楽園 公演情報 楽園」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★

    うーん
    良くも悪くもない。
    どちらかといえば良いのだけれど。
    強烈に残るものが無い。
    役者は健闘している。
    深沢はそんなに良くも悪くもない。

    はっきり言えば、この芝居、期待外れ。

  • 満足度★★★★★

    「今」と「現在」、子どもの時間
    観客の記憶と絡み合い、甘くて苦いノスタルジーとともに切なさが、要所要所ですうっと現れてくる。

    ネタバレBOX

    小学生が秘密基地に転校生を招いた数十分を描く。

    小学生同士のヒエラルキー、裕福、がポイントになっている。
    それは危うい関係であり、ちょっとしたことですぐに崩れてしまう。

    そして、大人が小学生を演じるということを見事に取り入れた作品でもある。

    まあ、演劇を観るほうとしては、「小学生です」と言われれば、60代の人であってもそう見ていくのが普通ではある。中には違和感が最後まで拭えないものもあるが、トム・プロジェクトの公演の『エル・スール~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ~』なんていう凄いのもある。たかお鷹さんが、全編小学生を演じていて、自分より年下の女優さんに「おばちゃん」なんて言うのに、まったく違和感がないのだから。

    この舞台の不思議なところは、全員小学生なのだけど、衣装が変なのだ。
    「?」という疑問が頭の上にあるままストーリーは進んでいく。
    「今、小学生なの?」「何かふざけているの?」と。

    中盤から衣装、つまり舞台の上で見えているのは、「現在」の彼らということがわかってくる。今、舞台の上で行われているのは、その彼らが小学生だったころの話であり、その彼らが大きくなるとこういう仕事をしている(あるいはしていない)、こんな風貌の大人になっている、ことを見せているのだ。

    だから、大人が小学生を演じている、ということを、リアルなまま行えるということなのだ。

    小学生の彼らの「今」に、「現在」の彼らの様子が字幕で現れてくるいろいろあってフリーターをしている者、警官になっている者など、小学生のときの彼らの言動とのギャップだったり、変わらなかったことだったりを伝えてくる。

    これは、時間を短縮して見せているのだけど、例えば、小学生や中学生ぐらいの、まだ未来がどうなるかわからない時代を一緒に過ごしたクラスメイトが、クラス会で久しぶりに会って会話するのと似ている。
    「え、あいつが今こんなことを!」とか「やっぱり、そうなると思っていたよ」とか、いろいろな感想があるわけで、小学生のころにその芽があったり、見落としていたり、なかったりということを体験するわけだ。

    それが舞台の上では字幕ど「現在の彼らの姿」で一瞬にわかるという仕掛けだ。
    クラス会の経験は多くの人があるだろうから、そうしたベースとなる経験が、この舞台を観ていて引き出されることで、面白さが倍増するのではないだろうか。

    自分のクラスメイトのことなどを思い出したりして。

    そういう面白さがあるし、さらに、裕福な少年が仲間の上に立っていて、転校生も自分の下に入れようとするのだが、思わぬ反抗でその関係にヒビが入ったり、仲直りしたり、という、いかにも小学生のころにありそうなエピソードも楽しいし、切ない。

    結局のところ、こういう組織とか仲間とかの上下はもちろん、つながりの関係は、小学生のときと大して変わっていない、というつこにも気づかされるのだけど。

    甘くて苦いノスタルジーが、観客の記憶とうまく絡み合っていく、といううまさがある。

    例えば、いじめ的なエスカートの仕方の怖さと、それに対する仲間のブレーキ感などは、同じ体験をしたことがなくても、自分の記憶を引き出したりすることで、妙にリアルなのだ。

    ヒロインを深沢敦さん演じていた。ちょっと飛び道具的かな、と思っていたがそれは違っていた。
    どこのクラスにいもいるような、ちょっと生意気で勘違いをしている女子がそこにいた。

    彼女(深沢敦さん)は、登場したときから足が悪そうで、片足を引きずりながら、階段の上り下りにも苦労していた。
    舞台にある階段はかなり急なので、てっきり、稽古か本番で転んで怪我をしたのかと思っていたら、そうではなかった。
    物語の終盤にその理由がわかる。

    片足を引きずっていたのは、この、小学生のときの出来事が原因だったということ。

    さらに、その後、彼女が、痛い足を引きずって階段をあるく姿。
    その姿とラストエピソードには泣きそうになってしまった。
    深沢敦さんは見事なヒロインだった。
  • 満足度★★★★

    蓬莱作品
    流石、といったところでしょうか。

  • 満足度★★★★

    観た
    子供を演じるアイデアが面白い。
    自分と世代が被るので、懐かしいネタがたくさん出てきて笑った。
    今なぜ再演なのか考えさせられる。

  • 満足度★★★★

    初観劇。洗練されたかんじだ~
    モダンスイマーズ、知っていたけれど一度も観たことがなかったのでこの機会に。
    5人芝居というのもあるのかもしれないけれど、魅せたいものが集約されていてよかった。
    脚本のソリッドなかんじも好き嫌いあるとおもうけれど私はスキ。
    もろもろの演出もさすがというかんじ。

  • 満足度★★★★

    最終日観劇
    ゲスト女優が深沢敦嬢。流石でした。
    久々にモダンメンバー揃い、蓬莱色満開の他愛ない会話と、大人になる一歩手前で起こる、振り返れば胸の奥がチクリとする、すぐには答えが出せない経験談。
    ちょっとセンチメンタルでノスタルジーを思わせた90分だった。

    ネタバレBOX

    転校生は謎の部分を見せないとすぐに飽きられる、と思っていそうな小学生瀬戸君、案外しっかりしている下地が出ていた山上君、力任せの元気自由を発揮している日下部君、今回の事がキッカケなのか後の成長に影響を受けた姫島君、ちゃんとマリッジリングもつけてたな。

    ユリコちゃんの負けん気、放浪の運命の境目は、どこにでも転がっていたのかも。
  • 満足度★★★★

    男たち?の芝居
    モダンスイマ-ズのメンバーに深沢敦さんが加わった男優だけで演じられるこの劇団らしさがある芝居。

    初演は女優が演じた役を深沢さんが演じていますが違和感がありませんでした。

    地方公演もあるので、今後の反響が楽しみです。

    ネタバレBOX

    苛める側、苛められる側、力関係が変わっていく。

    子供の世界なのだけれど、大人の世界にも通じるものがある。

    蓬莱さんは少年期のトラウマとかにこだわりを感じる作品が多いようだ。

    普通は、回想から現在へと推移するが、最後まで子供時代を描く。
    現在の格好で少年少女時代を演じることで、観ているものに不思議な二重構造と言うか追憶を抱かせる。

    陸上競技が得意だったユリコが怪我により足を悪くしてしまうわけだが、その後の人生が彼女だけ語られない。

    それぞれの人生、観客の想像力を膨らませるが、その後の続編も独立した作品として観てみたいと思う。
  • 満足度★★★★★

    基地で遊ぶ
    この作家はなんでこんなに人間のことが判るのだろう。役者も皆素晴らしかった。

  • 満足度★★★★

    よかったです。
    大人(現在)の姿をした5人の役者たちが、その子ども時代の出来事を演じる。
    最初のうちちょっとだけ違和感ありましたが、あっという間に引き込まれました。子どもにしか見えなくなりました。
    私自身の子ども時代の風景にも重なります。
    いじめいじめって言っていますが、実は昔からあの程度のこと(と言っていいのかわかりませんが)は、誰でも経験しているのでは。

    90分、あっという間でした。

    どの役者さんもうまかったのですが、深沢敦さんのヒロイン小百合は秀逸でした。

    ネタバレBOX

    小百合が登場した時から足を引きずっているのを見て、私は深沢敦さんがこの芝居中に怪我をしたのだと誤解していました。
    カーテンコールで深沢さんが、階段を軽やかにかけ降り、かけ上がったのを見て、現在の小百合が再確認されました。
  • 満足度★★★★

    深沢敦さん凄い。普通の太ったおばさんにしか見えない。
    嵐の午後、秘密基地で繰り広げられる子供たちの戦い。
    誰でも経験したような子供の世界のルールを、
    登場人物のその後の成長した大人の姿で演じる妙。
    子供のころのことは、今大人の視線で考えると、
    結構残酷だったかもしれない。
    こうして見せられると、腹立たしくもあり…。

    しかし、とにかく、深沢敦さんは凄い。
    もう、普通の太ったおばさんにしか見えないです!

  • 満足度★★★

    いじめの構図
    廃墟となったホテルでのある1日の出来事を通じて、些細なきっかけからいじめが生じる様子が最初はコミカルに、次第に痛々しく描かれていました。

    5人の小学6年生がお互いに見栄を張って嘘をついたり、欠点をからかったりして、小さなコミュニティーの中で次々とヒエラルキーやグループが変化して行くのが滑稽でした。
    しかし、それを見て笑っている観客自体が、いじめを止めさせようとせずにただ見て笑っている間接的当事者と同じ立場にいることを思わせ、ジワジワと怖さを感じました。

    無理に子供っぽい声色にはしてないものの小学生として演技をしているのに対して、格好だけはその20数年後に就いている職業の姿をしているという演出が、演劇ならではの効果をあげていて良かったです。
    劇中で描かれた一日の後、どのような過程を経てその職についたのかを想像させて興味深かったです。

    5人それぞれのキャラクターがしっかりと確立されていて、息の合った台詞のやりとりの緩急も良く、演じている年齢と容姿のギャップもすぐに気にならなくなりました。
    気の強い女の子を演じた深沢敦さんがユーモラスで、終盤の悲痛な姿とのコントラストが印象的でした。

  • 満足度★★★★★

    斬新
    演じ方がとても珍しく、それ故に色々考えてみました。

    ネタバレBOX

    子供の頃のちょっと特別な事件のあった放課後の数時間を、25年後の37歳の年格好で、それぞれの職業のユニフォームのまま演じるのがとても斬新でした。

    コンクリート造りの古い廃館は、ところどころガラスが割れていたりして秘密基地らしい雰囲気が良く出ていました。

    子供の頃と大人になってからの体格のギャップには驚かされます。なんでこんな力関係が成立していたのかと不思議な感覚に襲われます。

    子供は嘘つきで、転校生も迎えた側も見栄っ張りのえーかっこしーです。そして、触れてほしくないことでも平気で言ったり、アダ名にしたりする残酷な生き物です。その結果、スラっとした女の子に怪我をさせ陸上の夢を断たせることになってしまいました。女の子は男の子たちを告発するようなことはしませんでしたが、どんなにか悔しかったことでしょう。

    さてそこでです。このお芝居は誰の目線で描かれたものなのでしょうか。

    同窓会でクラスメートの顔を見て、子供の頃にこんな事があったなと悔恨の念を抱いた誰かの回想再現ドラマのような気がします。だとすると、真相を知っているのは5人だけです。恐らく女の子は連絡が付かず同窓会には参加していないと思われます。定職に付いている人は職業を明らかにするでしょうが、定職に付いていない人は曖昧にすると考えられますので、現在コンビニでレジ打ちをしている転校生君の回想のような気がします。

    そんな風に考えると、深沢敦さんが女の子役を演じたのもちょっとぼやかす意図があってのことかもしれません。そして、女の子は足を引きずる中年太りのおばちゃんになっていましたが、それはもしかしたら彼の罪悪感から導き出されたイメージで、実際は違っているのかもしれません。

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