東京ドームで轟音鳴らしてやるようなイベントではないし、ロンドンでもないし、ニューヨークでもないし、すごく普通の、新宿のちいさな地下室で行うたった一週間の催し物だけれど、これは、参加する価値があるように思います。例によって、感性を持って臨んでいただければ、一生心に残る風景になるように思うのです。末原拓馬は、脚本演出と言う立場で、もちろん、語るのもやります。麻旅子さんとは、本来ならば緊張して口もきけないような関係性で出会ったのに、初めて会った時に明け方まで延々語り合い続けたことを覚えています。気が付いたら終電を逃していたんですね。しかも、「あ、逃しちゃった」とかじゃなくて、数時間、とっくに逃してたんですね。驚きました、あのときは。なんというか、彼女の写真からのインスピレーションは無限で、どんなにスランプな時だろうが、こっちの感性が勝手に働き出す。ああ、なるほどと気が付くのだけど、まさしくコラボレーションです。ただ、とめどなくいろいろ思いつくし、感じ続けることになるので、体力の消耗も激しい。それも含めて、作品になるという感じがするんです。三浦麻旅子と言う写真家が、なんだかもう、写真家としてひとつの作品に感じるんですね。それが、どうにも興奮で。
麻旅子さんの写真からのインスピレーション、拓馬くんの言葉を発する為の身体、そしておぼんろのメンバーが作り出す世界
また新しい私がそこに生まれることが、楽しみです。