仕込んでいこう!
円盤ライダー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2007/08/21 (火) ~ 2007/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
演劇ファン必見!
シアターグリーンでの仕込み当日、2つの劇団がバッティング?な状況から始まるワンシチュエーションのバックステージコメディ。
かつての劇団BOOGIE★WOOGIEの『BACK from BACK』と同様、コメディでありながら後半では舞台に対する作者(そして演者)の愛情がひしひしと感じられて、笑いながらもホロリ。
舞台関係者はもしかすると他人事ではないかも知れないけれど(笑)、芝居好きなら観て損はない…どころか必見!
なお、客席通路や入り口ドアも演技エリアなので、E列やD列のセンターブロックがオススメ(全席自由)
きみは死んでいる/その他短編
MU
OFF OFFシアター(東京都)
2007/08/15 (水) ~ 2007/08/20 (月)公演終了
満足度★★★
Aバージョンのみ鑑賞
「きみは死んでいる」のシュールな感覚やコミューンのブキミさ、「変な穴」の不条理さもさることながら、「×」での各登場人物の関係が次第に明かされつつ収束するという語り口の巧みさが特に印象的
残存エゴイズムクラブ
Not in service
千本桜ホール(東京都)
2007/08/09 (木) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★
閉塞感と悪夢を見ているような雰囲気
閉塞感と悪夢を見ているような雰囲気が非常によく伝わり暗~い気持ちにさせる上に、ボソボソ言っている台詞がリアルではあるが時として聞き取りにくかったりするのが難点。「Don't think, feeeel!」ってことか?
なお、カレル・チャペックの『RUR』をちょっぴり連想。
RED LINE
劇団BOOGIE★WOOGIE
麻布DIE PRATZE(ディ・プラッツ)(東京都)
2007/08/08 (水) ~ 2007/08/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
個人的にはほぼ絶賛
前半はコメディでありながらしかし背景に「戦争の不条理さ」や「分断された国家の悲劇」などが見え隠れして、じんわりとメッセージが伝わってくる…ってか読もうと思うとかなり深読みもできて、胸に迫るモノあり。
さらに終盤、ある展開があってシリアス系に転じそこで強調される家族の絆と、不条理な国境を越えるものがあるとすればそれは…というテーマがイイ。
しかも名台詞の固め撃ちまであって、良かったなぁ。
コメディ部分に若干楽屋落ち気味の部分があったりもするので、評価は分かれるかもしれないけれど(その意味では『BACK from BACK』の方がバランスは良いかも)、個人的にはほぼ絶賛。
Guard of PRINCESS
しゅうくりー夢
シアターVアカサカ(東京都)
2007/08/10 (金) ~ 2007/08/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
結局2度観ることに
『七人の侍』『荒野の7人』などと同様、仲間が集まる過程の面白さと、集まってから力を合わせて(その前にはほぼお約束的に一旦離散したりもアリ)戦うクライマックスの痛快さを併せ持つ構造で、面白かったぁ。
ムーヴィングを使うのが本当に必要な部分のみで「安売り」しないとか、全体的には中世の西欧風ながら日本刀が出てきたりと和テイストも加えてあるとか、主人公の1人が使うムチャクチャデカい刀とか、モロモロの小ワザも利いていて満足度高し。
かくて予定外に14日の大楽もF列6番で観劇。
こけしダンサーズ
ミノタケプラン
「劇」小劇場(東京都)
2007/08/07 (火) ~ 2007/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
結末がさわやか
高校時代の同級生5人が30代半ばにして再会し、それぞれが面している問題が明かされるという「プチ同窓会」的な物語。辛口というか、ホロ苦いというか、身につまされつつ、しかしほど良く挟まれた笑いによって楽しく観る。
まず笑わせておいてからすぐにトラブルを予見させる出だしとか、事態が行き詰まりかかったところで新たな人物を登場させるとか、空気を読めない人物(複数)によって笑わせるタイミングとか、テンポと展開が絶妙で、それぞれが現状打開のキッカケを見出す結末がさわやか。
好敵手あらわる!!
不消者(けされず)
ザ・ポケット(東京都)
2007/08/08 (水) ~ 2007/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
反戦メッセージがさり気なく
コメディだけに随所に「なワケねーだろ!」な無理はありつつ、テンポ良く進むので「芝居のウソ」としての許容範囲内?(個人差はあるでしょうが)
で、声高ではなくごく控えめながら、反戦メッセージがさり気なく織り込まれているのに好感。特に終盤での主人公・勝二の台詞が心に残る…
また、舞台上手後方にある窓の外の光で時の経過を表現する照明効果が秀逸。昼下がりから夕方にかけての陽光の色、強さのみならず陽の傾きまで見せるとは恐れ入りましたぁ。
ケンコー全裸系水泳部 ウミショー
ネルケプランニング
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2007/08/02 (木) ~ 2007/08/08 (水)公演終了
満足度★★★★
思わぬ収穫もアリ
ストーリーは「しょーもねー!」だが、グラビア系アイドル7人を中心に据え、実力派でワキを固めたバラエティ系ステージとしては楽しくて上出来。また、ワキの実力派はもちろんのこと、アイドルの中にも意外な(失礼!)演技巧者がいて、思わぬ収穫もアリ。
疚しい理由
カニクラ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/08/08 (水) ~ 2007/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
逆転バージョンも観てみたい
途中から一転してブラックなサスペンスになり、どこまでが本音でどこまでがブラフかそして真実はどこにあるのか見極めるために観客側も気が抜けないのが快感。宝積・川田のキャラもよく合っていたが、逆転したバージョンも観てみたい気がする。
リスク
strange GARDEN
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2007/08/03 (金) ~ 2007/08/07 (火)公演終了
満足度★★★
玉石混淆?
主人公の妻関連などでイイ部分もあるというのに、選挙ポスターの件をはじめとして「芝居のウソ」では片付けることのできない部分が複数あり相殺されてしまっているのが残念。
カレッジ・オブ・ザ・ウィンド
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2007/07/05 (木) ~ 2007/08/05 (日)公演終了
満足度★★★
語り口が上手いよなぁ
初演はTV放映、再演はナマで観ており通算3度目になるが、ほしみの叔父関連の記憶が抜け落ちていたため新鮮な感覚で観て、見事に騙される。語り口が上手いよなぁ。ただ、客演の高部あいにはやや違和感アリ(決してヘタとかそういうことではないが)
ひーはー
Piper
本多劇場(東京都)
2007/07/26 (木) ~ 2007/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
特に序盤の展開が見事
冒頭の作者口上(というより言い訳?)から「大王ワールド」全開のドタバタコメディ、ひたすら笑って楽しむ。ただ、序盤で伏線が次々に開花して事態がころがり始めるのが非常に上手くて、そのために後半がただのドタバタに見えてしまうというのは惜しい
夜叉狩斬十郎
0 BEAMS
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2007/08/03 (金) ~ 2007/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
早くも続編が待ち遠しい
初の時代劇は一件落着していつつも、実は壮大な物語の序章という感じで早くも続編が待ち遠しい。場合によってはスターウォーズ・サーガ的展開にもできるしスピンアウト作品も作れそう、などと妄想したりもして、今後のシリーズ展開に期待
真夏のちょっとコワイ話
CLIE
劇場MOMO(東京都)
2007/08/08 (水) ~ 2007/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
持ち味の異なる3編
比較的オーソドックスな怪談、霊は出るがウイットに富んだウェルメイド、霊の類が出ず「怪談」よりは「ホラー」という持ち味の異なる3編、それぞれ面白い。
偶然とはいえ、B→C→Aの順になったのは結果ラッキー。
2回観に行けるのであれば「BC」をまず観て、次にAの含まれるものを観るのがベストか?
また、1回しか行けないのなら稲川淳二系のBが含まれるものがオススメ!
ストラルドブラグ ~魔神邂逅~
R:MIX
SPACE107(東京都)
2007/07/23 (月) ~ 2007/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ドラマチックな120分
従来の中世・近世から現代へと移行したが、歴史の流れに弄ばれる男達の骨太なドラマという基本部分は踏襲し、戦火の下でめぐり会った3人に生ずる“擬似家族”的な愛情を加えて、生きるとは?幸せとは?人間らしいとは? などの問いかけもまぶすという盛りだくさんな内容を、キチンと2時間のワクに収めたのは見事
GO☆GO☆STRAIGHT!!
SORAism company
シアターブラッツ(東京都)
2007/07/27 (金) ~ 2007/07/30 (月)公演終了
満足度★★★
夏合宿的な雰囲気の人情系コメディ
主人公一行(一味?)の犯行動機が弱く、たとえ未遂に終わりその後に善行を施したとはいえ警察官が見逃しちゃイカンだろという文句もありつつ、夏合宿的な雰囲気の人情系コメディ、凝った装置や見事な照明とともに楽しむ
ひょ~いドン!
OFFICEBLUE
小劇場 楽園(東京都)
2007/07/24 (火) ~ 2007/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ツボ2箇所への同時攻撃
この世に想いを遺した霊、という好きなテーマに親子の愛情も加えて、ツボ2箇所への同時攻撃とは卑怯な!(笑) 彼岸と此岸の父娘が再会(?)する場面と事故の当事者同士(生き残った側にとっても悲劇なのだ)が和解する場面が特に良いし、笑えるパートの配し方も絶妙
朝食と組曲と二匹の猫
はらぺこペンギン!
OFF OFFシアター(東京都)
2007/07/26 (木) ~ 2007/07/30 (月)公演終了
満足度★★★
終わり方の匙加減が絶妙
プロローグが2段構えでモタつく感があるのと狂言回し役の「心の声」による状況説明が多いのは気になったが、ヘタレ男3人がそれぞれ立ち直るという「ネオ人情噺」的ストーリー、ひたすら「めでたしめでたし」では終わらないその匙加減が上手い
ATT ROCKET LIVE
ATT
アイピット目白(東京都)
2007/07/22 (日) ~ 2007/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★
新ワザ、新ネタ、新趣向
他とは一線を画す独特なアクション(新ワザあり)にお得意(?)のショートコントつるべ打ち(新ネタあり)を挟み、さらに大喜利のような新趣向まで加えて楽しい。常に新たなものを取り入れて楽しませようとする姿勢が嬉しい。
沈黙の自治会
演劇ユニット象さんのふかづめ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2007/07/25 (水) ~ 2007/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
必見! 伝説の名作、復活
団地自治会への無関心なんてところから始めて、団地を日本から独立させるという突飛な展開を通じて日本が抱えている諸問題を痛烈に皮肉るという構造が非常に見事。
ほとんど初演時のままでの上演なので、一部ピンと来にくい部分もあるが、逆に初演から15年(再演からでも14年)経っているのに日本は根本的に何も変わっていないということもさらに皮肉に感じる。
また、序盤で語られるある一家の家庭内状況が、後半での国家的状況とシンクロするあたりも巧い。
さらに、終盤の父の台詞にはかなり泣かされる。やはり齢を重ねた結果そのテのことに弱くなったのか?(爆)
ただ、音楽で心情などを説明しすぎるのは玉に瑕。そんなに音楽を流さなくてもわかるところはわかるのになぁ。