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『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』
DULL-COLORED POP
「プルーフ/証明」の素晴らしさは皆が伝えているだろうから、僕は「心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~」の素晴らしさについて伝えたい。演劇の本当のすごさは、お話がおもしろい、なんてところにはない。いかに人間の思想が自由で、人生に決め事なんてないんだと思わせることができることにこそ演劇という表現のすごさがある。人間の思想を形作る枠組みを変革することができる。小粋なお話が全盛のなか、谷賢一の演出は、演劇が恐ろしい革命兵器であることを全ての人間に思い出させる力があった。
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モンキー・チョップ・ブルックナー!!
アマヤドリ
ひょっとこ乱舞という文体の完成を見た。賢者と愚者の微妙な配合。
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世田谷カフカ
ナイロン100℃
ケラさんの留まりを知らぬ怒涛の快進撃は今年も続いた。大人の余裕で演劇の枠をちょっとづつ壊し続ける。そのやり方が憎たらしい。
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ムサシ
彩の国さいたま芸術劇場
蜷川幸雄、井上ひさしという重鎮の融合。冒険するところなど一つもない。が人の心をつかむ。もう破壊には興味がない。だけど伝えることがある。老境ならではの作品。映画でいえばクリント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」のようなもの。小栗旬と藤原竜也の夢の共演が心躍らせる。