
女魔導士は求めても得られない
空想天象儀
明石スタジオ(東京都)
2012/08/04 (土) ~ 2012/08/06 (月)公演終了
満足度★★★★
3部作の2本目として上出来
3部作の2本目ながら某スペースオペラ映画の2作目よりも単体としてまとまっており、もちろん新たな事実の発覚や最終作への伏線らしきものもあって上出来。
一歩間違うと作品世界を壊しかねないしょーもないギャグも個人的には好み。

立体文学「きつね・あ・ら・かると」
ストーリーテラーズ
新井薬師 SPECIAL COLORS(東京都)
2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
初演バージョンも観たくなる
旗揚げ時には8人くらいで上演した演目(未見)を役者2人とギタリスト1人用に改訂とのこと。
確かにこの方が最近のスタイルに近いが、終演後に初演時の様子を伺って、そちらも観たくなってしまう。
機会があれば再演して欲しいなぁ。

はんぶん隠し味
ロリータ男爵
OFF OFFシアター(東京都)
2012/08/15 (水) ~ 2012/08/20 (月)公演終了
満足度★★★★
一見おバカ大行進?(笑)
一見おバカ大行進・ナンセンス大作戦でありながらも(終盤で明かされる)ダブルヒロインの設定(配役もイイ)や落としどころがよく考えられており、また、舞台美術のセンスも良くて感心。
タイトル関連の終盤の演出とラストの選曲も良かった。

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)
劇団東京ペンギン
明石スタジオ(東京都)
2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
解釈の余地が大きい
まさしくイマのニッポンの状況、あるいは世界情勢の縮図、はたまたずっと小規模な共同体の人間関係?とマクロからミクロまでの様々なものに解釈できて深読み・誤読が得意な身として頭脳フル回転、的な。
また、先日観たものの影響で正義について想いを馳せたりもする。
一方、野田秀樹チックな言葉遊びや「あんなネタ」など娯楽要素もあるし、「まんまではないけれど確かにそんな感じ」な記憶スケッチ的プレデターのマスクも◎。

現代俳優論
ローカルトークス
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに「人間喜劇」
ベテランVシネマ俳優の付き人たちの騒動記、ダメ気味な面々の足掻き具合が愉快(微かに悲哀も漂ったりして)。
また、各人物のキャラもエッジがきいて際立っており、まさに「人間喜劇」と言えよう。
上演時間約105分。

ひまわりの花のように
春の日ボタン
シアター711(東京都)
2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
バックステージコメディ
初の長編はバックステージもの…でありつつも前半はシチュエーションコメディ風味で大笑い。
さらに今までに培ってきた「思わぬつながりを終盤で明かす」手法までつぎ込んで満足度大。
それにしてもあの舞台の使い方で2ヶ所を見せるとは!

正義の人びと ~神の裁きと訣別するための残酷劇~
オフィス再生
APOCシアター(東京都)
2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
正義という概念・思想
カミュの戯曲からの断片を中心に三島由紀夫作品や創作も加えた二次創作的作品にして「正義という概念・思想」の演劇的表現。
プレトークでの話も含め、観ていて「正義」の「正体」が次第にワカらなくなってゆくのは一種の快感?(笑)
また、終盤での「離風霊船かっ!」な転換(笑)や降りしきる雪(革命には雪がよく似合う)、森田童子、「蒼ざめた馬」などにツボを突かれる。

空に哭く【満員御礼!ご来場誠にありがとうございました!】
ポムカンパニー
OFF OFFシアター(東京都)
2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
一長一短
「賽の河原」的な場を通じて結び付く2(3)つのストーリー、両者の接点がごく僅かなのと一方の設定がぐらつき気味(私見)なのが惜しいが、それぞれ各話はよく練られており、今様「賽の河原」の設定と舞台美術も上手い。

春までの距離
LIPS*S
萬劇場(東京都)
2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了
満足度★★★
玉石混淆?
主人公側・敵対側とも殺傷が多いこと、ある人物の設定が後半の展開のためだけにあり過去の経緯が語られないため説得力に欠けることの2点がひっかかり今一つ没入できず。
とはいえ、内戦により分断された母娘の再会やレジスタンスの蜂起、内戦終結の表現方法(ダンサーたちが武器を花に持ち替えさせる)など良いところも少なからずあり、次回に期待。

艶やかな骨
十七戦地
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/08/14 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
女性版→男性版
技術の開発途上で起こり得る問題とそれに対して研究者が取るべき態度(のヒント)を得意の「見てきたような嘘をつく」手法でワカり易く描いて見事。
話のマクラ的な部分を省いていきなり本題…どころかいきなり佳境で全編クライマックス、みたいなツクリも緊張感を盛り上げる。(先日のからふる『銀河鉄道の夜』を連想)
柔らかだが強かな女性版、骨太な男性版それぞれの味わいも◎。

向日葵と夕凪
BASEプロデュース
BAR BASE(東京都)
2012/08/14 (火) ~ 2012/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★
満足度大
序盤で故人である「怪物先生」の人となりがまるで見えるようなのと後半で2人の女性の過去・想いがラップしつつ浮かび上がって来るのが良くできている脚本に設定通りバーで演じられる利点が加わり、満足度大。
なお、観ながら「あのバーで上演したら…」と考えてみて、そちらでは海が(多分)見えず、バーにも「特性」的なものがあることに気付く。

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★
夏はミステリ
推理ものとしてしっかりした内容を得意の(?)コメディでふんわりと包み込んだ上に、短い場をたたみかけるように重ねるテンポの良い見せ方が加わり、上演時間がアッと言う間。
コメディファン、ミステリーファンどちらも楽しめる良作。

北村メーカー
劇団虎のこ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
実は初演を観ていたという
1000年にわたる壮大なスケールのロボットものSF。時に哲学的でさえあり、ラストは「うおぉっ!」みたいな。
とか言いつつ、2年前に観ていながらすっかり忘れていて、途中のある場面から「あ、そういえば初演を観ていた」と思い出したのだったり…(爆)

10station 都合のいい記憶〜凌霄花〜
劇団始発列車
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
オトナ向けジュヴナイル的?
一言で表現すれば「オトナ向けジュヴナイル」?
記憶操作アプリというSF的ネタに恋愛も絡め、「思い出」「記憶」とは?と問い掛ける90分弱、終盤での映像と演者の「共演」を筆頭とした映像の使い方も含めてなかなかの出来。
「世にも奇妙な物語」や「笑ゥせぇるすまん」のようなダークな終わり方にもできそうだな、などとも思う。

ラクト
ブルーノプロデュース
東中野レンタルスペース(東京都)
2012/08/09 (木) ~ 2012/08/15 (水)公演終了
満足度★★★★
公開グータンからのジャムセッション
過去2回は独特な形式に(それぞれ別のジャンルの)音楽的なものを感じたので今回も喩えてやろうと待ち構えていたら「公開グータン」風で肩透かし。
が、長いマクラ(?)の後の本編は基本のコード進行だけ決めてのジャムセッション的な?(笑)
あと、2回出て来るブレイク的な台詞が巧妙。

『せーの(あれから世界は篇)』
劇団820製作所
RAFT(東京都)
2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
芝居を読むのは得意だ♪
コラージュ的なもので、いくつもの会話やスケッチから主題が浮かび上がるスタイル。
物語を求めるムキには勧められないが、「芝居を読む(深読み・誤読を含み)」のがお好きな方なら愉しめるハズ。
また、客席を一番奥に配置、通常は閉めるロビーとの隔壁を開けて、前半では表通りに面したガラスウインドゥも使った見せ方も◎。

『熱海殺人事件』(作・つかこうへい)
モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
なるほど原点
元々暑苦しそうな作品をさらにハイテンションに暑苦しく演じる、な感じ?(笑)
が、確かにポップンマッシュルームチキン野郎の原点だなと感じる。
また、婦警役を(女優も出演しているのに)男優に演じさせることとあの衣裳(なのか?)は前回が「ロマンス」だったことを考えると大いに納得(爆)。

非実在少女のるてちゃん
笑の内閣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
激ヤバ!(笑)
いろんな意味で「激ヤバ」(笑)。
ヤバいほど可笑しいし、あんな人物やあんな作品をそんな風に扱うのもヤバいし。
一方、中盤の討論会場面では「12人の怒れる男」に通ずるワクワク感(あるいはスリル)があったりもして、観ることができて幸い。
また、主題に関連したマンガ、アニメネタの他、小劇場関係のネタも含まれており、そちらにもウケる。

点描の絆
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/08/02 (木) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
本格派ミステリー
ごくオーソドックスな、と言うよりクラシカルな趣さえ漂うミステリー。
ある人物の失踪を発端に描かれる過去と現在の物語、そして明かされる真相…本格派と言っても良かろう。
植木職人の少年時代を演じた方が成人後を演じた平川さんと「面影がある」レベルで似ていてニヤリ。

VERSUS -バーサス-
キタムラ印
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽作品の鑑
これぞZ団クオリティ、サスペンスとアクションに笑いもブレンドしてまさに「娯楽作品の鑑」。
旗揚げから観ている身としては最近のSPACE ZEROなどでの大掛かりな公演よりも小さな会場での方がアツく感じる。
あと、出演陣のキャラもそれぞれマッチしていて◎。