
『熱海殺人事件』(作・つかこうへい)
モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
なるほど原点
元々暑苦しそうな作品をさらにハイテンションに暑苦しく演じる、な感じ?(笑)
が、確かにポップンマッシュルームチキン野郎の原点だなと感じる。
また、婦警役を(女優も出演しているのに)男優に演じさせることとあの衣裳(なのか?)は前回が「ロマンス」だったことを考えると大いに納得(爆)。

非実在少女のるてちゃん
笑の内閣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/08/03 (金) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
激ヤバ!(笑)
いろんな意味で「激ヤバ」(笑)。
ヤバいほど可笑しいし、あんな人物やあんな作品をそんな風に扱うのもヤバいし。
一方、中盤の討論会場面では「12人の怒れる男」に通ずるワクワク感(あるいはスリル)があったりもして、観ることができて幸い。
また、主題に関連したマンガ、アニメネタの他、小劇場関係のネタも含まれており、そちらにもウケる。

点描の絆
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/08/02 (木) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
本格派ミステリー
ごくオーソドックスな、と言うよりクラシカルな趣さえ漂うミステリー。
ある人物の失踪を発端に描かれる過去と現在の物語、そして明かされる真相…本格派と言っても良かろう。
植木職人の少年時代を演じた方が成人後を演じた平川さんと「面影がある」レベルで似ていてニヤリ。

VERSUS -バーサス-
キタムラ印
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽作品の鑑
これぞZ団クオリティ、サスペンスとアクションに笑いもブレンドしてまさに「娯楽作品の鑑」。
旗揚げから観ている身としては最近のSPACE ZEROなどでの大掛かりな公演よりも小さな会場での方がアツく感じる。
あと、出演陣のキャラもそれぞれマッチしていて◎。

国民の生活
ミナモザ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/08/01 (水) ~ 2012/08/06 (月)公演終了
満足度★★★★
タイトルそのまま
前作『ホット・パーティクル』と比べると劇的ではないが、その分身近で「あるある」「そういう捉え方もあるか」と頷いたり膝を叩いたりしながら観る。
「粗末でないのはいくらから?」、ポエマー丸出しな男、デモ参加者の会話など、着眼点がイイよなぁ。

進化とみなしていいでしょう
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/07/28 (土) ~ 2012/08/14 (火)公演終了
満足度★★★★
M.C.エッシャー的世界
多重の入れ子構造が複数存在し、いつの間にか「ソコはどこ?アナタは誰?」な迷宮に誘い込まれているのが快感。
その感覚はM.C.エッシャー(←大好きなのだ)の「画廊(Print Gallery)」「描く手(Drawing Hands)」や内と外を区別できない「クラインの壷」にも似て?

ブロードウェイミュージカル『ピーターパン2012』
ホリプロ
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2012/07/20 (金) ~ 2012/08/01 (水)公演終了
満足度★★★★
1500回記念ステージ
4年前、前年に次ぎ通算3度目になるが、第一幕冒頭からワクワクドキドキ。
また、3時間(休憩込み)の長さを感じさせない構成は何度観ても見事。
潤色部分は第三幕と二幕の一部かな?
なお、運良く通算1500回のステージで、終演後の記念コールで「特別ゲスト」のフライングまで観ることができて感動。
本編を観ている時に「タイムマシンがあったらコマ劇場で初期のものを観てみたい」と思っていただけに尚更。

MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)
MU
BAR COREDO(東京都)
2012/07/23 (月) ~ 2012/07/31 (火)公演終了
満足度★★★★
羊の皮を被った狼、的な?(笑)
前半は同人誌を発行している2人組を記号的に(=ベタに)描くほか笑いも多く(MUにしては)驚くほどにポップでワカり易く、がしかし中盤のある場面以降は「本物って何?ものの価値って何?」と問いかけるようで「MUイズム」全開。
いわば「羊の皮を被った狼」ならぬ「ポップな皮を被ったMU」?(笑)

銀河鉄道の夜
からふる
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/30 (月)公演終了
満足度★★★★
抽出のしかた、光の使い方、生演奏が特に◎
ジョバンニ(とザネリ)の後日譚も入れれば今年観るのは5本目(のハズ)の「銀河鉄道の夜」もの。
上演時間短縮のため(?)に大半を鉄道内にした抽出のしかた、蓄光テープで浮かび上がる機関車やカラスウリの提灯、豆球の星など光関係の使い方が特に見事。
あと、g,b,key(&sax),vln(&p)の生演奏も◎。

保母、処女
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
チームN
チームAの基礎編、チームBの応用編(私見)に対してチームNは「反則編」かと思いきや、「暴走編」あるいは「お楽しみ編」か?
がしかし、当初は作・演出だけのハズで2人の女優に演じさせておき、最後に「後だし」的に自ら演ずるのは反則かも?(笑)

保母、処女
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
チームA・B
オトコの立場から見て「あー、女性だけの職場ってそうなのかもなぁ」的な(想像上の)リアリティと随所に仕込まれた笑いの爆弾が愉しい。
また、観た順のためもあるかも知れないが、チームAが基本編、チームBが応用編のような印象を受ける。(もちろん、どちらも演者と作中人物の適合度は高い)

「物」
日本のプロレス
APOCシアター(東京都)
2012/07/28 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
サラダとステーキ(謎)
料理が得意な友人が「メシ喰いに来ない?」と誘ってくれたのでおコトバに甘えたら、最初がさっぱりして美味いサラダで「次は?」と思っていたら厚さ2cmもある熱々のステーキ(もちろん味はイイ)が出て来た、みたいな2編と言えようか?(笑)
また、単に2編を見せるだけではない工夫もエンタメとして◎。
しかし秋にある(この少し前に公開稽古を観た)某公演、そして同時期に公演中の某公演とカブる部分があったのにはビックリ。
こういう偶然の一致、何故かよくある小劇場界、「七不思議の一つ」と言ってもイイかも?(あとの6つはゆる募(笑))

キシノ味
味わい堂々
ギャラリーがらん西荻(東京都)
2012/07/28 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「奇策(笑)度」増?
味わいメンバーのみの2編はお面を付けたり書き割りの胴体から顔だけ出したりとアサノ味と比べて「奇策(笑)度」増。
一方、ゲストを迎えた3編目は、ゲストを中心に据えてメンバーは細々したワキに徹するツクリで、そんな「創り分け」も含めて巧みだなぁ、みたいな。

Gothic&Lolita Fantasia
黒薔薇少女地獄
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
短編集の醍醐味
1編目はユーモラスなファンタジーからブラックな結末へ、2編目はホラー系から姉妹愛へと変貌するし、3編目はある意味哲学的と各編それぞれに味わいは異なるものの、共通項はちゃんとあるというのは短編集の醍醐味。
もちろんそれは各編のヒロインがゴスロリファッションに身を包んでいるという表面的なものだけではなく、根底を成す思想(?)的なものが。
また、当日の受付・客席スタッフがメイド服とは何たるサービス!(ズルいともゆー(爆))

黛(まゆずみ)さん、現る!
ナカゴー
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/07/25 (水) ~ 2012/07/30 (月)公演終了
満足度★★★★
イキオイ溢れるチカラ技
字義通り・比喩的の両方の意味で「チカラ技」。
某女優を(キャラはともかく)本人として登場させたかと思えば別の女優を実在の女優役で登場させたり、な発想と、ストーリーの軸が徐々にシフトして行く「B型的」な構造が独特で面白い。
また、コメディではありながらも、考えようによってはサイコホラーでもあり、しかしそれを殆ど感じさせないのは全体を貫く「イキオイ」か?(笑)

赤鬼 ―レッドパージ立山― 【終演致しました。ご来場ありがとうございました!!】
サイバー∴サイコロジック
駅前劇場(東京都)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
センス溢れるシリアス・コメディ
ナンセンス・ミステリと銘打ちながらもその実態(実体?)はセンス溢れるシリアス・コメディ(勝手に命名)。
一歩間違うと失笑(あるいはコントもどき)になりかねない状況を複数組み合わせながらもそれぞれキチンとシリアスかつユーモラスに見せて見事。
連合赤軍に心酔した男が「次に行った場所」をも共産化しようとするなんて発想も愉快。
また、そんな全体構成や最後の落としどころなどストーリー関連のみならず、対面ではない二方を客席とした劇場の使い方、装置とそれを効果的に使った見せ方も上手いし、確かに最高傑作と自負するだけのことはあるな、と感服。

病んだらおいで
ソラトビヨリst.
新宿シアターモリエール(東京都)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
名作蘇る
燃えよDTフィールでの初演(『精しき神様』)がリピートするほど面白く、開演前にその改題だと知り、元々高い期待がさらに上昇したが、それをも楽々クリア。
名作再び…と言うか名作新生す、的な。
個性溢れる登場人物たちが織り成すドラマ、これも鮮明に覚えている部分とそうでない部分があり、記憶の虫干し的な感覚もまた楽しからずや。
旗揚げ作品「沼田宏の場合。」同様、代表作的に演を重ねて欲しい。

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~
スーパーグラップラー
あうるすぽっと(東京都)
2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
4年前の記憶を辿りつつ観る
4年前の再演版の記憶が残っていたりいなかったりでそれを繋ぎ合わせたりしつつ、また、オチを知っているので「なるほどここでヒントを言っているな」などと思ったりもしながらコトの成り行きを見守る。
(前回どのタイミングでオチが読めたかは思い出せなかったが)
前説・本編で時として客席通路まで展開する趣向も楽しい。

組曲『回廊』
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
大変満足♪
キーワードは「カクテル」?
出演者それぞれの味・個性をうまく配合して作り上げた各短編が、絶妙のバランスで組み合わされて1本の作品を成す、という二重の意味において。
また、事前に目にしたネタバレではない感想にヒントを得て冒頭から注視していたこと、ならびに同系統の作品が好きなことから、全編の軸となる表題作はある程度察しがついたが、3話目で明かされる真相がそれを凌駕するものでその発想に驚愕。
また、序盤で祐二と深月の二人に注ぐ眼差しの柔らかさが抜群の中田顕史郎、登場の度に設定を体現する武藤晃子を筆頭に、2人のコメディエンヌ(川田希は意外?)、ゲストの佐々木姉妹などオールスター的なキャストも贅沢で、非常に満足。

「20世紀少年少女唱歌集」
椿組
花園神社(東京都)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/23 (月)公演終了
満足度★★★
やはり鄭義信戯曲は苦手?
ミシンの訪問販売で故郷の小樽を訪れた女性が振り返る少女期…ということで昭和40年代の夏満載、内容から使用曲に至るまで自らの少年期とラップして郷愁をそそられる。
また、テント内をわたる風、外のノイズ、この会場ならではの声の響き方など演劇界の「夏の風物詩」を満喫。
がしかし15分の休憩込み170分の上演時間はさすがに長い。
一昨年の『椿版「天保十二年のシェイクスピア」』と似たような長さでありながらもそう感じてしまったのは鄭義信戯曲が苦手であるゆえか?
あと、恒例の「借景」が無かったのも残念。(物語の内容上、また装置の構造上から無理に入れるべきではないし…)