新生戯曲展 お裾分け
作品紹介
カメラ1台、編集なし、ノーカット、無言劇となります。
新生戯曲展 お裾分け
出演:鈴木瑠璃夏
作・演出:宇里香菜
普通に生きるってどういうことなの
楽しそうに笑っていればっていいの
悩みをすべて取り除いたら幸せになれるの
誰も分からない不幸な過去を大切に抱き締めて
何かあれば盾にして可愛い自分を守るくせに
揺らいでいる鼓動も行動も抱き締めて欲しくて
怖くて苦しくて繋いでいたのに振りほどいて
勝手な妄想を叩きつけて振り返るのが許せなくて
ずっと独りで生きて行けるはずもなくて
助けて
言わない言葉と描かない文字
声に出来ないことばかり積み重なって
背負えなくなってまた逃げてしまう
動かない筆が素敵な色を探しているのに
結局変わらない
いつまで経っても変われない
いつかこのまま朽ち果てて逝くだけなの
助けて
普通を求められて産まれた瞬間から背負わされた十字架
いつしか減り込んで同化して灼ける痛みと好奇の視線に耐えて必死に
悩みをすべて取り除いたら幸せを感じられるの
笑っている瞬間でさえも恐怖に支配されている
無意識のうちに探している私の中の不幸たち
誰も分からない知らない人生の終わりの次の日
そこから初めて始まる人生を知っていたなら誰も
意識しなくても困らないのに
助けて