咲くさくさくの観てきた!クチコミ一覧

1-10件 / 10件中
Wの非劇

Wの非劇

劇団チャリT企画

駅前劇場(東京都)

2023/05/17 (水) ~ 2023/05/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/05/19 (金) 15:00

大学時代によく拝見していた劇団で、その頃の懐かしさもあり、今回、駅前劇場に足を運びました。性被害という、とても重たい話題を扱いながらも、ウイットに富んだ笑いで包みながら物語を展開していく手腕は20年以上を経ても変わらずに見事です。この手の話は当然に重たい展開となりがちで、観客も目を背けたくなり、結果的に観客へと同時代を生きていることへの当事者性を押し付けてしまいがち(特に演劇の場合にはその空間と時間に立ち会うことになるので)かと思うのですが、きちんと問題の核心にコミットしながらも、人間の滑稽さをうまく観客と共有しています。

ネタバレBOX

物語の最終版に「これは心のない非劇(つまり、悲劇でない)であり、それが現実として行われています」といった台詞があるのですが、そのあとの歌と踊りで某ジャニーズ事務所をこき下ろし、かつ「撤収!」の一言でさっとハケていく姿は、演劇という表現媒体だからこそできることだと思えました。また、そうして最後にチャリTとしての「心のある劇」を見せられて、改めて演劇というアナログな表現がいまなお残っていることの価値を痛切に感じました。不思議と、この「痛さ」をこの歌と踊りの心あるシーンで感じられたのは、当然にそれまでの重たくも笑いに包みながら語られた性被害の物語があったからと思えます。演劇の魅力を改めて感じられて、とても充実した時間でした。
くんちゃん

くんちゃん

ブルーノプロデュース

atelier SENTIO(東京都)

2012/09/28 (金) ~ 2012/10/02 (火)公演終了

満足度★★★

斬新な客いじり?
急な坂のスカラシップに選出されたとのことで、観劇。なかなかに興味深く拝見させていただきました。
俳優の記憶を手がかりに作品を構成していく、ドキュメンタリー演劇の第5弾。アフタートークまでを拝聴し、感じたことを。

ネタバレBOX

(おそらくテーマを与えて)俳優のこれまでの人生の記憶をいくつも聞き、それをツールに/つなぎ合わせることで作品として昇華させていく構造。話しかけても沈黙する観客に勝手に名前を与えて、または「愛している!」と告白をして、そこに物語の展開を見ていく点などは、不思議な斬新さを感じ、引き込まれました。

ただ、客に話しかけ、さらに無反応というある種の「拒否」を示す、わたしを含めた客たちを話の登場人物に仕立て上げる、その一点突破の客いじり(と断言をすれば語弊があるのですが)以外にも観客と共有の波紋を広げていく方法はたくさんあるはず。それはオーソドックスとも言える「観客に話しかける」というなんでもない方法の中にも。他者の記憶を観客とコミュニケートするやりかた/方法論の深化がこれからのこのカンパニーの取り組むべき未来なのかもしれません。

また上述とも繋がってきますが、アフタートークで「俳優の舞台への立ち方には言及しない」との旨が演出家の方からありましたが、どうにもそのばらつく俳優の立ち方が序盤から気になってしまいました。このような作品において、観客とどのようにコミュニケートを取るのかは重要なファクターだと思いますが、そこを演出せずとも、単純な俳優と観客のコミュニケートだとしても、本当の意味でそれができていた俳優は意外と少なかったようにもわたしは感じます。

また、文字としてセリフを与えている部分と、俳優に「このような内容で」と緩い形で委ねている部分の差異ははっきりと感じ取れました。それがいいことなのかどうなのか、この1作では判断しかねますが、少なくとも本作に関してはその境界がはっきりと見て取れたことはムラを覚え、マイナスに働いたように感じました。

しかし、そういったばらつきやムラも若さゆえな気もして、それが現段階での良さでもあるとおもいます。これからこのカンパニーがどのように成長していくのか、その点に関して興味深く、これからも注目していきたいと感じることができました。
GO HOME

GO HOME

サスペンデッズ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/06/15 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★

ドラマを越えていくこと。
親から子への遺伝と、そこに生じる想いを綴った普遍的で良質なドラマであると思います。
ただ、それ以上でもそれ以下でもないというのが正直なところです。それはこの作品でわたしは生身の人間を感じることができなかったから。

ネタバレBOX

上述のとおり、良質なドラマであると思います。ただ、どこまでもドラマ性を越えてこない。そこは血のつながりという意味で良くも悪くも人間の吐息や鼓動があるはず(それは作中で言えば、父親の子どもへの暴力であったり、その原因ともなる飲酒の遺伝性だとか。もっと拡大解釈を許していただけるのであらば、舞台上に延々と血の配合を繰り返してきた人間が立つということをも含めて)にも関わらず、それが情報としては伝わってくるが、曖昧に、非常に粗い描線としてでしか伝ってこない。

なぜなのか。そこには舞台上の話であるという前提が薄い膜のように各人物を取り巻いているように思えてなりません。その事実を否定するつもりはありませんが、虚構・架空を越えていかない限り、単なるドラマでしかない。たとえば、観客にある人物に感情移入させるなり、「そうですよ、わたしは現在舞台上で演技を行っていますよ」と開きなおるところからはじめてみても。たった一瞬、観客をハッとさせるだけでもいいのですが。

どうにかしてドラマ性を越えていかない限りは、「いいおはなしを見たな」という観客の客観性を越えていけない。ならばお金も時間もかからないテレビドラマでいいんじゃん? というところに少なくともわたしは行き着いてしまいます。

大きく捉えれば、現在は客観の時代というのもあると思います。退屈で不安が蔓延る日常の中で、我関せず。人を他者として客観的に眺めるというのがはやっているので。なので想像も出来ないような凶悪犯罪が発生すれば目を背けるではなく、そこに引き込まれてテレビに釘付けという状況も起きる。客観性の枠を破らずにいかに安全地帯で自身を犯されず、でも面白いものを見たい。そんな我が儘を表現者は要求されているわけですから。観客を主体に、ある意味で観客にリスクを負わすようなドラマ作品を見たいし(それはもちろん観客いじりだとか、観客の身に危険を与えるとかそういう意味ではなく)、そうでなければ「なぜ舞台でなければならないのか」という、なんども問われてきたような問いにまたぶつかってしまうので。

関数ドミノ

関数ドミノ

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/05/08 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

SFの最高峰
舞台にも関わらず、ここまでのSF世界を立ち上げることに脱帽。むしろ舞台にしか醸し出すことができないSFに仕上げ、またSFと一口に言えない人間の心の底までを映し出した作品。小劇場である赤坂レッドシアター規模ならではの芝居とも言える。次回作は紀伊国屋ということなので、演出を変えてくるのか。そこも次回に向けて楽しみなようであり、今回の役者たちの痛々しい生き様が消えてしまうのではという懸念もある。ただ、客演の役者はステキだが、劇団員の役者にはもっと頑張ってもらいたい。どちらにせよ、これからを楽しみにさせてくれる団体ではある。

改造☆人間

改造☆人間

田上パル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/03/13 (金) ~ 2009/03/22 (日)公演終了

満足度

ただバタバタしているだけ
前に春風舎で観た作品がよかったので、また観にいったが、今回はただバタバタしているだけの印象。物語性が感じられない。

ROMANCEPOOL

ROMANCEPOOL

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/07/26 (土) ~ 2008/08/03 (日)公演終了

満足度★★

あんまり…かな。
まず、制作面。いくら最終日で超満員とはいえ、アゴラの規模で15分ちかく押すのはいかがなものか。たとえば受付に何人かいたんだから、1人が予約を確認して、もうひとりが料金の精算をすればもっと早かったのでは、と思った。これからの劇団なのに、そういったところで印象を悪くするのは非常にもったいないことだと思う。

また内容もオムニバス形式ということもあったけれど、散漫としていた。前回観た『よるべナイター』のほうがよくわからないけど魅力的で、でも物語がこちらに浸透してきて、非常に面白かった。

ワールズダッチ

ワールズダッチ

青年団若手自主企画 大久保企画

アトリエ春風舎(東京都)

2008/07/16 (水) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

女性脚本家ならではの作品
女性の視点から描いた、なかなか見事な作品と言えると思います。

ネタバレBOX

「セックス」と「愛」を題材に、姉妹でどう捉えるか。これを切り口として女性が描いたという点は評価できると思います。ただ、特に前半はまだ脚本家の妄想というか頭の中だけで展開されているような感がありました。もっと姉の捉える「セックス」観を観客が納得できる形を示せればよかったのかな。それは後半で明らかになるのだけれど、それならば前半はもっと観客を引かせるくらいのものが観たい。あれでは中途半端。後半は逆に「セックス」観を巡る、姉妹の対比に面白さを感じた。でもどちらにしても、もっと演出も攻めていって欲しい。全体として、ぬるい。
盟塹壕大切(かみかけてざんごうたいせつ)

盟塹壕大切(かみかけてざんごうたいせつ)

劇団東京ミルクホール

SPACE107(東京都)

2008/07/17 (木) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

なかなか面白いよ。
初日を観ました。馬鹿らしくてなかなかいい。

笑いの要素が満載だけれど、その笑いの中からなにか、真に迫る人間の物語があるといいような。。それは脚本には要素としてあるけれど、役者の演技で魅せることができていない。今の時点でもなかなか面白いけれどね。

相思相愛確信犯

相思相愛確信犯

MU

駅前劇場(東京都)

2008/07/09 (水) ~ 2008/07/13 (日)公演終了

満足度

ふつうに…
つまんなかったなぁ…前にOFFOFFで観た短編が面白かっただけに、非常に残念。
ムダと思える台詞も多く、かといって内容もない2時間10分。脚本がダメなだけに、役者の演技も良くなく見える。

五人姉妹(追加公演決定)

五人姉妹(追加公演決定)

ミクニヤナイハラプロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/07/09 (水) ~ 2008/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり面白かった。
う~ん。おもしろい。。これで準備公演とは思えない出来。本公演はどうなるんだろう。

このページのQRコードです。

拡大