ころっけの観てきた!クチコミ一覧

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だるまさんがころんだ

だるまさんがころんだ

燐光群

江東区文化センター(東京都)

2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

あえて今。
意欲的な作品。
内容は2004年の初演からあえて手を加えなかったということで、当時の世論や情勢を感じさせる。
自衛隊派遣、地雷問題、戦争と人間のあり方等々。
今年は災害の年にあって様々な問題があちこちで噴出し、余裕のない中であえてこの作品を観ることに意味はあるかもしれない。

総じると、一度は観て損はない芝居ですし、同時に二度は辛いかな、というのが素直な感想でした。

この先も地方を廻るということですので、これから観る方は是非しっかりと睡眠をとってから劇場に足を運ぶのをお勧めします。

以下、ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

舞台。さすが役者さん達の演技力は確かなもので、安心して観ることができ、時には指先一本つま先の動きひとつにも目を奪われた。

ただどうしても長い。
オムニバスのように紡がれる物語が最後のシーンで集大成のようにまとまるのだが、いかんせん刺激的なことを淡々と語る形のエピソードが交代交代続く。それが2時間半。
最初は興味深く観ていたのだがだんだんと周りのイビキの音が大きくなってくうちにこちらもついこくりとなりかけた。

とはいえ地雷を取り扱った芝居は初めてで貴重なものを観れたし、無口な人やとりわけ義足の女性の話は食い入るように見てしまった。

義足の女性の役者さんが本当に美しくて。徐々に身体を失っても逆に自由になっていくような、でも物悲しい有様に胸が締め付けられた

中山マリさんの流石の存在感。それからどの方も皆さん素晴らしかったです。

これからも再演が重ねられるようですが、この芝居以外もいつか観てみたいです。
spelling09『縁の鵺(よすがのぬえ)』

spelling09『縁の鵺(よすがのぬえ)』

VARNA -The Another Words-

TACCS1179(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度

前進のない劇団。いい加減過信に気づくべき。
この劇団の芝居を観るのは数回目になる。
好きだからではない。付き合いでだ。

この劇団がなぜ失敗をし続けているのか。答えは簡単である。過去の公演の反省を全くしていないからだ。

今回散々酷評されていることの大部分は、既に前回、前々回、その前からの作品を観てきた限りどの作品にも当てはまることだったりする。

設定を詰め込みすぎる上に小さな嘘の多すぎる脚本。
唱和含め実力以上を役者に求め結果破綻する演出。
噛むわ聞こえないわもう見るに耐えない主演の貝沼氏はじめとする役者勢。

ほとんど言いたいことは他の感想と同意見なので公演から日が経った今しっかりと他の方々のレビューを読んでもらいたい。

以下、個人的意見等ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

さて、個人的に強く改善してもらいたいのは、ご都合主義のための無理やりな人間ドラマや展開が多すぎる脚本だ。
登場人物達にリアリティーがなさすぎるのだ。
今回なら特に姉と妹のやり取りがひどくて興ざめしてしまった。
姉を愛しているはずの妹が、中身が変わった姉を姉ではない何かとも気づかず接し続ける。この全く愛の感じられない展開になぜ縁(よすが)が涙したのか。私の理解力ではとてもついていけなかった。

本来ならこういったファンタジーは設定で大きな嘘を付いているからこそ、細部のリアリティにこだわらなくてはいけない。そうでなくては全てが嘘になってしまうからだ。

それから毎回唱和でグダグダになってしまうのに唱和で説明させる手法もそろそろいい加減にやめるべきだ。
それでしか舞台を展開できないようなら脚本の構成から変えてしまったほうがいい。

あ、それと本当に貝沼氏は反省して下さい。私の観てきた限りあなたが噛まないで終えられた舞台は一度もありません。彼がほぼ看板でいることが不思議でなりません。


唱和にしても演出にしても脚本にしても、
とにかくやりたいことと出来ることが大きくかけ離れている気がするのだが、
その惨憺たる成り損ないを見せられるのは3000円を払う客である。

また、毎回驚かされるのが美麗なHPやフライヤーと稚拙な舞台のとんでもないアンバランスさだ。
終演後素晴らしい出来の当日パンフレットに目を落としながら思わず拍手したくなる。
デザイナーは自分たちの名誉をかけて芝居陣の尻を叩くか舞台のレベルに合わせてバランスをとるか諦めて違う集団と手を組むべきだ。
デザインを発表する場としての芝居だというなら納得も出来るが。
このアンバランスさが滑稽に見えてしまうのは芸術を愛するものとして本当に残念な事態である。


ちなみに今回の芝居の最大の成功点はこの「Corich」や他所の演劇サイトに登録し、様々な感想をネット上で聞くことが出来たことではないだろうか。

劇団員だけが知ることになるアンケート用紙だけでは、酷評に一度目を滑らせた後はかなく忘れさられてしまうだろう。
申し訳ないが、脚本も演出も主要役者陣も改善を見せてもらえてない以上、真摯にアンケートを受け止めてもらえてるとは微塵も思えない。

ありあまる酷評をこの劇団は真摯に受け止めるべきである。
厳しいことを言うが、そうでなければこの劇団の発展はありえない。

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