治天ノ君【次回公演は来年5月!】 公演情報 治天ノ君【次回公演は来年5月!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
21-40件 / 44件中
  • 満足度★★★★★

    時代の鑑
    象徴であるため、良くも悪くもその時代を映す存在で、その存在を「目的」とするか「手段」とするか、為政者の思惑も大きなファクターとなる。そしていま、きな臭いこの時代にこの象徴はどのような役目を果たすのか。
    今を生きる人間として、しっかり見届けたい。

  • 満足度★★★★★

    傑作
    本の着眼点や構想も素晴らしいが、無駄を省いて省いての演出が、より一層、その時代の空気や想いを濃厚に、仕上げることに、成功している。
    役者陣の眼差しや佇まいが饒舌で、逃れられない宿命だけでなく、民や家族、共への愛の滲ませ方が秀逸。
    見る側に、とても深い余韻を残す、傑作でした。

  • 満足度★★★★★

    人間として・・・。
    西尾さんの大正天皇にとても親しみを覚え、その孤独と苦悩と使命感にうたれました。そして、松本さんの皇后の気高さと思慮深さ、温かな心が、天皇の孤独な生活の光だったと感じました。
    出演されていたキャスト皆さんが、その役を生き、その時代を生きていました。

  • 満足度★★★★

    文化の日に観られてよかった
    ロシアを含む長期再演ツアー。歴史から消された大正天皇の姿をその妻の視点から描く。わかりやすい娯楽作で史実を観客に届ける姿勢と、座付き劇作家の古川健さんご自身の主張が核にあることに好感。「文化の日を明治の日に」なんて愚かな運動がある今、上演に感謝。

    ネタバレBOX

    「大正天皇はもともと脳の病気を患っていた」という虚偽報道があったとは。脳の病気を発症したのは即位して数年後。それまでは病弱とはいえ健康だったと。自分は歴史の教科書に騙されていた。
  • 満足度★★★★

    みてきた
    紀保さんはもう皇室にはいっていただきたいような佇まいでした。

    ネタバレBOX

    大正天皇と大隈の靴が黒かったのが最初違和感ザクザクだったのだけれど、時代考証の結果かしら。そこにだけ目がいってしまわないように一応ネタパレにしてみました。
  • 満足度★★★★

    見てきました☆
    とても重厚なお芝居でした!  天皇の椅子がとても立派で印象的! 
    大正天皇について まったく知らなかったので、 いろいろ勉強になりました。
    あとで 詳しく調べてみたくなりました。 

    ネタバレBOX

    たしかに素晴らしかったのですが、 個人的にはもう少し楽しめるお芝居が好きなので、 満足度としては 5つ星はあげられません。  
    でも年間アワードで何度も一位を獲得しているということで、多くの方々は、 こういうお芝居が好きなんでしょうね~  
  • 満足度★★★★

    意義深い作品
    偶然、明治節(11月3日)での観劇となりました。
    変わらずのクオリティの高さで、感服することしきりです。特に明治天皇の演技が素晴らしい。(全員、うまい役者さんではありますが)
    初演の時よりも大きな劇場での上演となって、役者さんとの距離が離れてしまったのが残念。じっくり見せる演技なので、小劇場のほうがもっと良かったな、と思いました。デハケの多い芝居なので、動線も長くなりましたし。
    ともあれ、皇室、特に大正天皇を描いた作品は希少であり意義深く、今後も繰り返しの再演を望みます。

  • 満足度★★★

    期待してたのと違った。
    脚本、演出、役者の動きや舞台美術まで、徹底してそぎ落とした作品に圧倒されましたが、それほど面白いかと言われたらそうでもありませんでした。
    みなさんの評価があまりに圧倒的に高いためにこの意見を言うのに勇気がいるけど、一つの見解ですのでコメントさせていただきました。

    ネタバレBOX

    大正天皇を描こうとする時点で相当のオリジナリティだし、舞台でしかできない題材だと思います。また、そんな激動の時代の天皇を表現するのに、徹底してそぎ落とした人物、エピソードなど、驚くべき構成でした。
    ですが、これが面白かったのかと言われたら別にそうでもありませんでした。
    というのは、結局この作品、「こういう状況でした」という状況がすべて歴史上で起こった「史実」だからなんだと思います。
    つまり、主人公の感情をもとに展開された作品ではない、という意味です。
    この構成は理論上はドラマというよりは朗読劇に近い感じがしました。
    だから私にとっては「期待と違ってドラマチックじゃなかった」となったのだと思います。
    一見の価値は見出しましたが(見て良かったと思う)、それと感動したかというのは別、という意味です。
  • 満足度★★★★★

    孤独な職業
    2013年の初演で衝撃を受けたあの作品にまた会えることが嬉しい。
    明治・大正・昭和の“時代を丸ごと担う天皇という職業”の過酷さと孤独が
    厳選された台詞と、側近たちの的確なキャラ造形によって浮き彫りになる。
    お辞儀の雄弁さをこれほど感じさせる作品を私はほかに知らない。
    原敬、四竈、有栖川宮のお辞儀には深い慟哭があり、どうしても涙が止まらない。

    ネタバレBOX

    舞台空間は大きくなったが、初演とセットはほぼ同じ。
    舞台上手奥から下手・手前に斜めに向いた玉座と、
    玉座から真っ直ぐ伸びる赤いじゅうたん。
    ここで天皇家親子の確執、時代を読んで蠢く側近たち、
    そして大正天皇の人柄を愛し、彼のために尽くそうとする人々が交差する。

    物語の中心に立ち、すべてを見渡して語るのは皇后節子(松本紀保)。
    明治天皇の「天皇は神である、人情を捨てよ」というスタンスと
    その強力なプレッシャーの中で新しい天皇像を模索する大正天皇、
    “明治の再来”を推進するため、父大正天皇を追い落としにかかる昭和天皇、
    という3代の天皇がくっきりと描かれる。
    彼らを取り巻く側近たちの思いもリアルで、原敬(青木シシャモ)や四竈(岡本篤)の
    大正天皇に対する敬愛と無念さに、泣けてならない。

    明治天皇役の谷仲恵補さん、感情を排した硬質な台詞が続いたあと
    後半で微妙な親心を滲ませるところが際立っていた。
    西尾友樹さんの大正天皇は、国民と共にありたいという真摯な姿勢と生来の明るさが
    病を得て尚伝わってくる繊細な演技が素晴らしい。
    冒頭台詞を言いながら動き回り過ぎる印象もあったが次第に落ち着いた。
    初演の時よりも障害を負ってからの身体表現や
    言語障害の表現は少若干抑えられたか。
    昭和天皇役の浅井伸治さん、側近の提言にたじろぎながらも
    父大正天皇を追い落として天皇の座に就く辺りから
    あの”ヒロヒト”に見えて来るから凄い。

    松本紀保さん、立ち姿と所作の美しさは言うまでもないが
    庶民とは別の次元の美しい台詞を違和感なく発する気品はこの方ならでは。
    語りと皇后役の切り替えも無理なく自然で、作品の要として素晴らしい。
    今回皇后の語尾の置き方(テンポと音程)がちょっと気になったけれど
    あの時代の皇室独特の言い回しなのかもしれない。

    キャスティングのはまり方が素晴らしいのでこれ以外の配役が考えられない。
    フィクションであると判っていながら、新しい歴史認識を提示するようなリアルな感触。
    ひとりの歴史上の人物を、これほど生き生きと立ち上がらせる
    演劇の力と可能性を改めて再確認させてくれる作品だと思う。
    それにしても、日本にひとりしかいない、誰とも共有できない責務である
    天皇とは、何と孤独な職業なのだろう。
    再演に心より感謝します。

  • 満足度★★★★★

    2日目観劇
    初演観劇済みだが、劇団の持つ質の高さを確信した一作。初演時の感動をが忘れられず「再演」の一報を目にした時から観劇日を心待ちにしていた。また感想をあげるのも蛇足のような気もするが、すでに観劇済みの皆さん同様、今回も感動したのは確か。
    初演の駅前仕様の舞台セットから、少し広めのトラム仕様になった(がセッティングにはあまり変化ない)事や側近の所作など多少の変更はあった気もするが、場面の改変などはあまりなかったような気がする。

    天皇一家の家庭劇、と例えるのも変だが、与えられた運命の重さに身構え、フィクションでありながら、さながらノンフィクションの舞台を見ているかのような錯覚。奇しくも前回と同じ場面から涙がつらつらと。
    話の重厚さから身体の芯から硬直しそうになるが、見飽きる事なく物語の中に入り込ませた話の巧みさに、140分近くがあっという間に過ぎる。良舞台を見せて戴き、感謝。

    全体を見たい場合、上手側からの観劇が良いかも。

  • 満足度★★★★★

    最後列だったけど・・・
    面白かった。席は最後列だったけど、グイグイ芝居に引き込まれた。
    内容が内容だけに途中で飽きるのではと心配してたけど、いろんな人の感情に引き込まれた。あの方の事も勉強してみようかな
    演劇の面白さ、硬い内容でここまで面白いとは・・・

    ネタバレBOX

    大正天皇のあの話は聞いたことあったけど・・・
  • 満足度★★★★★

    演劇作品の成長
    もちろん3年前も観ましたが、また違う落ち着きというか品格というか…とにかく「礼」の仕方から「立ち方」から、もうね、いいんですよ。考えながら観る演劇。面白いかったです。観劇直後はただただため息と「良かった」の言葉しか出ませんでした。出会えてよかったありがとう。

  • 満足度★★★★★

    感動
    天皇家に生まれた為にその人生は稀有なものであったのだろう。
    生まれた時代には早すぎたが、開けた考え方をした大正天皇に親しみを覚えた。途中何度も涙が出そうになり堪えるのが辛いほど。
    良い役者さんばかりなので発声が素晴らしく舞台中に響き渡り見ていて感動したほど。
    他の方も賞賛していたが特に松本紀保さんが素敵だった。
    またぜひ見たいと思える舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    自由に芝居が掛かる時代に感謝
    ちょっと『リチャード2世』を思わせる政治・歴史劇ですが、「天皇」が家業である家庭の物語でもあった。時折、客席からすすり泣きが聞こえてくるほど、普通に感涙を誘うのが馴染みの薄い人(当時は神)だけに、自分には意外な感じがした。台本の作りが、また秀逸な演技がなせる技であろう。ただし、舞台上は、過去を振り返る凛とした皇后(松本紀保)の存在が、全体の目線を乾いたものにし、クールであった。上つ方だけの世界を描いていて、同時代を生きた臣民を思うと、悲しみ、やるせなさを感じないわけでもなかった。

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    劇団チョコレートケーキの「治天ノ君」を観劇。

    わずか15年で退位した大正天皇の生涯を、皇后の目を通して描いている。
    父・明治天皇から不肖の息子と言われ続けながらも、帝は常に神の存在になくてはならないという父の教えに苦悩する。
    そんな中でも西洋の価値観を学んでいけばいくほど、新しい皇室のあり方、開かれた皇室、世界での日本の立ち位置などを変えようとしていくのだが、生まれついた病弱な体質の為に大病を患い、無念の上、息子・昭和天皇に退位させられてしまうのである。
    当然誰も知る事がない内部事情の話なので実話ではないのだが、日本がこの時代から本格的に変わっていく様が、皇室という目を通してダイナミズムに描かれている。
    大正天皇が自ら問いた疑問「天皇の存在とは何なのだ?」というのがテーマであり、その疑問を大正天皇と一緒に観客が考えていけるのが今作の面白さだ。
    天皇が神の存在であるという事を時代が変わっても守り続けようとする皇室と宮内大臣たち。そこに一矢を放った大正天皇の行動こそが、今の日本の皇室のあり方を変えていったと言っても過言ではないだろう。

    初演時には大喝采を浴びたようで、今作は3年ぶりの再演なのだが、全く色褪せてない傑作である。

    個人的には今年氏のベストワンである。

    お勧めである。
  • 満足度★★★★★

    骨太・重厚作品…素晴らしい!
    「天皇とは何か」劇中の台詞である。多くの臣下はその問いに答えられない。大隈重信だけが…。シンプルな舞台セットであるにも関わらず、骨太な内容を濃密な会話で紡いでいく。謁見の間であろうか、その場は緊張感に包まれているが、役者は生き活きと演じている。その一言ひと言の台詞に史実(フィクションと説明)が透けて見えてくる。明治はもちろん、大正時代も遠くなったと思っていたが、最近11月3日を「明治の日」にしようと祝日法改正運動が進められているらしい。
    本公演は、戦争と平和、天皇家における父親と息子、さらには疾病への偏見(新聞報道)など、現代に通じる問題提起をしている。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、背凭れに菊の紋が入った椅子(玉座)、床に斜めに敷かれた緋絨毯が色鮮やか。上手側・下手側に出入り口、客席花道も利用し奥行き感を作り出す。

    物語は大正天皇が皇太子の時から、後の昭和天皇になる皇太子裕仁が摂政に就くまでを中心(1900年頃から1921年頃)に、その間に東宮輔導・有栖川宮威仁との親交、九条節子との結婚などのエピソードを交え、「天皇」を全うする姿を力強く描いた秀作。シンプルな舞台ゆえに、役者の演技力が重要であるが、全ての登場人物がその立場・役割を体現しており、圧倒的な存在感は観客(自分)の心を揺さぶる。明治天皇の感情を持たない姿、一方大正天皇の人間天皇に近いイメージの対比が国家・時代の違いを際立たせる。
    大隈重信曰く「(明治)天皇」とは近代日本が列強に対抗するため「神」として祀り上げた神棚のようなもの。奉るが拝みはしない、と辛辣に言い放つ。舞台は骨太い、重厚という雰囲気であるが、その中に反骨精神も垣間見える。

    皇太子裕仁によれば、父(大正天皇)は早く生まれすぎたかもしれないと。摂政(大正10年)から僅か25年で皇太子(昭和天皇)自らが”人間宣言”することになろうとは...。明治と昭和に挟まれた15年という短い期間(時代)、それは天皇の人柄を反映したかのような落ち着きと自由・解放さ、”大正デモクラシー”という言葉が表しているようだ。

    暗君と揶揄され、明治・昭和天皇のように誕生日(生まれたこと)が無かったことにされる。後世の国家・政治的な思惑で作られた偶像とも観て取れる。
    このような狭間(はざま)時代と取り上げにくい「天皇」を題材にする勇気というか大胆さに驚かされる。国家は体制・権力を守ることに専念し、人は歴史の中に消えていく。それは「天皇」であっても例外ではないのかもしれない、と強く感じつつ、改めて現代の色々な問題を考えるきっかけになった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    治天ノ君
    トラムのベンチ席で二時間半休みなしは拷問かと思っていたが、俳優熱演でこの劇場ではそれがよく見え面白かった。天皇家をホームドラマで見せるという卓抜なアイディアでそれが現代史の根幹にかかわっているところが素晴らしい。もっとも私は政治的テーマにつられないよう、気をつけて見た。どの家でもタブーはあってそれを抱えながら肉親の関係はできていくのだ。そのドラマを的確に見せた脚本と俳優陣、ことに大正天皇夫妻は特にすばらしい。松本紀保のうまさとガラがこのように生かされた舞台は初めてだろう。間違っても肉親の情につられて帝劇なんか出るな!

  • 満足度★★★★★

    もし大正時代が長ければ…
    日本は今どうなっていたのだろか?
    昭和の帝国主義が先の大戦を招いたのだとしたら…?
    或いは、大正のゆるゆる感に浸った日本を列強が根こそぎ奪ってるとしたら…?
    本作を観た後に90年程過去の分かれ道の一方がどこへ繋がっていたのかを思わずにいられなかった。

    帝王・帝国思想の再現の為の手練手管の描かれ方が直截的で、大正天皇の葬られ方がかくあったのかと驚愕した。

    この国の来し方を考えさせられる作品であった。

    昭和の到来が軍靴の足音のごとく聴こえたのは自分だけではないだろう。

    また、この時期の再演によって、今”同情””哀れみ”といった感ですすめられている生前退位の実現に大きく疑問を感じざるを得なかった。

    しかし、松本紀保の存在が素晴らしかった。
    品の良さ、気高さ。感服しました。立ち姿の美しさに心を奪われました。

    演出に関しては、さらにもっと動きを我慢する術もあったのではないかと思う。
    むしろそうすることでの宮家を巡る人々の心根を深くひょうげんでき得たのではないだろうか?

    いずれにしても、演劇というよりドキュメンタリー志向の、しかしやっぱり演劇的な不思議な良作に出会えたことは嬉しい体験だった。

    蛇足:常連客(?)の俳優T.T うるさいです。自分だけの場ではないのですからマナーを意識し、同行の方のマナーにも気を遣ってください。

  • 満足度★★★★★

    やはりスゴイ
    3年前に駅前劇場で上演された話題作の再演だが、初演は観てない。大正天皇という、少し目立たない存在に焦点を当てて、それを様々な立場から描く140分は全く飽きることなく、ほぼ緊張感の中で淡々と進む。松本紀保の存在感が見事だが、感情をほとばしらせる場面の岡本篤もステキだ。評判通りのスゴサで、堪能した。

  • 満足度★★★★★

    ハードルが兎に角上がっていて、
    五つ星が当たり前の状況で、やっぱりいいね。
    後半の盛り上がりが凄い!

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