じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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「滅ぼし系女子が来る」

「滅ぼし系女子が来る」

江古田ぐるぐる

新宿眼科画廊(東京都)

2019/07/12 (金) ~ 2019/07/16 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/16 (火) 14:00

価格2,800円

ある集合住宅に新たに入居した女性は自治会入会を拒み、同調するように自治会から退会しようとする者も現れ……な物語。
人間関係に蔭がさす居心地の悪さが広がり始めた頃に突然トーンが変わり「え、どゆこと???」と思わせるのもアクセントであり読み違いを誘って巧み。

ネタバレBOX

自治会入会を拒んだ女性が会長に納まった未来?と誤読させておきながら、その場のラストで眼鏡をかけることで「あ、彼女の母の時代か」と気付かせるのが絶妙。
さらに最後に「良心が残っていた」様を見せて収めるのもイイ。あらゆる災厄が飛び出した後に希望が残っていた「パンドラの匣」を連想したりもして。
青、まだ終わってないよ

青、まだ終わってないよ

のびる

ギャラリーがらん西荻(東京都)

2019/07/13 (土) ~ 2019/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/07/14 (日) 16:00

価格2,000円

自分の日記に自分しか知らないであろう内容がいつの間にか書き込まれているという不思議な現象を友人に相談する主人公……という「少し不思議」系の導入部から引き込まれる。
それはやがて少女時代の出来事にも遡り、その内容が演技で表現されたりもするというのがいかにも演劇チック。

ネタバレBOX

後半になると、そこまで上演されていた部分が芝居であり、観客が見ているのはその稽古ということが明かされるというメタフィクション要素も加わる。
台詞につかえた演者に別の演者が助け舟を出したり、途中で客席の端にいる作・演出の吉田さんに演者が確認したりというのがまた可笑しいというか、大好きなパターン。
特に「劇中劇での役になりきるあまり(劇中の)現実を現実と認識できなくなった人物」というのが面白いだけでなく、それを役者が演じているというメタの面白さといったら!
サラバサヨナラヨカナーン

サラバサヨナラヨカナーン

waqu:iraz

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2019/07/12 (金) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/13 (土) 14:00

価格2,800円

いくつかの世代の様々な生態(?)の女性たちを疑似ドキュメンタリーのようにモノローグを中心に、時に複数の身振り手振りや群舞などで描く「エッセイ演劇」にして世の女性たちへの応援歌であると感じた。

創作するにあたり、サロメが欲した「ヨカナーンの首」とは何であったか?を皆で考えたと後から伺い、大いに納得。(冒頭で登場した女性が捧げ持った(空の)盆の上に「ヨカナーンの首」を想像したのもあながち誤りではなかったか、と一安心(笑))

ちなみにσ(^-^) はこれまで、サロメが欲したものは「自分を拒絶したヨカナーンの死」と思っていたが、その首にキスをしたというところから「手が届かない愛しい人を何とか入手(!)したかったのか?」とも思い始め、また、阿部定も連想。

吾輩はオヤジ猫である

吾輩はオヤジ猫である

UNITレンカノ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2019/07/10 (水) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/07/12 (金) 19:00

価格3,000円

オープニングエピソードこそ「レンカノ版CATS」のような感じだが本編は漱石リスペクト満載(木下さんってば漱石もお好きだったんですね!)で「吾輩は猫である」を知っていると面白さ倍増。
さらに人情も山盛りでまるで昭和の松竹映画のような味わい。
そこに世相風刺や小ネタ(懐かしドラマ・アニメなど)でスパイスを効かせて大いに満足♪
いつか再演して欲しいな。

乱反射パレード

乱反射パレード

ソラニエ

d-倉庫(東京都)

2019/07/11 (木) ~ 2019/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/12 (金) 14:00

価格3,200円

「自分だけの世界が見える」器具を装着して共通認識などが希薄になってゆく人々……それはまるで近い将来の日本の状況のよう(ってか、スマホ依存の現状の隠喩と思えなくもない)で暗澹たる気分に。
さらに金属質な装置と下からあおるカラフルな照明が非現実的でありつつ無機質・冷徹な印象でコワさ・不安感を盛り上げる。これ、「個の時代」への警鐘ではないか?

ネタバレBOX

とはいえ最後は「雨降って地固まる」的に軟着陸するのがせめてもの救い。(ツチグモの「あれ」が好み)
芙蓉咲く路地のサーガ

芙蓉咲く路地のサーガ

椿組

新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)

2019/07/10 (水) ~ 2019/07/22 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/11 (木) 19:00

中上健次の長編三部作「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」を2時間半に圧縮。
当日パンフレットの人物相関図や語り手(?)によるあらましの説明部分にユーモラスかつワカり易い表現を取り入れるなど工夫がこらされており、複雑な人間関係もほぼ理解できたかと思う。
そうして描かれるのは複雑に捻れた血縁で結ばれた者たちとその周囲の人々。土着的、骨太、武骨な感覚が花園神社野外劇に相応しい?
いやしかし終盤の「写真」の場面にはヤラれた。

なお、今年から従来の小椅子指定席に加えて以前の自由席の半分以上(?)をベンチ指定席として新設したが、事前に各エリアを色分けした客席略図をアップし、当日は指定席は大きく座背番号を書いた布を縫い付けたカラフルな座布団、自由席は黒い座布団と一目瞭然としたのも見事。

ネタバレBOX

恒例のラストシーンのテント開放に向けあれだけ建てこんだ装置を短時間でハケさせたりバラしたりというのもまたオドロキ。
和洋 set you

和洋 set you

日本コメディ協会

駅前劇場(東京都)

2019/07/09 (火) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/10 (水) 19:00

【和=吉岡克眞「Point of No Return~あとには退けない人たち~」・初日】
【洋】の「ファニー・マネー」の設定やネタをいくつか使い日本のシェアハウスを舞台にした本歌取り。「あれをこう使うのか」な発見の愉しさだけでなくアチラで感じた違和もクリア。
なので【洋】をご覧になった方には【和】も(半券提示で500円引きになるし)ご覧になることを推奨。

そう言えば典型的なファルス(笑劇)である【洋】に対し、【和】はもちろんファルス要素もあるものの全体的にはマイルドでどちらかと言えばコメディ(喜劇)ではなかろうか?

さらにかねてから皇帝ケチャップ作品は会話が巧みと認識しており(贔屓目込み(爆))、その会話センス(=so called「吉岡ダイアログ」?(笑))も存分に発揮されていたと思う。お見事でした。

なお、基本的に【洋】と【和】の装置は同じだが、「間違い探し」レベルのちょっとした違いがいくつかあるのでそれを探すのも一興。

ネタバレBOX

注:【洋】レイ・クーニー「ファニー・マネー」のネタバレも含みます

「ファニー・マネー」のヘンリーは転げ込んだ大金をネコババする動機が希薄だが、「PoNR」では明生が大金を必要とする理由がちゃんと語られるのも巧い。

他の相違点は、大金の本来の持ち主(犯罪者)が電話番号を知ってかけてきた電話に不用意に場所・住所を特定できる返答をしてしまうこと、一件落着後に調理していたもの(ローストチキン、アップルパイ)が黒焦げになっていることが共通、殺人がないこと、最終的に大金を手にすることができないことが異なる……かな。(他にもあったかしら?)
和洋 set you

和洋 set you

日本コメディ協会

駅前劇場(東京都)

2019/07/09 (火) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/07/09 (火) 19:00

【洋=レイ・クーニー「ファニー・マネー」初日】
1995年10月に紀伊國屋ホールでの東京ヴォードヴィルショー版を観て以来24年ぶりだったが、当時抱いた「小骨が喉に刺さったような」違和感は今回も健在。(爆)

いや、それは演出や演技によるものではなく、脚本と自分との相性が悪いのだと改めて確認。

ネタバレを回避して言うなら騒動の原因である主人公の行動(と結末)に共感できない、あるいはその幸運(?)に嫉妬して(爆)感情移入できないこと、そしてダークもしくはブラックな部分(重婚どころではないヤバい犯罪が絡む)がファルスとそぐわない(私見)ことによるもの。

その点を別にすれば窮地から逃れるためにとっさについた嘘からさらにピンチが訪れたり、それを知らない者で混乱が広がるなどのドタバタはいかにもレイ・クーニーで大笑いできるんだが。

なお、終盤でやっと登場する人物の衣装はこのテの演目に相応しいマンガチックなもので、大いにウケる。

ネタバレBOX

たとえいわゆる「裏金」で、本来の持ち主が警察に申告できないとはいえ、偶然手に入った大金をネコババしようという主人公に共感できないのは正義感というよりむしろ羨ましがっている(笑)からではないか?というのが今回気付いた点。(笑)
ちなみに松本清張の小説で青島幸男主演で映画化もされた「告訴せず」も思い出す。

終盤で登場するミスター・ブラックカーテン、クルマに轢かれた設定ゆえ着衣が破れているだけでなく、いくつかタイヤ痕がついているのがマンガチックで笑える。
渋い劇の祭

渋い劇の祭

江古田のガールズ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/29 (土) 18:00

座席I列18番

価格4,000円

【本当にあったら怖い話】
2015年8月の初演(?)は心霊ドキュメンタリー番組の収録での「仕込み」の印象が強く、バックステージコメディと記憶しており、最後のオチをすっかり忘れていたのが幸いして「あー、そうだった!」と「こういうの、大好きなパターンだ!」が同時に押し寄せてホクホク。

ネタバレBOX

いやホント、「実は死んでいた」というオチ、好きなんだよなぁ。(笑)
朝のドラマ

朝のドラマ

劇団フルタ丸

駅前劇場(東京都)

2019/07/03 (水) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/07/05 (金) 19:30

価格3,800円

朝ドラにハマっているバツイチ引きこもり女性とそのドラマの世界を併行して描き……(以下ネタバレBOXへ)
両者の関係についてのアイデアがイイし個々の場も良くできていて愉しいが、クライマックスのヤマが低いと言うか、「丘」程度にとどまり「何となく終わってしまった」感覚なのが残念。(あくまで私見)

なお苦言をいくつか。

全席自由で、先行予約者には整理番号があるが、それ以外は整理番号がないというのはどうだろう?
このような場合、先行予約はチケットに記された整理番号順の入場、それ以外は当日受付順に渡す整理番号順の入場というのが一般的ではなかろうか?面倒臭いのかな?

当日パンフレットに出演者の名前のみというのも不親切。「あの役を演じたのは何という役者なんだろう?今後また見たい」と思っても名前がワカらない……。一見さんは相手にしないポリシーなのかな?
配役表があってもネタバレではなかろうし、もしもネタバレであれば終演後に配役表を渡すこともできるだろうに、これも面倒なのでやらないのかな?

さらに、定刻より4分遅れての開演について開演前・終演後を通じて一切触れなかったのもいただけない。
黙っていれば押したことに気付かないとでも思っているのかな?

そんなあたりを今後改善していただければ有難いが……。

ネタバレBOX

観ているドラマのヒロインがあたかも自分の人生をトレースしているように感じられてしまう主人公、という着想が面白く、もしやそのドラマ(あるいはドラマを視ているということ)が何かの比喩・隠喩なのではないか?と深読みしたが、結局は「ただの偶然」程度でしかないのは肩透かし。
それに加えて先述のようにクライマックスで大きく盛り上がることなく(私見)終わるのは何だかなぁ。

とはいえ、ドラマが進んで自分の実人生を追い抜いてしまう、というのは面白い。そう言えば連載中のマンガをアニメ化・ドラマ化した時に原作のマンガに追いついてしまう、なんてことがたまにあるな、などと思ったり。
ノーカントリーフォーヤングメン

ノーカントリーフォーヤングメン

コンプソンズ

シアター711(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 19:00

価格3,000円

地方都市を舞台に繰り広げられる物語は「今様民間伝承(百年後とかに伝説のように語り継がれていそう)」な印象にしてエネルギー?情熱?若さ?のようなものが迸るようなイキオイ。
その一方で落語の「寿限無」ではないがあれこれ取り入れすぎてまとまりに欠け、ごった煮……どころか闇鍋のようになった憾みが無きにしも非ず、そして長いよ。
あと、○○の「○○○スーツ」や○○○を応用した「アレ」などの美術が愉快。

ネタバレBOX

山村での存亡に関わる災害(?)ということで「君の名は。」を、また殺戮事件ということで津山三十人殺しなども連想。

あと、変身後の「マタギスーツ」や獅子舞を応用した「アレ」などの美術が愉快。
MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 14:30

価格2,500円

少し未来、あるいはこの世界とは別の発展の仕方をした別世界の下北沢、劇場跡に住み着いた面々、そして彼らと関わる人々が織り成すドラマ、
ヘンテコな人物ばかりなのに妙に人間臭くコクがあるのが不思議。終盤の「アノ曲」マジックか?(笑)

また、冒頭の小芝居、「いつもの手口か?」と思わせて……(ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

冒頭、妊婦とその夫が芝居を観に来るという小芝居が始まり、そのまま本編に入るのかと思いきや、スマホの電源に関する注意で終わり、一区切りつけてから本編だったが、実は本編ラストでその始まり部分が繰り返されるというシカケ。これ、上手いよね。

あと、終盤で「スタンド・バイ・ミー」を使うのはズルい。(笑)
渋い劇の祭

渋い劇の祭

江古田のガールズ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/29 (土) 13:00

座席H列5番

価格4,000円

【地獄】
2017年12月の初演(?)も観ていたが、記憶が薄れかけていたので「あ、そうだったそうだった」などと記憶の虫干しをしながら楽しく観る。
そしてこういうテーマ、好きなんだなぁ。

ネタバレBOX

ネットの掲示板を通じて集まった者たちが集団自殺をしようと田舎の一軒家に集まるが……というところから、上手く立ち回ろうとする人物に一杯喰わせるラストが痛快!

なお、映画「十二人の死にたい子どもたち」を観た時に微かな既視感を覚えたのはこれを観ていたからか?
ラフカット2019~25周年スペシャル~

ラフカット2019~25周年スペシャル~

全労済ホール/スペース・ゼロ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/30 (日) 14:00

座席10列5番

価格3,800円

1話・2話とも、そして再演(タイトルに覚えがあったので再演と知っていたが20年ぶりとはビックリ)である3話でさえ30分という尺には半端で終わり方が唐突に感じられた。
4話はオリジナル版を知っている身には「同じ時間軸の中の別エピソード」と察することができて「ボーナストラック」的感覚で楽しい。また、オリジナル版の「キモ」を30分の中にきっちり取り込んで巧み。

バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/01 (月) 20:00

価格2,500円

【Sweet編・2ステージ目】
3編それぞれ個性的で振れ幅が大きいDry編に対してこちらは比較的オーソドックスだが、前半が基礎編、後半が応用編と言うか直球2本の後に変化球2本、みたいな。
DryとSweetで対照的だし、リピーター割引はあるし、一方だけでは勿体ないですぜ、皆さん。

ところで池田Pに伺うのを忘れてしまったが、7編のSweet・Dryの振り分けと上演順はどのタイミングで決めたのだろう?
最初から機械的に決めていたのか、脚本を読んだ上で決めたのか?
あるいは振り分けは先に決めて上演順は後からとか?

さて、ホテル、バーと来たが、次は何だろう?(笑)
いやそれよりまずは「バー・ミラクル2」を期待するか。

ネタバレBOX

「キール・カーディナル」(NOMU)
居抜きで新規開店するバーの開店前夜、前のバーの常連客が訪れ……。
新マスターが機転を働かせるちょっと洒落た(または粋な)物語はいかにも「ミラクルの短編集」な印象(私見)で「そうそう、これこれ♪」な感覚が愉しい。

「夢見る少女でイタくない?」(荒井ミサ)
魔法少女バーのフロアキャストに採用された3人の女性がオーナーから魔法少女について共通認識を持っておくよう言われるが、互いの好みなどから空気は悪くなり……。
どちらかと言えば「ラフカット」における堤泰之作品のような味わいだが、これまた短編オムニバスらしい佳作。

「モーニング・グローリー・フィズ」(ダーハナ)
バーの女性マスターは霊能力を持っていて……な優しい怪談(=優霊譚)。
前半の2作に対して「お、今度は変化球で来たぞ♪」な違いをつける構成が巧いなぁ。

「エモくてごめんね」(大逗恭弘)
年齢差の開いたカップルが恋人からパパ活にシフトチェンジして……。
これまた前半と較べれば変化球。パパ活だけに何かする度に課金されてゆくさまが可笑しいが男の立場から考えれば哀しい。(笑)
バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/30 (日)

価格2,500円

【Dry編・初日】
・風変わりな前菜:メタ要素満載のコミカルなミステリー
・じっくり煮込んでコクも出したメインディッシュ:ハートウォーミング
・口当たりが良く後味も良いデザート;コメディ
の異なる味わいの取り合わせが絶妙な3編、大変満足♪(詳報はネタバレBOXへ)
明日観るSweet編も楽しみ。
また、三方囲み客席なので違う方向からも観たいという観客の心理を慮ってか、半券を見せると500円引きになるリピーター割引制も心憎い。

ネタバレBOX

「悪魔のかいせつ」(萩原達郎)
男が気付くと椅子ごと柱に縛り付けられており、血の付いたウイスキーボトルを持った女と2体の死体……という状況から始まるミステリー。
がしかし、女が出て行き1人残された男のモノローグが始まるとメタ要素が満載だわ「死んでいる」2人も回想のために生き返るわと一気にコミカルに。
メタの多用は反則スレスレだが、こういうの、好きだしなんたって面白いんだから文句ナシ。(個人の感想です)

「嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。」(いちかわとも)
バーで離婚について話し合う夫婦。妻が席を外した間に二人と学生時代からの友人であるバーテンダーは夫に本当の理由を問い質し……。
男二人の会話はもちろん、戻ってきて加わる妻も含めて会話の端々から「学生時代からの付き合い」という3人の関係がにじみ出てくるのがステキ。

「力が欲しいか」(高村颯志)
散らかして帰った客の後始末で悪態を吐く中野の脳に「力が欲しいか」という声が響くが……。
「いや、そういうんじゃないので」とそっけない中野に業を煮やして訪れた悪魔はハーフブリードで、などという設定も巧みなコメディ。
いやホント、この3編の上演順は神業レベルでは?(笑)
山兄妹の夢

山兄妹の夢

桃尻犬

シアター711(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/28 (金) 14:00

価格3,300円

劇中の現実・回想・幻想・妄想・夢(?)がシームレスに繋がり、時には境界(?)を越えて会話をしたりもして何が何やら迷宮を彷徨う感覚が楽しい。
その「場のボーダーレス」ぶりはいわば「だまし絵的芝居」、M.C.エッシャーの「滝」「物見の塔」「上昇と下降」などが好きな人にオススメ?
映像化は難しい演劇表現満載で大満足♪リピートしたくもコマの無きぞ哀しき。

ネタバレBOX

冒頭の場で、回想シーンを第三者が「見て」おり、「茶々を入れ」たかと思ったらそれに回想シーンの人物がツッ込んだりとか、大好き♪
また、あの終わり方から、タイトルはそういことか!と思ったが、関係者によれば必ずしもそういうコトではないらしい。
くるっていきたい

くるっていきたい

吉祥寺GORILLA

ひつじ座(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/28 (金) 19:30

価格2,300円

「21世紀も半ばを過ぎた」頃、1人の女性ライターが当事者に取材して解き明かすのは女子プロレス団体「ブロッサム」に起きた2019年の出来事……。
Twitterなどでの事前情報通り「リング上で闘う」し、それどころか「ここは、後楽園ホール?」と錯覚さえさせる(ホントか?:真偽のほどはご覧になってお確かめください(笑))とは恐れ入りましたぁ!

ネタバレBOX

クライマックスのライバル対決場面、その少し前やかなり前などの回想を差し挟みながら進めることで劇的度合いを高めていかにもクライマックスだし、その直前の「両選手入場」の照明効果が豪華(?)かつ巧みで「それっぽい感じ」を出していたし、「ここで、そこまで!?」みたいな。(笑)

また、前半で「なぜプロレスを?」の問いに選手が答える場面、これは「なぜ小劇場演劇を?」に対する吉祥寺GORILLAの回答だと深読み。

さらに終盤で湿っぽい方向に向かうも、回想で締めくくって後味を悪くしないのも(既存の手法ながら)見事。
発明少年天才ピカリ

発明少年天才ピカリ

劇団ミックスドッグス

オメガ東京(東京都)

2019/06/27 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/27 (木) 19:00

2100年と2019年(と2080年)を結んで描く、ある天才発明家に関する物語。
「夢とその叶えかた」を主題に時間ものテイストも交えて125分の上演時間をそこまでは長く感じさせない。

が、2時間超ということを意識してか序盤(とその後も時々)で早口になり、それはまだしもあって然るべき「会話の間」を詰めてしまい、「会話」ではなく「台詞の音読」になってしまったのは惜しい。この内容ならそこまでせず一般的なスピードと間をとった会話にしてその結果上演時間が135分くらいになっても耐えられるのではないか?(私見)

「キャラメル度数」は音楽の使い方を筆頭に主題や表現方法などニヤリとするほど高め。(笑)
また、広瀬正の「マイナス・ゼロ」をご存知の方もニヤリとできるのではないか?
さらに……(以下、ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

今回は「ドラえもん」テイストも。
ピカリの発明品の発想はまるで「ひみつ道具」だし、璃久のキャラは一部ジャイアンだよね。(笑)
ハミングバードへようこそ!

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演劇ユニット 少年cycle

サブテレニアン(東京都)

2019/06/20 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/21 (金) 19:00

価格2,500円

母親との確執から生まれ育った小金井を離れ北海道の大学に通い一人暮らしをする玲奈だったが、幼馴染の要請で夏休みの間だけ小金井を拠点とするヒーローショー、キャラクターショーの運営会社の手伝いをすることになる。しかし仕事内容は当初聞いていた「事務処理」ではなくヒーローショーのキャストで……な物語。
そんな内容ゆえヒーローショー(やキャラクターショー)の担当者毎の仕事内容の説明はあるわ基本的にバックステージものだわ、さらに主人公と家族とのこじれた関係の行く末も語り、「まさかのアノ人」の擬闘まであってとてもよくできた作品でありながら「ある理由」によって集中力を削がれたのが残念。

集中力を削がれた原因は、開演後に来場した5人(1人、3人、1人)の客。
開演が6分も遅れたのはコイツらのせいではないか?(しかも遅れせた6分間には到着せず、結局開演してから到着、うち1人はお加減でも悪いのか大半の時間、俯いていらした(まさか寝ていたのではないよね?))もしもそうだとすれば、主宰が開演定刻に客席にいた多くの客よりこの時間にルーズな5人のトンチキを大切にした理由は何か?などの邪念に囚われていたもので。
なお、会場の構造から言って開演後に遅れた客を誘導することに何の問題もなかった。

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