
ATTLIVE5
ATT
国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟・小ホール(東京都)
2007/09/21 (金) ~ 2007/09/21 (金)公演終了
満足度★★★★
より洗練されてきているのに感心
いつものように脱力系のナンセンスショートストーリーと他に類を見ないホンキ・実戦系アクションの組み合わせだが、おバカなギャグを見ていると「ホントにこの面々がアクションを演るのか?」というくらいギャップがあって、それがまた楽しい。
そのショートストーリーも回を重ねるにつれて、より洗練されてきているのに感心。今回は1編目の出だしがかつての連作ショートコント風だったり、2編目に大喜利風のパートをストーリーに組み込んだりというのが特に見事。

鬼が見る 夢の名は修羅
劇団TIME LIMITS
相鉄本多劇場(神奈川県)
2007/09/20 (木) ~ 2007/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
伝奇系アクション時代劇
前半は若干冗長な感があるが、後半は1つの大きな流れになり、登場人物それぞれの相棒、上司や部下、恋した相手などに対する「想い(あるいは思いやり)」などが表現され(これがイイんだなぁ)切ない幕切れまで一気で見応えがあるので休憩なし2時間半とやや長めながら、さほどその長さは感じず。
ところで由那を筆頭に女性キャラの死に際がそれぞれ良いのは脚本が女性によるものだからか?
一方、これは前半だけれど、遊郭の見習いのコがギャルピースをしたり、尾行する時にかえって目立つんじゃね?なファッションサングラスで変装(?)するなんて時代設定を無視した小ワザも好き。
時代設定無視といえば、このテの作品では定番化した印象もあるけれど、新旧とり混ぜた衣装もステキ。鬼側と人間側を往き来する人物の衣装による表現もナイス。
また、音楽も三味線からプログレ系、セミ・クラシック系まで各種取り入れてそれぞれ合っていたのが○。

Time Trouble 齢30
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/09/04 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
D:30を迎えようとする女達 Under30
Cチーム同様フレッシュな感じ。
総論的には芝居自体が面白いことに加えて6チームそれぞれに特色があるので全部観ても楽しかった、と言うよりむしろ全部観たのでより楽しめた。
さらに初演(未見)は萬スタジオ(現・萬劇場)だったのが今回は Gallery LE DECO 5(しかも3方囲みの客席)で、劇中設定の「渋谷の雑居ビルの1フロアに構えた事務所」に近く、臨場感もあって○

Time Trouble 齢30
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/09/04 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
E:30越えのオヤジ達 Over30
6チーム中最年長らしく落ち着いた感じの仕上がり。その意味ではFチーム同様、オーソドックスとも言える。しかし、このバージョンだけ主人公がメガネではなく代わりに「10%」がメガネだったのは何故?

JIRU II 【re:start】
プロデュース集団『JIRU』
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2007/09/18 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★
ピカレスク系コメディ
登場人物の大半が胡散臭かったりアヤしかったりするピカレスク系コメディ。中盤にもう少しテンポがあればドタバタ感があって面白かったろうし、終盤の美術品価格批判はもう少し掘り下げて欲しかった。
一方、美術館を表現した舞台美術はとても良い。

Oji ~ヘンテコリンなわんぱくおじさん~
グワィニャオン
前進座劇場(東京都)
2007/09/15 (土) ~ 2007/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
擬人化表現がユニークで楽しい
マレーシア北西のランカウイ島を主な舞台とした作品で、人間のみならず、動物、鳥、虫なども多数出演しており、この擬人化表現が衣装やメイクも含めてユニークで楽しい。車寅次郎風やバッファローマン風もあり、鷹や鷲によるエアリアル(舞台が広いので4本も!)まであって。
また、内容についてはひたすら自然を賛美する甘口ではなく、自然界の掟というか厳しさ、非情さもをキッチリ描いて○

散歩する侵略者(再演)
イキウメ
青山円形劇場(東京都)
2007/09/12 (水) ~ 2007/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
「こりゃあ深いゾ」
G-up 版の時には予備知識もなくストーリーを追うのに懸命だったが、今回はディテールに注視する余裕もあり、その結果「こりゃあ深いゾ」と…
ボディ・スナッチャー系SFから入りながらも実は哲学的で、終盤での嶋海の決断(というか訴えというか)には胸を打たれる。それも個人的なものと全世界的なものと二段構えにしてあるのが巧い。

この素晴らしき世界
鈴置洋孝プロデュース
シアターサンモール(東京都)
2007/09/11 (火) ~ 2007/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
有終の美
大半はコメディタッチながら、終盤で親子関係(それも2組)がクローズアップされるという王道パターンが見事。それにしても麻生美代子をベテランソープ嬢役にするなんて、さすが。また、日替わりゲストによるコーナーでは公演秘話も聞けて楽しかった。

”この女たちワケアリ?”(仮)
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
しもきた空間リバティ(東京都)
2007/09/15 (土) ~ 2007/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
7つの平岡真奈
本人と内部にいる複数の人格が対峙するという発想は昔観た他劇団の作品と共通ながら全く異なったテイストに仕上がっているのが面白い。また、途中で外見と中身が総入れ替えになるが、演者は変わっても人格がキチンと表現されているのは見事。

金と銀の鬼
X-QUEST
シアターVアカサカ(東京都)
2007/09/12 (水) ~ 2007/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
かなり初演に忠実
初演を観ていたのみならず、パンフに書かれていたこの作品のベースになったものを開演前に読んでいたので、観ていて大いに納得。また、登場人物が1人増えたのと、一部キャストが入れ替わった以外はかなり初演に忠実で、むしろ加筆された部分でよりわかりやすくなってもいるかも?
それにしても、いつもながら言葉遊びが巧み。最近は劇中では「野田秀樹チックな言葉遊び」とか「ボキャブラマジック」とか言わなくなったけれど、X-QUESTも番外公演で野田作品の「トクナガ Mix」なんか演ってくれないかしら?などと思ったりもして…
なお、9/17にもH列7番で観る。

Time Trouble 齢30
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/09/04 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
B:30歳の女達 Just30
ラップから入って落語を経てプロレスに辿り着くという「5回目」の壊れ方が秀逸、さすが「飛び道具」な西慶子。事前の予測とは配役が異なっていたが、このシーンで大いに納得!(笑)

Time Trouble 齢30
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/09/04 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★
C:30を迎えようとする男達 Under30
前週の2バージョンよりもキャストが若い、という先入観があるためか、若々しく感じられる。また、「5回目」に主人公が壊れるシーン、前週はラップだったのがプロレスネタになっており、その辺も「若々しい」と感じた原因か?

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COLLOL
インディペンデントシアターOji(東京都)
2007/09/06 (木) ~ 2007/09/10 (月)公演終了
満足度★★★
「Re-mix」な芝居
原作を必要最小限…いや必要以上に(笑)削ぎ落とし、坂口安吾や梶井基次郎のテキストやオリジナルのパートも加えた「Re-mix」な芝居。直前に戯曲を読んで臨んだら、まんまの部分や割愛された部分、付加された部分などもわかって面白かった。

おとう
劇団ヨロタミ
コア・いけぶくろ(旧豊島区民センタ-)(東京都)
2007/09/07 (金) ~ 2007/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
人情系ホームドラマ
母親が早くに亡くなり、父親と娘3人で暮らす一家とその周辺の人々の四半世紀にわたる歴史の要所要所を描いた人情系ホームドラマ。
とりたてて大きな事件やドラマチックな出来事が起こるワケでもないのに、家族(&ご近所さん、幼な馴染みなど)のつながりがじんわりと心にしみて心地良い。
起きた事を時系列的に並べるのでなく、シャッフルして変化をつけているという構成も巧い。
それにしても比較的最近の時点と、昭和55年のまだ独身で越してきたばかりで引越し荷物が片付いていない状態との転換は見事。短い暗転の間にサッと変えられるように工夫されているんだろうなぁ。

最愛
劇団宝船
駅前劇場(東京都)
2007/09/06 (木) ~ 2007/09/11 (火)公演終了
満足度★★★★
恋愛系月9ドラマのような様相?
全員が1人あるいは複数の登場人物に想いを寄せている状態は昼メロほどではないが、恋愛系の月9ドラマのような様相?(笑)
見事なまでに恋愛の不条理を描いており、同時に本人は真剣であっても傍目には滑稽、という側面もクッキリ。またこれが演技陣の力もあってリアル。
その演技陣、最初はドラマで知り猫田家プロデュース以降舞台でもよく観ている猫田直と、KAKUTA の『神様の夜』で見初めた後藤飛鳥を筆頭にそれぞれに見事。
特に、いつもはアヤしかったりコワかったりする猫田直のキュートな一面を見ることができたのは良かったかな?(笑)

新撰組寄留記 FROG
DMF
シアターVアカサカ(東京都)
2007/09/05 (水) ~ 2007/09/09 (日)公演終了
満足度★★★
殺し合いの無意味さ・無益さ
時としていささかムチャな部分もありつつ、時代劇らしからぬメイク&ヘア(衣裳は一応それなり)や、トンボをきる者までいる殺陣は斬新だし、殺し合いの無意味さ・無益さを描いたあたりには感心。ただ、休憩なし2時間40分はちょっと長いか?

猫と針
演劇集団キャラメルボックス
俳優座劇場(東京都)
2007/08/22 (水) ~ 2007/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
恩田陸っぽさ全開
基本的にはモノトーン系で椅子が5脚あるだけの舞台で演じられる5人芝居、出だしから恩田陸っぽさ全開。(笑)
そのスタイルといい、過去の未解決事件(?)の真相を探るストーリーといい、特に「木曜組曲」に近いかな?いずれにしても恩田作品をかなり読んでいる身には非常に楽しい。
また、チェロの生演奏による音楽、スパッと切り落とすように台詞ひとつで〆るピリオドの打ち方なども普段のキャラメルとは一線を画すと言うか、小規模の小屋向けと言うかで、そんなあたりはさすが「チャレンジシアター」。
キャラメルではムリだろうけれど、むしろもっと小さい小屋で観たいなぁ。

ONE!
劇団Peek-a-Boo
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2007/09/05 (水) ~ 2007/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
初演の感動が鮮やかに蘇る
改訂による登場キャラクター若干増はむしろ物語を整理するのに役立っており、前身である劇団第三反抗期時代の初演の感動が鮮やかに蘇る。
テーマといい、その手法といい、キャラクター設定といい、安易なハッピーエンドではない結末といい、どれをとっても大変満足。
なお、6日の若手主体Bキャスト、9日のベテラン系Aキャスト、それぞれ特色があり、その味わいの違いも良かった。

Time Trouble 齢30
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/09/04 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
A:30歳の男達 Just 30
比較的オーソドックスなFバージョンに対してこちらはテンションが高め。ゆえに残響の多い小屋ということと相俟って台詞が聞き取りにくいという難点があるも、先にFバージョンで観ていたために問題ナシ

Time Trouble 齢30
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/09/04 (火) ~ 2007/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
F:30に抗うオトメ達 Around 30
時間ものSFでは定番的な「過去を改変しても結局行き着く先は同じこと」「過去を改変して出発した時点に戻ると変化がおきている」の両パターンをうまく組み合わせて笑いもまぶした上出来作品