月の岬
青年団
座・高円寺1(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
90年代の名作。
さすが、読売最優秀作品賞。作品にとても力がある。おそらく観終わったら戯曲を読みたくなる人が多いと思う。
上演したくなる集団も多いだろうし、実際、いままでもそうであったろうと思われる。ほかの劇団がやってもこうは出来ないのだろうな・・・。というか、こうはやらないだろうな、と思った。感情没入でコテコテにもやれそうな芝居だし、それはそれで面白いだろうし、そうしたくなるところの作品を、平田オリザの演出は、うまく作品の「行間」を舞台に湧き立たせていた。
俳優陣らのエゴを感じない、まさにチームワークの芝居。青年団って、カッコイイ。
内田淳子だけが外部から客演。ほかの記事で、「姉の役は内田へのあて書きだった」、と読んだ。納得。前に、あうるすぽっとで別の芝居の内田を観たが、この女優は、押しつけがましい存在感じゃなく、気がつけばサラッと存在感を残すという、不思議な人だ。自分のまわりで彼女のファンに女性が多いのは、そういう点からなのかも・・・。これからもどんどん再演してほしい。歳をとっていってもその時その時の内田の「姉」が確かに存在する名作となるであろう。
青年団に客演って・・・平田オリザって策士やな~。
破産した男
東京タンバリン
あうるすぽっと(東京都)
2011/10/06 (木) ~ 2011/10/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
ファムファタール
少々地味だが実力派男優2人の会話が面白いが、それだけでは疲れる頃に、うまい具合に所々、内田淳子が華を添えに現れる。彼女の存在感の強さが、単なる「華」としてだけでは終わらせていないのがさすが。
今井演じる「男」にとっての女はまるで「引力」。 もう少し観ていたい気持ちになる。
この3人をキャスティングした企画サイドのセンスがよい。