<ブロードウェイ版作品解説> ミュージカル「ジキル&ハイド」は、1886年に出版されたR・L・スティーブンソンの同名小説を原作としています。作曲家F・ワイルドホーンの手によって1990年テキサス州ヒューストンのアリ-劇場で幕を開けたこの作品は、観客と批評家の双方から絶大な支持を受け、同劇場の観客動員記録を更新するにいたりました。 ブロードウェイ進出は、1997年のプリマス劇場。同年のトニー賞では、四部門(最優秀ミュージカル主演男優賞、最優秀ミュージカル脚本賞、最優秀照明賞、最優秀衣裳賞)にノミネートされ、その上演数は、プレヴュー期間の42回公演を合わせると累計で1585回にまで達しています。 この作品がこんなにも大きなセンセーションを巻き起こす原動力となったのは、作曲家ワイルドホーンと作詞家ブリカッスによる、楽曲の魅力によるところが大きいといえましょう。ブロードウェイ・キャストのレコーディングによるサントラは、グラミー賞の「ベスト・キャスト・レコーディング」部門にノミネートされ、その売上げは、この種のものとしては異例の10万枚を突破しました。個々の曲も「Someone Like You」や「This is The Moment」などが世界中で大ヒットし、特に「This is The Moment」は、その美しく耳に残るメロディで、1992年のアルベールビル冬季オリンピックの公式テーマ曲に選ばれています。 このような素晴らしい音楽に加え、誰もが持つ善と悪の心を二重人格という形で表現し、その結果主人公自らが悲劇的な運命を辿るという恐ろしくも美しいストーリー、そしてそれを演じるキャストも話題となりました。 ジキル&ハイド役はブロードウェイ・オリジナル・キャストのロバート・クチオリをはじめ、ロックバンド、スキッド・ロウのセバスチャン・バック、人気テレビシリーズ「ナイト・ライダー」「ベイ・ウオッチ」で主演したデヴィッド・ハッセルホフら錚々たるメンバーが演じました。
2012年3月、日生劇場で、新たなジキル役にミュージカル界のプリンス石丸幹二を迎え、人間の持つ"光と影"、"表と裏"...
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