ラヴズ・レイバーズ・ロスト ―恋の骨折り損― 公演情報 「ラヴズ・レイバーズ・ロスト ―恋の骨折り損―」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 3.0
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  • 満足度★★★

    会場は若い人が主体だがお年寄りも多い、男性も2~3割はいるようだ。俳優さんはいろいろなジャンル(TV、映画、声優、ミュージカル、元宝塚、アイドル)の若い方が多いのでファンが来ているのだろう。飛び交う会話を聞いていると3回、4回のリピーターが若い人に沢山いるようで驚く。年配の方はシェークスピアだからということなのか。

    皆さん歌はまあまあ上手いのだが好き勝手に歌うので調子がバラバラで聴いていて疲れてしまった。それ以外は良く出来たステージだと思うが、特に惹かれる所もなくいつの間にか終わっていた。

    何も残らなかったので、観劇後に松岡和子「深読みシェイクスピア」を開いてみた。そこで紹介されている9編は「ハムレット」を初めとするいずれも人気作であるのだが、何故かそこに不人気作と言われる「恋の骨折り損」が紛れ込んでいるのである。この本の内容で私が興味を持った部分をまとめると以下のようになる。

    このナヴァール国というのは現在のフランスとスペインの国境付近に当時実在した王国でその王がフランス王になったのがアンリ4世(在位1589-1610)である(彼が出したナントの勅令(1598)はカトリックとプロテスタントの戦いに一応の終止符を打ったことで有名)。アカデミーを作ったのも事実。フランス王女マルグリッドと結婚もしている。その後離婚してからマルグリッドが持参金の精算に王のところを訪問したことが冒頭の話の原型らしい。4人の男が無意味な厳しい誓約をするのは王が宗旨替えを繰り返したことへの含みがあるのかもしれない。当時流行ったクリストファー・マーロウの戯曲「パリの大虐殺」にはナヴァール王とその敵デュメイン公爵が出てくる。他の側近も実在の敵味方の人物の名前を借用している。ちなみに奇妙なスペイン人アーマードとは無敵艦隊(アルマダ)を揶揄するもの(アルマダの海戦でイングランド軍が勝利したのは1588年)。1595年頃に書かれた「恋の骨折り損」もカトリックとプロテスタントの争いの時代の話なのであるがそういう話は一切出てこない。

    ヒット演劇に便乗して当時の有名人をからかったのだろうか。何百年も後から観るとなんじゃこりゃになるのは自然なことだと納得することにした。

  • 満足度★★★

    とびきりの人気俳優はいないが、そこそこの若手アイドルが男女合わせて10人も出る賑やかなミュージカル。シェークスピア作品の中では最も上演される機会の少ない(人気のない)戯曲をどうアレンジするかと楽しみに見た。王たち男4人の女絶ちの誓いと、4人の美女の来訪の始まりからロックな歌で聴かせる。

    変人アーマードーの酒場女ジャケネッタへの下卑た恋、道化に託したラブレターの誤配、誓いを破った男たちの滑稽な姿、仮面舞踏会では女たちにからかわれ、最後、1年後の愛を誓うラストまで。脇筋の学者連もからませつつ、ストーリーはそのまま。しかし、セリフは大きく端折って、エッセンスで組み立てている。男たちのラブレターや、ビローンの愛の賛歌などの重要な場面は歌に。これがよかった。王女の悪ふざけをいさめるロザラインの愛の歌は原作にはない創作。これが一番しんみり聞かせた。

    冗長なしばいを、若者も楽しめる現代のエンターテインメントに上手く脚色したと思う。それにしても見所は俳優・女優の若さそのもの。客席も大いに笑っていたが、俳優たちのおどけた所作や派手なアクションへの反応で、シェークスピアらしい皮肉や機知への反応は少なかった。「俺のアナコンダをあのアナへ入れたい」など、卑猥な歌もご愛嬌というべきだろう。
    ただし、4組(五組)の男女の出会い(恋の始まり)のところが聞きづらかったし、段取り化して早すぎて印象が弱い。男たちが女たちに(あるいはその逆)一目惚れする場面をもう少しじっくり聞かせてくれれば、舞台に深みが増したと思う。シェークスピアの原作は、恋を前提にしているが、現代ではどうやって恋におちるかこそが大事なので。休憩無し1時間50分

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