空腹
かわいいコンビニ店員 飯田さん
OFF OFFシアター(東京都)
2024/07/11 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/17 (水) 14:00
シェアハウス住人たち(とオーナー)が織り成す人間模様。人物の個性が強く、その個性が戯画化された感じで序盤はコミカルに思えたが物語が進むにつれてギスギスして居心地が悪くなる。
いや本当に人間関係の軋轢……まではいかずとも摩擦を描くのが巧い。(褒め言葉)
群論序説『ALICE IN WONDERLAND-不思議の國のアリス-』
PSYCHOSIS
ザムザ阿佐谷(東京都)
2024/07/12 (金) ~ 2024/07/17 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/16 (火) 14:00
不思議の国(/鏡の国)のアリスと数学者・ガロア、宮沢賢治、二・二六事件の舞台上での邂逅。いわば和洋中折衷の料理に思いもよらない食材も加えて美味しく仕上げた、みたいな?
なので「あ、そのネタも出すのか」が多々あり愉しめたがガロアと群論に関して予習を怠ったため帰ってから復習したものの数学苦手勢としてやはりワカらん。(爆)
とはいえ高取脚本・森永演出の「シン・アングラ」、ギミックを仕込んだ装置や小道具も含めて堪能。
仔犬たちの午後
AOI Pro.
アレイホール(東京都)
2024/07/12 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/14 (日) 14:00
闇バイトに関わった若者たちとその関係者。
各人物がリレーするような形のモノローグが中心でそこから彼らの関係性や背景が浮かび上がってくる構成が独特にして見事。要所要所に会話やマイクパフォーマンス(?)を挟んでアクセントにするのも巧い。
そうして語られるのは犯罪に加担したことから破滅に向かう若者……ということで往年のアメリカ映画(複数)を想起して「日本もこうなってしまったのか」などと思う。
また、年代的に連合赤軍も連想するが似て非なる……どころか根本的に違うのではないか?とも。
逃奔政走
フジテレビジョン
三越劇場(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/07/09 (火) 13:00
アガリスク勢はもちろんのこと、主役・準主役のベテラン陣までも「この人ってそういうイメージだなぁ」なアッパレなキャスティングによる政治風刺コメディ。
実際にあった「政治的不祥事」を揶揄しながらもバックレようとする人物を中心に巻き込まれる人々、という「王道コメディ」を貫き、さらに「こうであったらいいのに」で〆るのが見事。。
さらに導入部と終幕時の演出も好きだなぁ。
なお、先に目にした感想に「政治家諸氏はこれを観れば……」というのがあり一旦同意したが、本作を観て改心するような人物はそもそも不祥事などとは無縁なのではなかろうか?(毒)
十二人の怒れるひとびと
OuBaiTo-Ri
目黒CLEOスタジオ(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/05 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/07/05 (金) 13:00
東中野で観た時と3号、12号、守衛の演者が異なる。
で、「蓮根3号」は、これまで観てきた蓮根さんの役柄のイメージがあったためか息子への強い想いが前面に出て「背中に哀愁」的な?(笑)
また、前回気付いていながら書き忘れたが、2~3人の会話がクローズアップされる時に他の人物がスローモーション(あるいはストップモーション)になるのが照明と相俟って効果的で巧い。
十二人の怒れるひとびと
OuBaiTo-Ri
東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/06/30 (日) 12:00
陪審員のうち3人を女性にし、時代を現代に置き換えた翻案版。
で、原典が大好きである身として「あ、そこは割愛(「省略/カット」ではないと信じている)したのね、な部分も含めて文句はない、どころか2時間を切る尺に収めた構成を見事と感じる。
また、各キャストもこの会場にしては音量過多ではないか?と思うほどの熱演と役へのなりきりぶりに感動さえ覚える。
詭弁師のレトラ
演劇企画ヱウレーカ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2024/06/28 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/28 (金) 14:00
人の心を救えるのは言葉か薬か、という命題(?)を娯楽性たっぷりに描いた意欲作(異色作?)。
特に言葉側・薬側双方に式神……と言うよりはジョジョのスタンド的な存在がいてクライマックスではそれらが刀と扇による(伝統芸的?)殺陣を披露するのが独創的で、ともすればカタくなりそうな題材を娯楽作品に仕立て上げたことに脱帽。
しまって、あけないで
ーヨドミー
TACCS1179(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/27 (木) 14:00
昏睡から覚めたら20年間の記憶を失っていた45歳の主人公がその記憶と「20年間に失ったもの」を取り戻そうとする物語。
失われた記憶は良いことばかりではなくむしろ取り戻さない方が良いのでは?というものの方が多いように思われるが、あるきっかけから好転しそうに見えて……なあたりは「一筋縄ではゆかない」藤丸作品の真骨頂? また、オープニングと対を為すエンディングの演出も見事。
なお、記憶喪失/記憶障害絡みの連続ドラマが3本もあった今期、本作も含めて企画時点では互いの存在を知らなかったであろう、こんなシンクロニシティもあるんだなぁ…
七人の墓友
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/25 (火) 14:00
10年前に俳優座に書き下ろした作品のセルフカバー。
一人暮らしの高齢者たちが同じ樹木葬墓地に入ろうとする話を軸に昭和の価値観丸出しの頑固親父を中心とした一家を絡めて描くコメディ。
ズバリ頑固親父(もちろん褒め言葉)な俵木さん、意外にも老け役がハマっていた弘中さんを筆頭に配役も的確でベテランの実力を堪能。
そして両親の眠る墓もあるが自分自身はそういう墓もアリか?などとも考える。
Nessun dorma
かはづ書屋
エビスSTARバー(東京都)
2024/06/20 (木) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/23 (日) 13:00
前半の「夢がたり」は擬人化された虫や動物の語る内容が当時の世相を皮肉ってシニカルでラストはブラック。4人の役者の複数の役の演じ分けが見事。
後半の「大いなる不眠」は「いかにも柳井脚本」な理屈っぽさ(笑)を堪能。
また、帰ってからWikipediaの「大いなる眠り」「三つ数えろ」の項で補完してあれこれ納得。それにしても「ストーリーは分かり辛く矛盾も多いとされる」と評されるとは……(笑)
きく
エンニュイ
アトリエ春風舎(東京都)
2024/06/18 (火) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/22 (土) 13:00
主題が提示され別の主題が現れたり主題の変奏があったりソロや合奏があり最初の主題に戻り……という「言葉/台詞/会話による交響曲」、5年前の初演と較べて歌や漫才(?)なども加わって多彩な展開となり、初演が「デッサン」ならこちらは「油彩画」な印象。
ちなみに前日観た同じく「会話とは?」な劇団普通の作品はタイトル通り「水彩画」であり、先述の音楽の喩えで言えば室内楽か。
が、これだけ対照的なな2作品、「物語」ではなく「状況とそこでの会話」を描いているのが共通。「会話とは?」を演劇で表現するとそうなるのかしら?
水彩画
劇団普通
すみだパークギャラリーささや(東京都)
2024/06/17 (月) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
茨城県内のカフェでの二組の客(親子二代の夫婦ともう一組の夫婦)6人による会話劇。
一方の会話が途切れた時にもう一方の会話が始まるように上手く組まれているが「会話の中の沈黙」もテーマということで大いに納得。
そして近しい間柄ゆえの妙な気遣いや無遠慮さから生じる気まずい沈黙などリアリティがあって身につまされる……ってか身に覚えアリ。
で、互いにもう一組の会話も聞こえてしまっていそうなのが気になったりも。(笑)
キネカメモリア
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2024/06/19 (水) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/06/20 (木) 14:00
かつては三館あった映画館が一館だけとなってしまった街の創業70年近い映画館のロビーを舞台にした「今様人情喜劇」、13年ぶりの再演。
映画そのものや映画館での鑑賞マナーなど映画愛たっぷりなのはもちろん、(憎まれ役1人を除いて?)登場人物の「人間愛」のようなものもふんだんに描かれ楽しくかつ優しい気持ちで劇場をあとにする。
初演の時も「好きだなぁ、これ」と思ったんだよなぁ……トオイメ
地の面
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/06/19 (水) 14:00
柱の一つでもある「企業もの」新作。
地面師にハメられた不動産会社の面々を次期取締役選任問題も絡めて(→いかにもJACROWらしい)さらに笑いやダンス(!)まで交えて描き娯楽性もたっぷり。
事前に「9人の慌てる男たち」か?と予測したが概ねアタリ(?)で、なおかつ取締役会場面(池井戸潤ものを想起)では「怒れる男」も。(笑)
そしてある歴史的出来事になぞらえたのも面白かった。
「囚・囚・囚!(トラ・トラ・トラ!)」
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2024/06/10 (月) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/16 (日) 16:00
【SIDE B】
4作品すべて脚本担当が異なった SIDE A に対してこちらは(原作ものはあれ)すべて灰二さんの脚本なので(照明による印象もあるが)劇中設定とは別に(普段の「真冬の」とは違えど)「夜」のイメージで統一された印象
そして「囚」感が薄いものもありつつ4編目「固執」はまさしく「囚」(笑)だし「そっちの「こしつ」かい!」なところ(とメタな部分)に頬が弛む。ダークな部分もある全8編の締め括りがこれなのは巧いなぁ。
「囚・囚・囚!(トラ・トラ・トラ!)」
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2024/06/10 (月) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/16 (日) 13:00
【SIDE A】
タイトル通り「囚われた」人々を描いた短編集だが、いずれも切り口や味わいが異なり「そういう視点もアリか♪」というのが面白い。
一方、夢(それも悪夢?)をを見ているように変幻自在だったりつかみどころがなかったり、どこか都市伝説っぽかったりという点は共通。普段のOI-SCALE作品と趣が異なるがこれはこれで佳き。
あと、4編目「しの6」での居酒屋の皿、ジョッキからつまみまで段ボールで表現した小道具に感服。
また、3編目「Remember」で、独房の壁を人物と接する部分だけ登場した黒衣が表現するのも面白かった。
眠れぬ森の人々
吉祥寺GORILLA
studio ZAP!(東京都)
2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
【STAGE葡萄】
太宰原作の一人芝居+劇団員の作・演出作品+主宰の作・演出作品という短編集別プログラム。
太宰作品には日本語の美しさを感じ、劇団員作品はファンタジー系RPG?からのエヴァや直近の牙狼などを想起。主宰作品は檸檬と異なるハッピーエンドに安堵。
眠れぬ森の人々
吉祥寺GORILLA
studio ZAP!(東京都)
2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/14 (金) 14:00
【STAGE檸檬】
太宰原作の一人芝居+劇団員の作・演出作品+主宰の作・演出作品という短編集。
太宰作品はその発想と描かれた世相に感嘆、劇団員作品はホラーに近いダークさにゾクゾク。主宰作品もビターだがSTAGE葡萄は異なるエンディングと聞きそちらに期待。
ラフカットFINAL
プラチナ・ペーパーズ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/13 (木) 19:00
【Bプロ】
今年で最後ゆえの堤作品セレクション別プログラム。こちらもすべて初演を観ており、「776」などダブルキャストの再演も観て通算4度目だったりして懐かしいったらありゃあしない。
で、「第二の心臓」はAプロの「幕張の女」と通ずるモノがあり、堤さんってばこういうの、好きなの?とか。(笑)
また、ABとも4話目が演劇……ってか小劇場ネタなのも何だかジンと来る。
そして8作品すべて「いかにもラフカット」と感じたのは刷り込みによるものか?
今回の8作品に限らず様々な作家が書き下ろした作品群も今後上演の機会があるとイイなぁと痛感。
ラフカットFINAL
プラチナ・ペーパーズ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/12 (水) 19:00
【Aプロ】
1995年に始まった短編集、今年が最後ということでここで生まれた堤作品セレクション的な企画。
4本とも初演を(一部は再演も)観ていたので「あー、そうだったそうだった♪」「あの役は以前あの人だったっけ……」などと思い出しながら楽しむ。
そしてタイプもシリアス、コミカル、スリリング(?)などそれぞれ異なり、最後に「演劇讃歌」で〆る構成も巧み。イイ2時間半を過ごせて満足♪