まつがえが投票した舞台芸術アワード!

2009年度 1-4位と総評
『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

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『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

DULL-COLORED POP

「プルーフ/証明」の素晴らしさは皆が伝えているだろうから、僕は「心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~」の素晴らしさについて伝えたい。演劇の本当のすごさは、お話がおもしろい、なんてところにはない。いかに人間の思想が自由で、人生に決め事なんてないんだと思わせることができることにこそ演劇という表現のすごさがある。人間の思想を形作る枠組みを変革することができる。小粋なお話が全盛のなか、谷賢一の演出は、演劇が恐ろしい革命兵器であることを全ての人間に思い出させる力があった。

モンキー・チョップ・ブルックナー!!

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モンキー・チョップ・ブルックナー!!

アマヤドリ

ひょっとこ乱舞という文体の完成を見た。賢者と愚者の微妙な配合。

世田谷カフカ 

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世田谷カフカ 

ナイロン100℃

ケラさんの留まりを知らぬ怒涛の快進撃は今年も続いた。大人の余裕で演劇の枠をちょっとづつ壊し続ける。そのやり方が憎たらしい。

ムサシ

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ムサシ

彩の国さいたま芸術劇場

蜷川幸雄、井上ひさしという重鎮の融合。冒険するところなど一つもない。が人の心をつかむ。もう破壊には興味がない。だけど伝えることがある。老境ならではの作品。映画でいえばクリント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」のようなもの。小栗旬と藤原竜也の夢の共演が心躍らせる。

総評

自分も作る側であり、しかも芝居だけでなく映画作りなどにもかかわっているので、なかなか観劇の時間をとることが難しかった。観たかった芝居を何個も逃した。また観たけれどもレビューを書くにいたらなかったものも多数ある。2010年はより沢山の芝居を見て、より多数のレビューを残したい。芝居や映画、芸術や政治から、より多くの感動とより多くの知的興奮を覚えたい。また自分も他人にそのような刺激を与えることのできる作品を作っていけたらなと思っている。2010年も松枝佳紀、そしてアロッタファジャイナをよろしくお願いします。

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