じべ。の観てきた!クチコミ一覧

121-140件 / 4331件中
ハムレット・ハウス

ハムレット・ハウス

公益財団法人武蔵野文化事業団 吉祥寺シアター

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/18 (日) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/18 (日) 15:00

何か/誰かを待ち続けている二人のところに俳優と称する人物が現れ……な設定の会話劇。そんな中では「演劇に何ができるか?」なども問われて「おいコラ、自分の迷いをそのまま観客に放り投げるなよ!」みたいな?(笑)
ある意味、最近観たたすいちとは真逆の作品だぁね。
また、メタあり「一見再現風」ありの作風は「それな!」でニヤニヤ。
しかししあわせ学級崩壊と較べると「静かな演劇」だったなぁ。(笑) いや、もちろん片鱗はあったが。
あと、「すみません、間違えました」というラストも落語のサゲのような決まり方で愉快。

あさがお企画『楽屋』

あさがお企画『楽屋』

あさがお企画

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/16 (金) 14:00

この会場の特色である演技エリア中央にある階段を応用して階上に舞台がある階下の楽屋という設定にしたのはここでの公演が多いオフィス再生の高木さんらしい見立て。そして原典から省いたり加筆したりした上演台本は観劇慣れしていない方にも優しくワカり易い、
それと同時に「楽屋」という芝居を知っている観客に対しては開場時点から「なるほど、そうしたのか……でもアレはどうするの?」と思わせる舞台美術や開演5分前に「そうきたか♪」とくすぐる「シカケ」、一般的には上演中は消灯する非常灯を点けたままにする工夫(?)などマニア(笑)への目配せもふんだん。
あと、「あれ」を「そうした」ことにより序盤で「雄弁に語る手」を見せたり、「影」を上手く使ったりしたのも面白い♪
さらに文字通り「手作り」感満載の当日パンフレットも佳き♪

ネタバレBOX

舞台下手には化粧台に見立てた(会議室などにある)長テーブルがあり上から鏡に見立てた白い板らしきものが吊り下げられているが、その配置は客席に向いている。なので役者の顔を見せるのか?と思うが「鏡」を引き上げる機構らしきものは見当たらず、開演してもそのままで顔は見せない。が、手元は見えるのでそれが雄弁だし、後方から光をあてて頭部の影は「鏡」に映る。さらに終盤、ある人物が「そちら側」に来た時に「化粧台」が「鏡」の前に出されて役者が顔を見せる、これ「発明」だよなぁ。
また、「薄暗い楽屋で非常灯の明るさが云々」という台詞があるので会場出入口の非常灯は点灯したまま。これも面白い。
あと、開演5分前に「1ベル」としてブザーが鳴り、続いて階上に設置した(推定)スピーカーから開演前諸注意のアナウンスが流れるが、これが楽屋に漏れ聞こえる感じで内容を知っているとニヤリ。(もちろん開演前にもう一度ブザーが鳴る)
たてほこ

たてほこ

たすいち

シアター711(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/14 (水) 17:30

【48masterKAZUYA】
(平日の19時台にテレビアニメ化か実写ドラマ化されて2年以上続いている)武道/格闘技系熱血マンガのアダルト版(またはヒット作品のパロディAV)なオモムキで確かに目崎作品としては稀有だがアレやソレの捩り方、捻り方はさすが。
また、キャラクター設定や「あるもの」を模したオープニング/エンディングも楽しい♪
あと、初演はラブホテルの一室っぽい装置だった作品を素舞台に椅子一脚だけで「ちゃんと表現」するのも演劇の面白さではなかろうか。

ネタバレBOX

連続ドラマ(アニメ?)の1挿話的に仕立てて冒頭で「前回までのあらすじ」ラストに「次回予告」を入れるアイデアも楽しい。
たてほこ

たてほこ

たすいち

シアター711(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/14 (水) 14:00

【剣チーム】
日頃からダブルキャストや2バージョンの場合、先に初日を迎える方が基本形でもう一方は応用編的と思っているが、弓チーム・剣チームに関しては逆?な印象。というか当て書きの初演に近付けた弓、それをスタンダードにした剣チーム、みたいな。
また、前日の兜チームで気付いた「あのキーワード」はこちらの何編かにも言えるのではないか?とも思う。

たてほこ

たてほこ

たすいち

シアター711(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/13 (火) 17:30

【あぁ県大会】
高校演劇の県大会開幕前のあれこれ。
あるある……というかありそー!(笑)、な個性を誇張・戯画化した各校の部員たちは良い意味でベタでそんなキャラたちが巻き起こす騒動はおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。
また、出演者数も多く、たすいち見本市的なこの企画の中での俳優見本市と言えるのでは?

たてほこ

たてほこ

たすいち

シアター711(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/13 (火) 14:00

【兜チーム】
鎧チームの別キャスト版。
鎧チームを観ていて途中で気付いたことを確認したら「やっぱり!」。各編とも(少なくとも3編は)問題がすべて解決していない時点で終わり、余韻を残すと言うかその後を観客の想像に委ねると言うks、これぞ短編の醍醐味。

ネタバレBOX

また、各編共通なキーワードは「自分の居場所/在り方」では?
それぞれの主人公はそれに不満/疑問を持って探し求めていないか?
哲学的でもあり、誰でも感じたことがありそうなテーマを基調にしたのも見事。
たてほこ

たてほこ

たすいち

シアター711(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/10 (土) 13:00

【弓チーム】
コメディ要素は1編目にほぼ集約し、以降はハートウォーミング系の二人芝居3編という前日に観た鎧チームと趣を異にする構成がまたアッパレ。そういえば目崎作品ってこういう側面もあったよなぁ、と改めて気付く。
いやホントこの企画、構成も巧いや♪

たてほこ

たてほこ

たすいち

シアター711(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/09 (金) 14:00

【鎧チーム】
過去の短編作品詰め合わせ的な2プログラムをダブルキャストで演じ、さらに別の短編2編も単独で上演といういわば「たすいち見本市」初日初ステージにて見覚えのあるものと初見のものが半々?
そしてパラレルワールドなどSF的なモチーフのものもあるせいかどれも理屈っぽく(屁理屈含む(笑))、登場人物も「めんどくせー」キャラ多数。そこから生み出される笑いがたすいちの魅力かもと改めて気付く。

天翔律 -てんしょうりつ-

天翔律 -てんしょうりつ-

演劇ユニット 金の蜥蜴

ブディストホール(東京都)

2024/01/31 (水) ~ 2024/02/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/02 (金) 14:00

能楽「富士太鼓」を基に大胆に脚色(推定)、原典には登場人物として現れない殺人事件の当事者二人を中心に据えて「楽人(がくにん)の性」「天才ゆえの悩み」を描く。
その語り口は「コロンボも古畑も出ない倒叙ミステリー」あるいは「船越英一郎が出ない2時間サスペンス」で、そのテの「あるある」満載で大変ワカり易い。そうして行き着くオチは大岡越前か一休さんかなのだがこれが原典準拠なのはオドロキ。
事の真相が描かれるクライマックスは天才二人のそれぞれの悩み(ひがみ?)が前面に押し出され悲劇性を増したりも。いやぁ、凡人で良かったぁ。(爆)
そんなこんなでこことしては異色作と言えるのではなかろうか?いつもとは違う面白さがあった。

谷崎潤一郎『白昼鬼語』

谷崎潤一郎『白昼鬼語』

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2024/02/01 (木) ~ 2024/02/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/01 (木) 14:30

谷崎潤一郎のミステリー小説(!)を舞台化した80分(お馴染みのオープニング曲が5分あるので正味75分)。
一部劇中劇の読み合わせ風にしたり「心の声」を「あんな風に」見せたり演劇手法を駆使するのがいかにも楽園王。
そして「あの種の謎解き」を「ああいうカタチ」で見せたのは「コロンブスの卵」的ではないか?仮に思いついても実行しないのでは?(笑)
あと、序盤の会話が「いかにも初期の探偵小説」っぽくてニヤリ。

BAUMバウム

BAUMバウム

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/28 (日) 14:30

片田舎のサナトリウム(?)での人間模様。
冒頭の再現か?と思わせて人物が異なるエンディングや時制を明示しない場面提示、見舞客と入院患者のどちらが思い違いをしているのか?(「胡蝶之夢」を想起)などトリッキーで観客の解釈に委ねるところなどいかにもOi-SCALEらしい。
その一方、普段は「真冬のよく晴れた夜明け前の青白さ」のようなどちらかと言えば寒色系単色な印象なのにカラフルに感じられたのはいつもとひと味違うキャスティングによるものか?
そして終盤いきなり「バウム」の意味を思い出したのは痛恨。予め気付いていればもっと別な読取り方ができたのではないか?おも思った。
なお、終演後に灰二さんからタイトルの意味を伺ってある意味納得。(再演であることもその時知った)

カカフカカRagnarøk

カカフカカRagnarøk

カカフカカ企画

王子小劇場(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

6時間にも及ぶRagnarøkバージョンはしんどいのでその前日にマチソワで両バージョンを観劇。
休憩前の90分は連作を中心としたコント、休憩後の65分は中編コント芝居という構成の混沌バージョン、全編を貫く長編コント芝居に複数の連作コントを交えた秩序バージョンとも「しょーもねー」「バカだなー」なノリで、まさにここの作品集大成?
そして実在の人物・作品などの実名を出して「大丈夫か、それ?」と思わせるとか、それを劇中で自らツッ込むことを筆頭としたメタ要素とか、好きなんだよなぁ。(笑)
あと、以前と較べて大幅にグレードアップした衣装・小道具にビックリ!(爆)

十二人の怒れる役者たち

十二人の怒れる役者たち

金子の挑戦状

アルネ543(東京都)

2024/01/26 (金) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/26 (金) 14:00

劇団員がSNSで主宰のパワハラを告発したことで公演を中止するかどうか議論する座組の12人……というこどで、「12人の怒れる男」を筆頭とする会議劇の面白さにこの題材ゆえの「演劇に対する関係者の想い」を附加して、なおかつ90分に収めたのは見事。
そして状況設定/人物設定の提示的な前半は「12人の怒れる男」リスペクト、テーマ(稽古中のパワハラは座組だけの問題ではなく観客や演劇界全体に影響を及ぼすという主張)が前面に出てくる後半はオリジナリティに溢れる、と言えるのではないか。
そして、いわゆる仇役/憎まれ役は作品の面白さの決め手となる要というのが持論だが、本作でも証明されたと言えよう。
また、原典的な「12人の怒れる男」を知っているとより楽しめると思うが、知らなくても存分に楽しいと思う。
例えば当日パンフレットの登場人物名からニヤリとさせ、開演して間もなく「やっぱり!」と思わせる人物設定は作者である金子さんのサービス精神の顕れだろう。
あと、昨今よく取り上げられる「自分(だけ)の正義を振りかざす勝手さ」も描かれており、これまたイイ。

ネズミ狩り 2024

ネズミ狩り 2024

劇団チャリT企画

ザ・スズナリ(東京都)

2024/01/06 (土) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/08 (月) 13:00

社会派シニカルコメディな作風のこことしては珍しく、笑いは緊張感を緩和する程度にすぎず基本はシリアスな異色作。2011年版を2回、2012年のULPS版を1回観て通算4度目となるが、被害者遺族の心境と犯罪者の更生/社会復帰を芯に据えたた内容には毎度舌を巻く。
また、今回は特に「(自分が信じているだけの)正義を振りかざした者の無自覚な悪意」が印象的だった。最近そういうのが多いもので。

ネタバレBOX

それにしてもそれまで微かに漂っていた悪意が一気に噴き出す急な雷雨の場面以降の緊張感はスゴい、その張り詰めた感覚は鵺的やJACROWに匹敵するのでは?
長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/01/06 (土) 13:00

ある家族/一族の百年間折々の年越しを100分間で描いた「大河ホームドラマ」。
途中暗転を1回しか(!)挟まずに話が進むので見た目だけでは時が経ったことはワカらないが、家族に起きた出来事や社会的事象、登場人物の年齢などをさりげなく織り込んで経過年数やいつ頃のことかを観客に推測させる会話が鮮やか。
ヘタクソに作ると年が代わる度に暗転したり、会話に具体的な年号を入れたりするものね。(笑)
また、鬼籍に入る表現(照明含む)も巧みで観ていて「嗚呼、この人も……」と寂寥感を抱いてしまう。時として逝きかけて戻ってきたりもするけれど。(笑)
さらに、クロニクルだけに役者が子供時代から老年期まで演ずるが、その加齢表現(特に老年期)も良かった。これもまた「時の流れ」に説得力を持たせていたと言えよう。
2023年の観劇納めに続いて2024年の観劇初めも秀作で満足満足♪

日本演劇総理大臣賞

日本演劇総理大臣賞

ロデオ★座★ヘヴン

駅前劇場(東京都)

2023/12/27 (水) ~ 2023/12/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/27 (水) 14:00

会議ものとバックステージ系の芝居が好みで「12人の怒れる男」も「笑の大学」も大好きな身にとってまさに「盆と正月が一緒に来たような」傑作にして秀作。4年ぶりに観ることができて、そしてこれが今年の観劇納めで良かった♪
劇中に出てくる「作劇/演出のセオリー」や「演劇に大切なもの」が本作で体現されているのも見事。これ、初演時に気付かなかったのは己の未熟さかあるいは脚本の改稿や演出家の違いによるものか?
で、活動休止前の作品を活動再開の1本目に再演することに連続ドラマで前回のラストシーンを見せてからその回が始まるパターンを想起。(笑)

天使の群像

天使の群像

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2023/12/21 (木) ~ 2023/12/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/26 (火) 14:00

事前情報の通り今までなかったタイプの作品ながら漂う雰囲気はまさに鵺的。いわば「鵺的・ネオ」か?
観ている途中で「どこか爽快感があるのは何人かの人物が"真っ直ぐ"だからか?」と思ったがその後「いや、全員が"真っ直ぐ"だ」と気付く。
しかし"真っ直ぐ"ではあるがそれぞれ方向が違っていて、それが事態を混乱させているのかな?的な。とはいえ、その真っ直ぐさゆえ後味が悪くなく、鵺的にしては珍しい。(笑)
珍しいと言えば装置も具象的なことが多いが今回は上手手前が高く下手奥が低い傾いた床に下手側と奥をハーフミラーフィルムの壁(?)を立て、椅子(教室用&パイプ椅子)と机(?)を随時配置する抽象的なものであるのも珍しい。(奇しくも翌日下北沢で観た芝居のそれと共通点アリ)
一方、途中で「あること」が判明して「そういうことか……」と思ったのもつかの間、「だとするとあれはどっちだ?」などと却って疑問が増えてしまうのはいかにも鵺的?(笑)
本作を経て今後の鵺的がどうなって行くか楽しみ♪

パラレルケンジ -GOLD BALL RUN-

パラレルケンジ -GOLD BALL RUN-

オイウチケンジ製作委員会

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/12/24 (日) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/24 (日) 13:00

自身が主役の短編集を、客演する公演と日程がカブったために他の役者にその役を演じさせるというブッ跳んだ発想だけでも見事なのにさらに流行りの(?)マルチバースとして構成するアイデアに脱帽。
加えてそこにメタフィクション的に両公演の会場ネタも取り入れてラストにサプライズまであるとはなんと素敵なクリスマスプレゼント! あと、前年のキャストを確認するのもまた楽しからずや♪

ネタバレBOX

客演先の公演会場が北池袋の新生館シアター、こちらが中板橋の新生館スタジオということで東武東上線1本で移動でき上演時間を考えれば終盤に本物の(笑)ママンさんが出演可能ということでこれはもしかして客演承諾も含めてすべて最初からの計算ずくだったのではないか?と邪推。
そしてそこから堤泰之「ダブルブッキング」を想起。
ゼンイとギゼンの間で  呼吸する世界。。

ゼンイとギゼンの間で 呼吸する世界。。

エンニュイ

エリア543(東京都)

2023/12/23 (土) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/23 (土) 13:00

従兄弟同士の男3人とその同棲相手・姉・妻の会話劇にしてエンニュイ旗揚げ公演作(2017年)のリブートで、6人の登場人物のうち2人ずつの会話場面を重ねてそれぞれの関係が見えてきたところで全員揃ったクライマックスを迎えるという構造。
そのクライマックスは「よく言った、痛快!」や「それは言い過ぎ……」が混在してあたかも小学生時代に授業で観たNHK教育テレビ(当時)の学校放送の道徳ドラマのオトナ版なオモムキ。「貴方ならどう振舞いますか?」と問われたら困惑しそう。

『メトロノームが叫んでる』

『メトロノームが叫んでる』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

冒頭と終盤に演劇的手法/トリックを仕込んで語る時空超越系ファンタジー。
SFとも言えるのだが「SF」という語から受けるカタい印象が全くないのはここの芝居の持ち味と言えようか。(前述の手法/トリックも同様)
また、小説版が世界的ベストセラーとなった某芝居と芯になる部分は一緒(一部は真逆だが)なのにまるっきり別な味わいに仕上がっているのも興味深い。

ネタバレBOX

「そこに行けば、それができる」という喫茶店で時空を超えて「誰か」に逢う人々のエピソードを重ね、そこの従業員もその体験を……というのは川口俊和「コーヒーが冷めないうちに」と共通(違いは行くのが未来か過去か)。

このページのQRコードです。

拡大