カタルシツ『地下室の手記』 公演情報 カタルシツ『地下室の手記』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    自虐的行動過ぎて・・・。
    救いようのないダメ男なのに、どこか自分と重なるのは、私がダメ女だからでしょうか?舞台には1人しか居ないのに、何人も登場してくるスゴイ作品でした。やっぱり観に行って良かった!!

    ネタバレBOX

    安井さんの独白なのか、芝居なのか、始まりの境界線が不明瞭なまま、芝居の世界へ誘われた感じでした。

    よくもそこまで…と、ため息が出るほどの妄想壁が自分とも重なる。
    私もたいがいイタイ女なので~と、ネガティブな気持ちになって観てられない(>_<)
    自分の中にいる、出てきて欲しくない部分を引き出してくれました。
    そして、まぁみんなそんなものなのかも…と、私だけではない人間の本質を知って安堵。
    自虐的すぎる行動には、笑いが出てきてしまいますね。

    安井さんの休みなし長時間の演技にすごいなぁ~と感動!!

    ダメ男が語る、「ある女」は実は妄想の中にしか居ないのかも?なんて想像できるように作られているところが更に残酷。だけど、「ある女」はちゃんと居たと思いたいです。でないと、救いがない(笑)

    そして、終演後に会場の近くの繁華街ではラリッているダメ男がいた。

  • 満足度★★★★★

    予想以上に良かった
    一人舞台で、再演っと言うことなのであまり期待していなかったけれど

    集中が切れずに、最後まで惹きつけられる舞台でした。

    ネタバレBOX

    出来れば、ニートがキレルシーン、もっとブッチ切れて欲しい。

    原作の本を読んでみたくなりました。

    再々演が、あれば観ます。
  • 満足度★★★★

    ぼっちの主張
    舞台上には主人公一人なのに、10人近くの登場人物が出るわ出るわ。ネットの向こう側と観客。
    年齢的に孤高の中年が発する罵詈雑言から一言一句まで、終いには予想外に響いてくる。世の中、情報過多だし意見左右されやすいし生きづらいわなぁ。
    安井さんの役者の力量も面白かったです。

    ネタバレBOX

    根元のドフトエフスキー作の世界観も崩すことなく表して、再演だけど初演時とセリフや流れに目立つ変化はなかったように思うが、導入の冷静さな運びから舞台の世界に入り浸った。
  • 満足度★★★★★

    イタイ。イタ過ぎる自分・・・。
    私は、前回初演を観て、あまりの衝撃に即その年のベスト1に決定。

    初演では、モノローグに登場する若い女を演じる女優が共演した2人芝居だった。
    今回はその部分も男が語る一人芝居に変化。
    もともと「経験談を語る話」なので、本作の本質と原作により近づいたと言える。
    女優により演じられた「観ている中での「救い」の部分」「逃げ場」がなくなって、より鋭くなった。

    ネタバレBOX

    地下室に籠り、社会とのかかわりを絶つことにした40歳の男のモノローグ。
    男は、なぜそうなったかを、動画サイトに語りかけ生中継する。
    舞台背景の壁・カーテンには芝居の進行に合わせて、
    ネット上の書き込みがリアルタイムで映し出される。
    これがまず面白い試みです。
    タイミングが微妙にずれることもありますが、演技とタイミングが合うと
    爆笑も誘い、書き込み自体は意外と「しんみり」共感やもちろん罵声、
    身勝手な中傷も少しあり。

    ドストエフスキーによる原作は、最初、設定のみ引用したのものかと
    思いましたが、あらすじなどをネットで読むと、時代と具体的なものを
    現代日本に差し替えただけで、想いや考え方を述べる内容は々部分が
    多そうで、最も大事な部分も含めて忠実なのだろうと思います。
    そこが凄い!

    主人公は変化を恐れ、結局社会とかかわることができず、
    なぜ生きているのか、本当に生きているとは言えないのではないか。
    聞きたくもないだろうが、これはまさしく自分のことだと、
    前回にもまして、そう思い知らされる。
    痛すぎる。
    原作が書かれたのはいつだ?
    当時に今も変わらない本質を書いたドストエフスキーが凄いのか?
    それとも、その頃から変わっていない「今」は何なのだ?
    深過ぎる。
  • 満足度★★★★

    面白すぎだろう!
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    イキウメの【地下室の手記】を観劇。

    原作はドストエフスキーになっているが、設定のみ使用した感じのようだ。

    そして安井順平の独り芝居。

    社会生活から逃げ出した独身男性の地下室での勝手な独白。
    そこでは社会の不満、人間関係の矛盾など今までの人生経験から感じた事を我々観客に訴えかけている。誰もがなるほど、なるほどと最初は思うのだが、少しづつ彼が言っている事と現実社会での彼の生き方に大きな食い違いを感じてくるのである。
    そして彼の人生そのものが日和見的、八方美人、風見鶏的な生き方で、実人生を生きてないのが分かってくるのである。やや本谷有希子的な自意識過剰な人間?とも言えなくないが、それ以下ですらあるのである。
    そして彼自身が偽りの人生を生きているのを分かっていながら、変えたいが変えられない状態であり、「そんな自分は糞だ!」と自らを蔑さんですらいるのである。
    しかしそんな彼にもソープ嬢を悪の手から救い出して、人生が変われる瞬間があるのだが、結局逃げてしまうのである。
    そしてまたもや「自分は糞だ!」で終わってしまうのである。
    結局、彼の人生とは何だったんだ?と疑問を残しながら終わってしまうのだが、前作の【新しい祝日】で自分の実人生を生きられない、社会の波に呑まれて、気がつく事すら出来ないサラリーマンの悲愁を描いていたが、今作も全くの同様だ。
    ただ今作では、前作の自分の実人生の問いかけを超えた、更に先の問いかけを我々に投げかけていたようだ。

    まぁ、但しこの感想はあくまでも後づけのようなもので、芝居時代がかなりの糞で、面白すぎて、観ている最中は観客の誰もが全く自分の実人生について考えないというのが今作の最大のオチである。

    独り芝居の傑作である。

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