淫乱斎英泉 公演情報 淫乱斎英泉」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.6
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    逆だとばかり思っていた
    浅野さんと山路さんの役、逆だとばかり思っていました。

    ネタバレBOX

    才能在るものの業と、憧れ支えるものが抱く嫉妬と充足とのバランス。

    浅野さんと山路さんの対比がヒリつくような感覚で描かれていて面白かった。

    更にはそんな男達に女として関わってしまった田中美里さんの
    堕ち汚れながらも理屈抜きに生きている、生きてしまう雌としての業の深さ。

    その3人の依存と同調、理想や愛情だったものが変質していく様が
    痛みを伴う哀しさ、憐憫と恍惚とも重なって見えて凄みさえ感じた。

    矢代さんの作品はいくつか観ましたが、今のところコレが一番好きです。

  • 満足度

    背景が綺麗!
    ふすま(らしきもの)の後の背景がスクリーンになっていて、森の中の一軒屋になったり女郎屋になったりと、非常に効果的でした。

    田中美里さんや高橋由美子さんも好演していました。

  • 満足度

    俳優へのご褒美興行・・・みたいな
    なんだろうな、昨今、大型舞台作品を支えている
    浅野、山路へのご褒美で製作した作品なんだろうか。

    非常に、主役2人が地味で華も艶もなく、
    作品への求心力がない。
    スケールの大きい作品を少人数で展開するには、
    惹き付けられる魅力の大きい役者を配さなきゃ、
    単なるラジオドラマ。
    約3時間ものダラダラした上演時間、
    半分以上、寝てました。

    田中美里も、以前は、女優の狂気のような色気のある
    役者だったけど、オーラが薄くなっちゃって。

    セットが画像で描かれるテクニックは、
    流石、東宝芸能のなせる技か。
    ま、無駄な鋼材を使わないから、エコでいいか。

    コストが安そうな役者と、簡素な舞台装置。
    席が埋まらないのを前提に、
    非常に損益分疑点を低く設定したような内容。
    事実、客席は300席のあうるすぽっとの
    3分の1も埋まっていない。

  • 満足度★★★

    長かったー。
    元々この作品
    英泉、長英を一緒描く必要があったのかな?(あと、越後屋も)
    この二人が関わった事実を基にしているのかと思ったら
    そういうわけでもなさそうだし。 
    対照的な存在として?

    長いしなんかテンポもいま1つ
    ラストの方では完全に思考停止だった。

    豪華な出演者、
    みんなそれぞれに良かったのに。(山路和弘さん特に)
    その良さがいまひとつ生きていないような。

    英泉なら英泉、長英なら長英で
    話をもっと絞って全体に短くした方が
    良かったのでは?

  • 満足度★★★★

    幕末の江戸,20年の歳月にうつろい絡み合う人の心,男と女の話。
    劇『淫乱斎英泉』あうるすぽっと(A-18)2009年4月4日(土)12:30 幕末の江戸,20年の歳月にうつろい絡み合う人の心,男と女の話。

    幕末の江戸、蘭学者・高野長英と絵師・英泉の出会い、女たちの愛、逃亡とその末路を描く。

    独特の味がある先日「しとやかな獣」の浅野和之さん、古くは「ゴジラVSメガギラス」からチェックし出した田中美里さん、小劇場から帝国劇場のミュージカルまで近年多数の舞台に積極的に出演し続けている高橋由美子さんの出演で観ることにしました。

    浅野和之さんの高野長英は、生真面目ながら追いつめられ、変わっていく。
    田中美里さんは、若い純粋な時はその秘めた思いのしぐさがまさに可愛らしく、そして20年後には多くのことを背負って生きている。
    山路和弘さん演じる英泉は、昔の淫乱斎英泉が絶頂の時には破天荒で破滅的な性格、高野長英と逃亡後には至って真面目に変わってしまうという変わった役。
    そして妹との関係、この距離感も微妙で難しい。
    この逃亡した3人は、その過程を描かずに一気に流れ流れて変わっていった結果が提示されますが、観客はすぐにその空白の間のドラマを各自が補完して観れています。

    それとは打って変わって、高橋由美子さんの娼婦お半は一貫して明るく素朴。
    クライマックスでは母性、すべてを包み込む優しさを発揮して、終始、登場人物の中でも最も気持ちがまっすぐで素直。
    高橋さんのこれまでのイメージにも近くて最も得意な役どころではなかったでしょうか。
    木下政治さんは商人越後屋。こちらは同じく一貫しているのは何か常にはかりごとを考えている人物。
    というように、江戸にいた人間は変わらない。
    20年かけた、ほろ苦い、味わい深い男女の物語でした。

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