呑み会。
そこでは、創り手の方々の、観ているぼくたちの「そうあって欲しい」という望みが結実していました。きっとみんな後悔なくお別れすることの難しさを知っているから。あのラストシーンでは、自分のこれまでの不実までも赦されたような、そんな救われた気持ちになれました。
すべての出会いに「ごめんね」よりも「ありがとう」が交わされてたら嬉しいな。

公演パンフで中嶋さんは「きっともうこんな楽しさと苦しさがパンパンに詰まったお話は書かないと思います」と書いていましたが、また書いてください。
『伯爵のおるすばん』を、ぼくは涙よりも笑顔でうけとることができました。どんな寂しさもユーモアと優しさで包んでぼくたちに届けてくれる、そんな作品を待っています。

ツキシカナイ -

ツキシカナイ -

満月動物園

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

涙が止まりませんでした。
とてもすてきな作品でした。
とにかく演者のみなさんが一人残らずほんまに素晴らしくて、9人全員に気持ちを持っていかれてしまいました。
観に行ってほんまに良かったです。

人間は必ず死ぬ。
生と死の間隙で、みんなの優しさと、理不尽なほどの母親の子どもへの想いと、子どもが生まれてくるときにお母さんを選んでくれていること、そして、死から逃れることはできなくても、命をつないでいくことはできることを、ぼくたちに教えてくれた。まさにメルヘンで優しくて、ハードな物語でした。

牡丹(ぼたん)と木槿(むくげ)は本当の家族として、いくつになっても鉄(まがね)のことが可愛くて仕方がないんです。
お姉さんの木槿は一瀬尚代さん。見た目は三人の中で一番若いのに、優しく微笑んで鉄に向ける眼差しは、ほんまのお姉さんやと思いました。「そやな」って鉄に相槌打つとこ、これはもうお芝居とは思われへんかったです。
お母さんの牡丹はみずさん。鉄が本当の自分の子どもじゃないことに気づいていたことを聞いて、「私ら、気づかんと鉄のこと傷つけてしまっとったんか?」って自分を責めるところは、小さくて天然でほんわかしたお母さんが、きゅって小さくなってしまったようで、胸がねじ切れそうになりました。(オチはもちろん爆笑でしたが。)
とても素敵な家族です。鉄が優しい大人に成長するはずです。

鉄の本当のお母さん木通(あけび)は周防いつみさん。観覧車が崩れ落ちるとき、走馬灯の中で虚空に向けられた眼差しはもはや前後不覚なのに、おなかの子どものことだけを考えている。

母親の論理。

自らの魂と引き換えに死神と取り交わした契約は、もう無茶苦茶としか言いようがないけど、目のチカラと魂の叫びがすべてをねじ伏せてしまっていました。
死神とのやり取りは「誰?」から始まりますが、最初はすうっと抜けてるこのひと言が、たまらなく良かったです。

あと、物語全般として、男性のことが恐ろしいほどざっくりと捨象されています。
削ぎ落とされた女性の物語としてもとても心に残りました。

人生で最高の観劇体験だったと思います。

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