『秘密はうたう』は、ノエル・カワードが最後に書いた戯曲三部作『Suite in Three Keys』の中から、『A Song at Twilight』を翻訳した作品です。 三部作は1966年にロンドンのクイーンズ劇場で初演され、カワード自身がサー・ヒューゴ・ ラティマーを主演、戯曲としてはこれが最後に書いた作品であり、最後に舞台に立った作品です。 本作は、ウェルメイドプレイで知られるカワードとしては異色でしたが、チケットは売り切れ、 批評家からも高く評価されました。しかし、主演のカワードの健康状状態が悪化、公演は予定の三ヶ月で打ち切られ、ロングランはできませんでした。1974年にはブロードウェイで上演されましたが大成功とはならず、その後も小規模な再演は多数あるものの、メジャーな公演としての再演は英国、米国共にないと思われます。 本邦初演となる今回の公演。 カワードの緻密で衝事的な作品を、マキノノゾミがどのように読み、どのように描くか。 また、膨大な台詞の応酬、微妙な心理描写がなされる難戯曲に、村井国夫、三田和代、保坂知寿、神農直隆の布陣がどのように挑むか。ご期待ください。
STORY 舞台はスイスの高坂ホテルのスイート・ルーム。 高名な英国人作家ヒューゴ・ラティマーはドイツ人の妻ヒルダと長期滞在している。彼はその夜、若い頃の恋人で女優のカルロッタと20余年ぶりに会うことになっている。 音信不通だったカルロッタが会いたいと連絡してきた目的は何なのか。 ヒルダは外出し、ヒューゴはカルロッタと食事をしつつ、訪問の目的を探る。カルロッタは、自叙伝にヒューゴからのラブレターを載せる許可がほしいときりだすが、ヒューゴは拒絶。いったんはあきらめたカルロッタは、かつてヒューゴがある人宛に書いたラブレターも持っていると打ち明ける。 文学界の重鎮になろうとしているヒューゴにとって、それはなんとしても隠しておきたい秘密だった・・・。
『秘密はうたう』は、ノエル・カワードが最後に書いた戯曲三部作『Suite in Three Keys』の中から、『A Song at Twilight』を翻訳した作品です。
三部作は1966年にロンドンのクイーンズ劇場で初演され、カワード自身がサー...
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