『宇宙論☆講座の日本一!ミュージカル桃太郎《同時上演・ミュージカルかき氷》』
3月9日(月)20時開演の回は、特別上演「なにもない空間」です。料金は通常回と同じです。
バラシ(演劇の業界用語。公演最終日または撤収日の壮大な片付けのこと)が済んだあとの、あとは小屋付きさん(劇場のかた)に引き渡して退館するだけの状態の劇場で上演をします。
音響も照明もない。衣装も小道具もない。幕もない。机も椅子も美術セットもない。楽屋もない。当パンもない。物販もない。折り込みチラシもない。ミュージカルですが楽器もマイクもない(それで演奏者や歌い手は本番一体どうするのか? それは人力でどうにかするのです。だってそうするしかないから)。
かき氷機も撤収済なので、希望者にはガリガリ君を配ります。
演劇って、人間以外が全部ないとこうなるのか! でも人間がいればまあ成り立つのか!という当たり前のことを、実地であらためて確認する学びのための回であり、好事家以外にはおすすめしません。
通常回を観てからリピートで観るのなら、比較鑑賞という意味でそれなりに楽しめると思います。
千秋楽(公演最終日)に突然、そこまで履き重ねていた下駄をすべて脱がされる宇宙論☆講座。
それを観ていただくというわけです。そういう見せ物だと思ってください。
では音響や照明や、衣装や小道具、楽器やマイクや、暗幕や袖幕(登場してない状態の俳優の身の隠すための)や舞台セットや大道具や、化粧やメイクなど、そうしたものは演劇(ミュージカル)にとって「下駄(履かされた)」なのでしょうか。といえば、それは「下駄(履かされた)」なのかもしれないです。ということに、ここではしたいと思います。
例え話ですが、いくら足元が寒いからといって靴下を何重履きにもすれば、むしろ血行が滞って体は冷たいままです。逆に裸足になってそのへんをひたすら駆け回ったほうが温かくなるかもしれないし、そうなったときに初めて表れる人間のすごいパワー! みたいなものがドーン! と現出する。そういう宇宙論☆講座が見れるかもしれません。
(あっ!裸でやるということではありませんよ。着の身着のまま、ありのままでやるということです。例えば服は、役者全員が普段着で、着てきた私服そのままでやります。あと「なにもない」といってもエアコンの稼働はありますから、観劇中寒い!ということはありません。エアコンは設備でありこの場合、劇場の一部と考えます。とにかく「劇場」と「俳優」と「観客」のみが在る状態です)
ただただ、視覚・聴覚とも(通常公演に比べたら、ひたすらに)地味ですし、「しょぼい」となるのは必至です。
しかし人間の力を侮ってはいけません。観劇習慣のある方にはもちろん、あんまり演劇(ミュージカル)は普段観ないなという方にも、なんとなく感覚としては理解してもらえるのではないか(どうだろう)とも思うのですが、そうです、演劇(ミュージカル)は、上演する私たちと、観てくださるあなたとの、共同作業によって成り立つ芸術なのです。
だから人間の「演技」を、「演技」そのものを、「演技」だけを見てください。こちらはただただ「なにもない空間(バラシ終えてあとは小屋付きさんに引き渡して退館するだけの劇場)」で、ただただ「演技」だけを見せます。だからあとは、あなたの「想像力」で完成させてください。
一緒に作りましょう、千秋楽の『宇宙論☆講座の日本一!ミュージカル桃太郎 ~抜粋上演・鬼ヶ島へ渡るシーン(のみ)~ 原作/日本のおとぎ話・桃太郎より《同時上演・ミュージカルかき氷》』を。
という、そういう試みでもあるわけです。
肝心の「演技」そのものは抜群に仕上がっています。なんせ本番を10ステージやったあとの最終ステージなのですから。そして1日1回のみ上演という、俳優の体力に非常に配慮がなされた公演日程。みんなエネルギーも漲りきっています。
なので、ここで奇跡が登場する可能性はあります。演劇に「演技」以外いらなくね? いや! いらないじゃん! の考えの人になってしまう(あなたが急に)恐れさえあります。そういう怖いことをします。
積み上げたものぶっ壊して、身に着けたもの取っ払って、全力で少年になるしかない宇宙論☆講座を観てください。という、ふだん絶対にしないJポップの歌詞の引用めいたことをして何かのごまかしを図りたくなるくらい、実は、上演する私たちとしては、今から本当に怖いです。
本当に興味ある人だけ観にきてください。一緒に千秋楽を作りましょう。
終演後、劇場を小屋付きさんに引き渡して、私たちもお客さんと一緒に退館します。
あと、このシステム(最終日バラシ終えてのダメ押しのあと1公演。スタイル)、成功した場合は流行らせたいと思います。
なのでこれ、実際に上演を観て「ありじゃん!」と思ったら、喧伝・盛り上げにご協力ください。
「日曜バラシと精算で、次の団体の小屋入りが火曜だと、月曜の空き日程を遊ばせがちになることが多いな」という小屋主(劇場)の皆さまや!
「月曜だって公演やれるもんならやりたいわ!」という劇団さん、主宰者さん、プロデューサー、出演者(俳優)の皆さまや!
なにより、「仕事とかの関係で月曜だと観やすいんだけど、月曜ってあんま演劇やってない」という演劇ファン(観客)の皆さまのために!
そう、これからの演劇は、最終日の特別上演「なにもない空間」が来ます。