グッドバイ 公演情報 グッドバイ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★★★★

    笑った、笑った。戯曲も拍車も美術も見事にハマった大変な傑作である。太宰治の原作部分はすぐ終わってしまう(30分くらい)。そのあとのケラの展開が、奇想天外。女たちに「グッドバイ」をいうはずが、逆に次々「グッドバイ」を言われる。田島(藤木直人)が落ち込むところを謎の「大体の占い師」に、元身近な「大食漢」の女性こそ本当に幸せな相手、と諭される。その直後、追い剥ぎに襲われ、世間では死んだと思われるが、実は生きていて記憶喪失になった。というところで1幕終わり。この展開は、太宰治は決して考えない代物。潔い飛躍ぶりが小気味よい。

    この大食漢、ことソニン演じるキヌ子が、本作のかなめの女性である。そのソニンがうまい。ダミ声で、やさぐれた演技は大女優・大竹しのぶそっくり。ビックリである。

    第二幕は田島(藤木直人)の一周忌の日に愛人、元妻が全員揃うところから始まる。女たちの喧嘩がまたおもしろい。いいアンサンブルである。この多人数の喧嘩はやはり舞台ならでは。小説だと、誰が誰だかわからなくなってしまうし、「〇〇が」「××が」と人物を指定しているうちにまだるっこしくなるだろう。

    夫が妻に冷たいのは、甘えているから。仕事と愛人に一生懸命で、妻は棚上げ。妻は夫を愛しているのに、耐え切れずに別れる。この夫婦の関係は身につまされる。(評者に愛人がいるわけではない、念のため)。二幕のふたりが語り合う場面など、しみじみさせるものがある。

    最近、今ひとつの舞台が多かったが、久々に弾ける舞台を見て、元気が出た。

  • 満足度★★★

    鑑賞日2020/01/21 (火) 18:30

    座席1階9列39番

    価格9,500円

    藤木直人ファンは存分に楽しめたのかな。。
    わたしはソニンの役に魅力を感じなかったのでそれでおわり。。
    色々良く出来てるのは分かるけど、それだけで乗れなかった、仕方ない。。
    瓜生明希葉さんの音楽と長井短は良かった。。

  • 満足度★★★

    太宰治の未完のコメディ「グッド・バイ」は起承転結で言えば「承」の初めで終わっている作品だが、それを ケラリーノ・サンドロヴィッチが大幅に補充して戯曲として完成させ上演したのが2015年。原作部分は1時間もないものを3時間に膨らませている。今回はその生瀬勝久演出による再演である。

    原作は沢山の愛人との関係を解消するはずが美容師と画家の2人で途切れている。ケラ版は愛人の数を原作よりも多い20数人と煽るので続けて色々な愛人が登場するのか思いきや、女医を登場させただけで「承」は終わりとし、コメディであることをパワーアップして大技の「転」を続け、最後は予定調和的な「結」としている。しかしストーリーそのものはかなりやっつけ仕事で、個々の俳優さんの演技を楽しむべきものだと感じられた。

    生瀬さん、もちろん出演もする。冒頭いきなり、主人公の藤木直人さんに無茶振りをしてさすがと思わせる。原作では葬儀の帰り道での会話なのだが、本作では葬儀会場での読経の最中の会話として故人への失礼さを際立たせている。そのためにわざわざ喪服を着た会葬者を10名くらい用意するという力の入れようだ。生瀬さんはここがやりたかったのだろう。藤木さんは真面目で気が弱くそれゆえにどの女性にも別れが言えない色男というお得意の役どころだ。女性陣は真飛聖さんがしっかりした奥さんにピッタリだったが、歌わないソニンさんは魅力半減で大振りの演技が空回りするばかりである。そしてこれだけの人がいるのだからラウンドガール(?)のバイオリン以外にももっと派手に歌い踊って欲しかった。

    ところでマチルダアパルトマンの「ばいびー、23区の恋人」って「グッド・バイ」からインスパイアされたのだろうか。「ばいびー…」は本当に23人のところを回って行くので、原作の本来の姿に近いのかもしれない。

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