美しく青く 公演情報 美しく青く」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    全くエンターテイメント性のない
    退屈な舞台かと思ったけど意外笑もあり楽しめました。
    メッセージを正面から発信するんじゃなく淡々とした市井の人の生活を通して
    生きるとは何かを観客に突きつける秀作。
    主役の向井さんは非常に難しい役を好演。
    再演してほしいくらい!

  • 満足度★★★★

    とにかくセリフにリアリティがあって面白い。
    赤堀さんの作品は「その夜の侍」しか観てませんが、世界感がどこか魅かれます。
    大体赤堀さんの作品は役者も観客もカタルシスは得られないが、特に向井さんの役はその典型だったのでさぞかし大変だったろうなと非常に同情。
    ただどっか優しいから何回もみたくなるのかも?

  • 満足度★★★

    わたしはL列の中央の席、暗転だけではなく、通路も頻繁に使用するので前の席のかたは首がいたかったことでしょう。

    それぞれの立場はありますが、人は、身勝手な生きものということでしょうか。

    建設途中の防潮堤から青く美しい海と空を望んでこれからのことを考えていくのですね。

  • 満足度★★★★

    赤堀新作戯曲inコクーンは何作目になるか(調べりゃ判るが)、年々こなれて来たように感じるのは「見慣れた」せいもあるかも知れない。きわどい人間像を炙り出しながらそれを包摂していく世界観が赤堀作品の一つの特徴で、ピンポイントなシチュエーション描写がツボだ。今回は「8年前」という台詞が仄めかす東北の、猿害に悩んでいるというから農業人口が一定数あるどこか。農業が生業でない主人公の住まいはマンションの一室のようであり、彼と同世代(アラフォー)や20代の若者が自警団を構成してもいる。主人公夫婦と妻の実母、自警団に同道している役所の男、飲み屋のママ、そこで働く地元の若い女性、農業を引退した頑固老人等等が個性的かつ普遍的な人間像を見せ、典型的でない言動の背後に今この瞬間を浮かび上らせていた。
    五場面の大転換も何気に美味しい。

    ネタバレBOX

    地方の描写としては、限定させる要素を除き、やや引いた視線での描写に止めていた(毎回の事だが)。原発事故の影もあるが言明されず前面には出てこない。
    だが主人公がリーダーとしてのめりこむ自警団が彼にとって何であるのか、というあたりに「地方」の病理を匂わせ、そこから「逃げるのだ」と東京に出ていく若い娘に言わせる窮状は、ひとり「猿」のみに由来せず、全体的な厳しい状況が彼らの生活を侵食している事を想像させる。工事半ばの「海が見えなくなる」防潮堤の高さも異形で痛々しいが、作者は客観的な「窮状」をそれ以上際立たせず、人間同士の間に生じたものを人間同士の力(自然治癒力?)で乗り越える風景を切り取っていた。
    だが痛々しさは現実を言い当てており、リアルに裏づけられた光景として脳に像を残した。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/07/15 (月)

    何だろう、この虚無感。なんで生きていなきゃいけないんだろ自分。と思わせるこの舞台。涙が表面には出なくとも心の底で湧き出ていた。素晴らしい。ああ、、、

    ネタバレBOX

    冷蔵庫と掃除機が出てきてホッとしました。これが無きゃ(笑) 猿の気持ちもぐさりと心に刺さる。人間は身勝手すぎる。。。
  • 満足度★★★★

    とある田舎町の猿害対策の自警団を軸に、人々の日常の些細な出来事を描き、寂しさやつらい過去や感情の波立ちを一瞬垣間見せる。認知症、老人の一人暮らし、青年の離村、夫婦仲のひびなど、誰もが思い当たる出来事を、一つ一つ小さな短編のような場面にしながら、それをネックレスのようにつなげて全体を2時間10分の芝居にしている。最後まで説明しない過去の謎があったりして、カタルシスは得にくいが、最後は夫婦仲に希望を見せて、後味はよい。

     あらすじが、事前の紹介と全然違うので書いておく。
     農作物や人家まであらす猿の害に苦しむ田舎町。青木保(向井理)が団長の自警団が、猟銃やおもちゃの銀玉マシンガンをもって、森で猿狩りをし、村内をパトロールするが、あまり成果は上がらず、村人からは疎まれている。
     保は家に妻(田中麗奈)と、認知症の義母(銀粉蝶)がいて、家では妻がいつも義母に口やかましく指図している。順子(秋山菜津子)が営む居酒屋では、自警団仲間(役場の箕輪=大倉孝二=もいれて)6人が毎日のように集まって盛り上がる。
     妻を亡くして一人暮らしのがんこな片岡(平田満)は、保たち自警団から、アパート住民のゴミ出しを、猿の餌にならないようにしっかり管理しろと再三注意されるが、従わない。さらに保は、片岡の庭の柿の木が、実を取らないまま放置されて、サルのえさになるから伐採するとすごむ。無口な片岡は黙って聞いているが、最後に「狂ってる、お前ら。正義面したやつが一番危ない」と、保たちの行き過ぎた行為を指摘して、良識を垣間見せる。

     村の海辺では巨大な防潮堤が建設中で、東日本大震災の被災地らしいが、その被害については特に何も出てこない。作・演出の赤堀雅明が公演プログラムで「書き進めるうちに、震災の部分は戯曲の水面下に潜む要素となり」と書いているように、執筆過程で大きく変わったらしい。「被災地をドラマの都合、感動の材料にしない」と心がけた結果のようだ。

     赤堀作品は初めて見た。「芝居」的な大げさな誇張や作為を極力排す作風らしい。舞台上で、素でいてくださいと。出演のベテラン俳優にとっても普段と勝手が違うというが、見ながらあまり特別フツウには感じなかった。平田オリザの舞台を見慣れているからかもしれない。そういえば、二組の会話を同時に進めて、聞き取りにくい場面など平田オリザのようだと思ったところがあった。ただ、言われてみれば、平田満や銀粉蝶など、もっと柔軟に動ける俳優が、ただぼーっとしている動きが多かった。それはそれでよかった。
     舞台セットが、森の中、保の自宅、居酒屋、片岡家の庭、防潮堤の下と、全く違うものを5つも、それぞれリアルに作り込んだものを転換させていて、その美術の方が印象的だった。けっこう大がかりな転換だが、回り舞台ではない。ひとつのセットを4つか5つの大きめのパーツにし、それぞれが車輪で動くようにして出し入れし、スピーディーで感心した。

    ネタバレBOX

    主役の向井理演じる青木保が、猿対策の自警団にのめり込み、「狂ってる」といわれるほどエキセントリックな部分がある人物で、感情移入しにくい主人公というのは一つの特徴だった。かれが、最後に、目が覚める、我に返るところに、この戯曲のポイントがある。ここにはそれだけ書いておきます。

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