満足度★★★★
七ツ寺プロデュース「オープン、ベケット!」観ました
ベケット短編戯曲を、東京・愛知の演出家4人で連続上演という、どこの利賀ですか静岡ですかアトリエセンティオですか(懐かしい)と問いただしたくなるような、ディープな企画。
(順番は上演順です)
【 『あのとき』 澄井葵(,5) 】
・微妙な照明に酔う…暗闇に浮かぶ顔のディティールが秒単位で変化している、ように錯視させられる。この中では一番のお気に入り(あくまでも自己の美意識に基いて)
【 『カタストロフィ』 赤井康弘(サイマル演劇団) 】
・一見、清水邦男『楽屋』のよう。一番分かりやすく笑えるが、本当は時代背景があるらしい ?
【 『オハイオ即興劇』 新見真琴(ハーフムーン・シアター・カンパニー) 】
・老いた男の語りが、なんだか悲しい…ヨーロッパの銅版画のような光景。
【 『行ったり来たり』 渡山博崇(星の女子さん) 】
・ビジュアル面では一番きれい。女性の残忍かつ社会性をたんたんと見せる…
どれも、語りの力で立たせる舞台。
観客の賛否両論(+理解不能)の意見がはっきり分かれたこの公演、はっきり言って、どれもこれも優しくありません。(私もあきらかに、正確に把握・理解できてない)
難解過ぎて逆に面白過ぎww
観客なら3~5年後、舞台人なら1~3年後に、自分なりの答えが見つかれば上出来かと思える舞台。観劇レベル上がりそう。
初心者は、「ゴドーを待ちながら」を、有名な戯曲の意味を読み解くつもりで観るよりも、こういう短編集を、それこそ日食とか珍しい自然現象でも観察する気分で観た方がいいのかも。
満足度★★★★
アフタートーク、ありがたし
ベケット作品自体は初めてではないので、ある程度覚悟はして観劇したのですが、やはり難しいの一言につきます。特に短編でブラッシュアップされているが故か、余分な情報がなく、個々の予備知識0の初見では分かったつもりにすらさせてもらえませんでした。そんな体たらくですので、アフタートークでの解説が大変ありがたかったです。演出家の工夫なども聞かせてもらえて、最後にやっと作品を味わえた感じです。本当は公演自体から味わうべきなのは承知していますが、恥ずかしながら、そのぐらいは下駄履かせてもらえないとベケットは消化できませんね・・・
満足度★★★★
4編の共鳴を体感した
4作品を別の演出者による構成とのことで、
それぞれバラエティ豊かな作品を期待。
登場者のモノローグ的な展開が中心で、
いわゆる芝居の面白さというより、
静謐な雰囲気に引き込まれました。