神奈川県民ホール開館50周年記念オペラシリーズVol.2
神奈川県民ホール開館50周年記念オペラシリーズVol.2
実演鑑賞
神奈川県民ホール(神奈川県)
2024/10/05 (土) ~ 2024/10/06 (日) 公演終了
上演時間: 約1時間50分(休憩なし)を予定
公式サイト:
https://www.kanagawa-kenminhall.com/lohengrin/
期間 | 2024/10/05 (土) ~ 2024/10/06 (日) |
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劇場 | 神奈川県民ホール |
出演 | 橋本愛 |
脚本 | |
演出 | 吉開 菜央、山崎 阿弥 |
料金(1枚あたり) |
4,000円 ~ 10,000円 【発売日】2024/07/07 全席指定(税込) 開館50周年記念割引チケット:5,000円 (S席エリア/1階前方、お取り扱いはチケットかながわのみ・枚数限定) 【完売】 SS席:10,000円【完売】 S席:8,000円、A席:6,500円 3階席:4,500円(一部舞台装置が見えづらい可能性がございます。あらかじめご了承くださいませ。/お取り扱いはチケットかながわのみ。) 学生席:4,000円(24歳以下、お取扱いはチケットかながわのみ) |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 2024年10月5日(土) 17:00開演(16:30開場) 2024年10月6日(日) 14:00開演(13:30開場) |
説明 | 月夜と瓦礫 この世の中には二種類のものがある。ひとつは確固とした輪郭と重みを持ち、硬い殻に覆われたもの。もうひとつは、おぼろげな輪郭のなかで常にかたちを変えてゆく、壊れやすくも儚いもの。 イタリアの作曲家、サルヴァトーレ・シャリーノが扱うのは、常に後者である。そこではあらゆることが曖昧なまま推移し、夢と現実のあいだをふわりと浮遊する。そのもっとも顕著な例がオペラ「ローエングリン」だろう。 決して名を問うてはいけない白鳥の騎士の伝説。どこか日本の「鶴の恩返し」にも似た話だが、この物語をロマンティックなオペラとして提出したワーグナーに対して、劇作家ラフォルグは徹底的にそれを茶化した短編を書いた。シャリーノがオペラのテキストの土台に据えているのは、この短編である。しかも、なんと彼は登場人物をヒロインのエルザひとりにしてしまった。 伝説→ワーグナーのオペラ→ラフォルグの短編、という連鎖が、ただエルザというひとりのなかに封じ込められているわけで、当然の成り行きとして、物語はバラバラに解体されている。ただ「さびしい」「おかしい」「くるしい」「いとしい」「くやしい」といった小さな感情の断片が、声にならない声として、途切れ途切れに響くのみ。普通の人から見たら、これは狂気にしか感じられないだろう。 しかし、月夜のなかでさまようエルザは必死なのだ。彼女は、この世界のなかで壊れやすい何かをつかもうとしながら、失敗し続ける。その過程を描くことがオペラの目的だと言ってよい。 オペラの前に演奏されるシャリーノの近作「瓦礫のある風景」も、基本的にはよく似た構造を持っている。ショパンをはじめとする音楽史のさまざまな断片――すなわち瓦礫――が散乱するなかで、まるで自然の音のような、あるいは雑音のような響きが鳴りつづける。しかし注意して耳を傾けるならば、そのなかに一筋の叙情が流れていることが感得されよう。 2024年10月、横浜。月夜のなかに瓦礫がうっすらと輝く風景を、ぜひ観にきてほしい。 【プログラム】 ※公演時間が当初予定より変更になっております。 「瓦礫のある風景」(2022年)[日本初演]<約20分> nPaesaggi con macerie(2022)per ensemble 1.Vento e polvere k.Frantumi 3.Cancellazione 初演:2022 年11月3日 ヴィリニュス(リトアニア) 作曲:サルヴァトーレ・シャリーノ 指揮:杉山 洋一 ― 休憩(25分程度を予定)― 「ローエングリン」(1982-84年)[日本初演/日本語訳上演 *一部原語上演]<約60分> Lohengrin(1982-84)Azione invisibile per solista, strumenti e voci 原作:ジュール・ラフォルグ 音楽・台本:サルヴァトーレ・シャリーノ 修辞:大崎 清夏 演出・美術:吉開 菜央・山崎 阿弥 初演:1984年9月15日 カタンツァーロ(イタリア) (初版初演:ミラノ1983年1月15日) 作品構成:プロローグ、第1~4場、エピローグ 指揮:杉山 洋一 出演 エルザ役:橋本 愛 |
その他注意事項 | |
スタッフ | [振付]柿崎 麻莉子[照明]高田 政義[音響]菊地 徹[衣裳]幾左田 千佳 [副指揮]矢野 雄太[音楽アシスタント]小松 桃、市橋 杏子、眞壁 謙太郎[演出助手]田丸 一宏 [スタイリング]清水 奈緒美[ヘアメイク]石川 ひろ子 [舞台監督]山貫 理恵[ステージマネージャー] 杉浦 友彦 [プロダクションマネージャー]大平 久美 [制作]神奈川県民ホール、山根 悟郎、坂元 恵海 [宣伝美術]撮影:TOKI チラシデザイン:畑 ユリエ スタイリスト:清水 奈緒美 ヘアメイク:石川 ひろ子 衣装協力:tanakadaisuke [県民ホール・音楽堂 芸術参与]沼野 雄司 [名誉芸術総監督]團 伊玖磨、一柳 慧 |
この世の中には二種類のものがある。ひとつは確固とした輪郭と重みを持ち、硬い殻に覆われたもの。もうひとつは、おぼろげな輪郭のなかで常にかたちを変えてゆく、壊れやすくも儚いもの。
イタリアの作曲家、サルヴァトーレ・シャリーノが扱うのは、常に後者である。そこではあらゆることが曖昧...
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