行方不明
ブラジル
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/11/17 (土) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
B級ホラーとナンセンスな笑いの融合
序盤こそコメディタッチだが、いつの間にやら得体の知れない不安感漂う世界へ。
が、B級ホラー感とすっトボけたナンセンス系の可笑しさが絶妙にブレンドされてこれが独特の風合いを醸し出す感覚。
また、ホラー部分には梶尾真治作品に通ずるモノを感ずる。
美しい星
ピーチャム・カンパニー
The 8th Gallery (CLASKA 8F)(東京都)
2012/11/12 (月) ~ 2012/11/20 (火)公演終了
満足度★★★★
これまた「F/T仕様」?(笑)
半世紀前に書かれたメッセージ性の強い原作を「現在」に繋ぐための実験的な試みが多々あり、演劇的に面白い。
また、終盤、照明でほぼモノクロームにしたのは役者の演技よりも内容を強調するためか、などとも思ったり。
さらにあのエピローグったら…(謎)
が、「ゴドー…」を知っていたらもっと愉しめそうだったのは癪の種。(自業自得だが)
【ご来場ありがとうございました。】みきかせプロジェクトvol.4「大吟醸マテリアル」
みきかせworks
ワーサルシアター(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
キレ味
日本のラジオ「サンゼンセカイ」
「みきかせスタイル」(←勝手に命名)ド真ん中で、コク味の快楽のまばたき同様台本の持たせ方に技アリ。
内容もやはりラジオ丸出しで、タイトルが効いているなぁ。
あひるなんちゃら「パアラメ」
演者は(設定のためもあるが)椅子に座ったままでト書き担当がいるという「リーディングの王道」スタイルでありながら最後に暗転を挟んでオチを付けるのが巧み。
内容もまるっと関村節で愉快。
【ご来場ありがとうございました。】みきかせプロジェクトvol.4「大吟醸マテリアル」
みきかせworks
ワーサルシアター(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
コク味
快楽のまばたき「絵をかく理由」
女子高生日記的な(?)内容に加えてスケッチブック、生徒手帳、教科書など様々なものに台本を仕込むという「台本と言い張るものを持つ」縛りを逆用したアイデアが楽しい。
ミナモザ「ファミリアー」
殺処分について具体的に知ることができて考えさせられた。
また、犬と人間の演じ分けや見せ方、配役のハマり具合(人間役、犬役とも)には感服。社会派で娯楽性も併せ持つとはさすが。
cafeシアターD.C.(ダ・カーポ) 【東京公演】
さるしげろっく
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★
基本のI、応用のII
一風変わったレストランを舞台にした連作短編集。
何編かは終わり方が物足りなく感ずるが、seasonII半ばの(従前のパターンから外れて)予約客以外を迎える挿話以降、俄然良くなる。
いわば「基本のI、応用のII」といったところか。
各編がキチンと落ちて、なおかつうまくリンクしているseasonIIIなぞ、機会があったら観てみたいモンだ。(催促気味)
Reversd-リバスト-
梅酒が好きだな
d-倉庫(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
空想娯楽活劇っっ!!!
「ゲート」で繋がる表裏一体の世界を舞台にした娯楽活劇。
パラレルな世界の設定としっかりした人物造形でドラマを形成し、アクションとダンスでアクセントを付けるツクリが良く、ダイナミックな結末とそれを表現する照明は◎。
また、大小各種の直方体を組み合わせて構成したような装置や武器類など舞台美術もイイ感じ。
からくりサーカス~サーカス編~
カプセル兵団
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
力作にして大作
三部作の2と3を一気に見せるような力作にして大作。
よって前半は若干の説明臭があったりもするが、後半は熱血あり名台詞あり感動ありで娯楽活劇の王道まっしぐら!(笑)
いつもながらの表現や「アレ関連」の笑いもイイ。
なお、210分(休憩15分を含む)という長尺なため、全席に空気座布団を装備。これ、有効だったなぁ。ありがたや!
煉獄アリス
ムシラセ
サンモールスタジオ(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/19 (月)公演終了
満足度★★★★
なるほどアリス
なるほど確かにアリス。OPアニメほどではないにせよ、登場人物に原典のキャラが反映されていないかと勝手に照合しながら観る楽しさアリ(もちろんそれほど原典に詳しくなくても楽しめるだろうが)。
また、不思議な世界の表すものを明かす前にヒントをちりばめて勘のイイ客には悟らせ優越感を与えるのも巧い。
PADMA vol.3- FAST LANE FINAL -「隔離病棟」
Performance team PADMA
赤坂元気劇場(赤坂GENKI)(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
3作目のセオリーに則り新機軸を打ち出す
「続編は前作のパターンを踏襲し、3作目で新機軸を打ち出す」というシリーズものの鉄則通り小屋を変えての3回目公演、過去2回の高さを使った見せ方ができない分、メイン、サブの2つのステージに会場を対角線に貫く通路も使い、広さで見せて◎。
それだけでなく女優を1人迎えたこととメンバーの成長(?)により芝居性が少し(笑)増したのもイイ。
次回はどう来るのかな?
おじクロ
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2012/11/08 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
やはりベテランの味
いい歳のおっさん達がももクロに夢中になりついには踊ってしまうコメディではあるが、ペーソス溢れる背景によってコクがあるのがベテランの手腕?
大笑いしつつもホロリとし、本当に踊る姿には劇中と現実を併せた感動(←大袈裟)もアリ。
海と日傘
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
いかにもSPIRAL MOONな作品チョイス
「全てを語らず」な奥床しさ(?)がいかにもSPIRAL MOONな作品。
また、切なさを内包あるいは予見させながらも、のどかで時にユーモラスでさえある味わいに古き佳き時代の日本映画(松竹?)を連想。
さらに、毎度ながら照明の的確さと表現力の見事なことと言ったら!
高円寺純情商店街でロミジュリ
踊れ場
シアターブラッツ(東京都)
2012/11/12 (月) ~ 2012/11/14 (水)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしき哉、新旧融合
新釈・現代若者語訳・翻案・喜劇仕立てでありつつ、内容はかなり忠実で原典そのままの台詞もあり、その両者が違和感なく同居しているバランス感覚たるや見事。
また、バルコニー場面の見せ方や教会の表現を筆頭とする多人数を活かした、そしてスピード感まで加味した演出もイイ。
虹色列車
(有)オフィス パラノイア
劇場MOMO(東京都)
2012/11/13 (火) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
総論+Side-B
過去編のAに対してこちらは現代編というのは読めたが、それだけでなく、片や連作短編、片や(「章」的な区切りはあるが)長編とスタイルまで異なるとはオドロキ。
2バージョンものとして画期的では?
それでいてリンクする部分があって両編で1つの作品を構成するのはもちろん、一方だけでもキチンと成立しており、もう一方を観ていないとワカらない部分がないのも巧み。
いわば一般的な2バージョンものは「双子(一卵性だったり二卵性だったり)」だが、本作は「父親似の第一子と母親似の第二子」みたいな?
B単独としてはエキセントリックなキャラ2人で存分に笑わせた(こちらはコメディ編か?とさえ思った)後に過去が絡む親子ネタでしっとりと締め括るのが上手い。
虹色列車
(有)オフィス パラノイア
劇場MOMO(東京都)
2012/11/13 (火) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
Side-A
かつて陶芸家を志していた男が美大の傍で営む喫茶店を舞台にした連作短編集。
各編は起承転結、全体は序破急と基本に忠実ながらしっかりと物語に引き込むのはさすが。(以下ネタバレBOXへ)
キメラガール アンセム/120日間将棋
The end of company ジエン社
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★
絡縺増量気味?
本介さん曰く「F/T仕様」とのことで、今までに観た何本かと比べて中心部分に絡み付いたあれこれが増量で縺れた糸を解くのが大変(笑)。
終盤でやっと見えたと思ったらまた謎を残して終わるという。
嫌いではないが、脳ミソが疲れたぜ(爆)。
『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
熱狂
今まで知らなかった若き日のヒトラーとその仲間達、それに当時のドイツの内情などを骨太なタッチで描き、まさにタイトル通りの場面で締め括る2時間弱、観応えがあった。
最初、舞台にいる役者・西尾友樹(失礼ながら「え、この人がこのなりでヒトラーを演ずるの?」とさえ思ってしまった)が、冒頭場面で演説を始めると「ヒトラーになる」のは圧巻!
また、口角泡を飛ばす激論が日本語の台詞なのに「ドイツ語っぽく」聞こえてくるのも演出マジック?
Project G
ロデオ★座★ヘヴン
小劇場 楽園(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
一粒で二度オイしい、的な?
コミカルな中に「実際に巨大生物が現れたらどうなるか?」を織り込んだりした前半といかにも「空想科学もの」らしい後半の取り合わせ、多少のトーンの違いはあれど「一粒で二度オイしい」な感じ。
まずは前半、巨大UMAの接近が予測されたことで対策準備室に集められた変人たち(笑)を中心に描き、若干クドくて冗長に感ずる笑いもありつつ対策のシミュレーションには「あーそうかぁ!」的に眼からウロコがボロボロと。
後半はいよいよ巨大生物の上陸となり、特撮映画ファンとしては堪らない展開になるのだが、ある設定により「MM9-MONSTER MAGNITUDE-」やとり・みきのシリアス系作品(「石神伝説」とか:星野之宣の「宗像教授シリーズ」や諸星大二郎の作品群とはまた異なる)に通ずる感覚になっているのがイイってか好み。
欲を言えば「G」と呼称するにとどめてあの名前は出さない方がスマートに思えたし、対策準備室と自衛隊の中心となる2人の関係をもう少し掘り下げて描いて欲しかった気がするが、概ね満足。
この会場の2つのステージを巧く使っていたり、プロップのバズーカ(小道具さんが女性とはオドロキ)を筆頭に細かい部分もよく創り込んでいたりしたし、まだこれが第2回公演とのことだし、今後が楽しみ♪
仮想家族
角角ストロガのフ
ザ・ポケット(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★
角角流マトリックス?
相変わらず悪夢、あるいは救いが少なめの「世にも奇妙な物語」的世界、125分はヘヴィー。で、ふと「角角流(逆?)マトリックス」な気もしたり…。
ルミちゃんってば、あんなにこやかな顔をしてこんなどす黒い世界を描き出すんだからおそるべし。もしかして、作劇は(心の)デトックス?(笑)
装置は従来スタイルだが、ザ・ポケットだと王子での密集感的なものが出ず、間延びしたように感じてしまったのはちょっと残念。
amapose
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
しもきた空間リバティ(東京都)
2012/11/08 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ほっこりほくほく
複数の短編たちをもう1本の物語で貫き各編も所々リンクするというお得意の形式に加えて、今回は題材が題材だけに各編どれもほっこりした終わり方なのが素敵。
また、芝居のラストに関連した終演後の趣向もナイスアイデア♪
個別では「小学三年生の…」、「思い出せない…」、それに全体を貫くストーリー(の落としどころ)が特に好みで「逆…」のオチにはしてやられる。←見事に裏をかかれた、的な
オンタイム!?
tea for two
「劇」小劇場(東京都)
2012/11/08 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇人にとっての悪夢的状況(笑)
無理を通して道理を引っ込ませる「チカラ技」的バックステージコメディ。
「演劇人にとっての悪夢」的事態に右往左往する人々に「んなワケねーだろ!」と大笑いさせられるが、終盤に出て来る台詞が多義的で劇中劇と芝居両方にかかるだけでなく、人生訓のようにさえ感じられるのが見事。