期間 |
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/02 (日)
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劇場 |
GALLERY ELEVATOR(小倉・魚町三番街中屋ビル内)ほか
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出演 |
下田寛典、中澤大輔、吉田能、ほか |
脚本 |
石神夏希 |
演出 |
石神夏希 |
料金(1枚あたり) |
1,500円 ~ 1,500円
【発売日】2012/11/03
1公演20名限定
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公式/劇場サイト |
http://pepin.jp
※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
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タイムテーブル |
11月30日(金)19:00 12月1日(土)13:00/16:00/19:00 12月2日(日)13:00/16:00/19:00 |
説明 |
「対岸の火事」
小倉に滞在した4日間、魚町商店街の人たちに色んな話を聞いた。 特に印象的だったのは、火事の話だった。火事で燃えてしまった、今はもう無いお店の話。火事の話が出るまで、そんなお店があったことさえ忘れていた人もいて「ああ!そういえば」なんて、思い出話に花が咲いたりもした。
火事の話をするときは、みんな決まって笑っていた。魚町のビルのいくつかは、火除けのためにお稲荷さんを祀っている。あそこはお稲荷さんを祀っていなかったから火事になったんだとかあっちのお稲荷さんとこっちのお稲荷さんがケンカしたから火事になったんだとか。きっと当時は、大変な思いや怖い思いもしたのかもしれないけど、みんな、なぜか大笑いしていた。あんまり楽しい笑い方なので、私たちもつられて笑った。火事というものを知らない人が聞いていたら、お祭りか何かだと思ったかもしれない。
商店街の未来を憂う人、つらい過去を抱えながら笑顔で店に立つ人、ヤクザに撃たれれば本望だと命を張って商店街を守る人。すげえな、と思った。私たちの住んでいるまちでは民家からロケットランチャーは出てこない。
小倉にいる間、北九州市のガレキ受け入れにも話は及んだ。怒っている人、悲しんでいる人、「自分とあなたたちとは考えが違う」と線を引く人。私たちは曖昧な笑顔で応えることしかできず、モヤモヤとした気持ちのまま帰京した。
マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」と言った(らしい)。 火事見物に駆けつける野次馬は、布団の中でサイレンを聞いて「大変ね」って言いながらセックスしてる人たちよりは愛があるのだろうか。北九州の商店街で演劇公演をやる私たちも、野次馬みたいなものかもしれない。それが無関心の反対だとして、まだ「愛」とは呼べない。
だけど対岸の火事の話をするときは、笑っていようと思うんだ。いつまで対岸にいられるか、わからないけどね、って。
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その他注意事項 |
「対岸の火事」は2012年6月から、小倉での延べ一ヶ月のフィールドワークで触れた記憶・記録・風景をもとに生まれた物語です。
北九州市小倉北区にある魚町商店街・魚町三番街中屋ビルを中心にエレベーターで幾つかの会場を巡ります。 ・ 本作品はお客様が受付を行ってからいくつかの会場を移動しながら鑑賞・体験する形式の作品となります。なるべく歩きやすいお履物でご来場下さい。 ・ エレベーターの定員の都合につき、入場をお待ち頂く場合がございます。予めご了承ください。 |
スタッフ |
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小倉に滞在した4日間、魚町商店街の人たちに色んな話を聞いた。
特に印象的だったのは、火事の話だった。火事で燃えてしまった、今はもう無いお店の話。火事の話が出るまで、そんなお店があったことさえ忘れていた人もいて「ああ!そういえば」なんて、思い出話に花が咲いたりもした。
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