shelf volume02
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実演鑑賞
ギャラリーLE DECO(東京都)
2003/06/25 (水) ~ 2003/06/29 (日) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://theatre-shelf.org/
期間 | 2003/06/25 (水) ~ 2003/06/29 (日) |
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劇場 | ギャラリーLE DECO |
出演 | 関根好香、岡田宗介 |
脚本 | [原作]岸田國士(「紙風船」)、[戯曲]岸田國士坪内志郎(劇団新エマニエル夫人) |
演出 | 矢野靖人 |
料金(1枚あたり) |
~ 【発売日】 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | |
説明 | ■ 演出ノートにかえて 岸田國士の「紙風船」と、それをモチーフにした坪内志郎の「シム紙風船」。一見するとどちらも同じような、瑣末なことで行き違う男女のとりとめもない会話を描いた小品である。 「行き違い」によってあらわになる、二人のあいだに存在する距離。どうしようもなく埋められない距離。 その距離の埋められなさを二人の作家は日常を丁寧になぞることで抽出する。 それはあいだにある距離を埋めようとして足掻く二人が作り出す「物語」についての注釈でもある。 距離といえば、この二人の作家にも大きな隔たりがある。 「紙風船」の発表が1925年、「シム紙風船」は今年(2003年)であるから、その差78年。誤解を恐れずにいえば、「紙風船」は、それほどの昔に描かれた戯曲でありながらも非常に分かり易い作品である。交わされる言葉は至極自然で全く色褪せない。しかしそれゆえにこそ簡単には理解し得ないものがそこに内包されて、在る。それは例えば、社会背景、時代の生理や息づかい、さらには身体的な規範や抑圧等であり、そうしたものは一見しただけでは戯曲の言葉の上には現れない。現れないがゆえに、それは埋められない距離として目の前に横たわる。 今回の企画の要諦は、この「距離」を出来るだけそのままに舞台に上げるということにある。 同世代の言葉と、異なる世代の言葉。これらを同一平面上に配置する。異なるコンテクストの言葉を擦り合わせたりせず、出来るだけそのままに並べ置く。結果、俳優の身体に立ち現れる、一つの身体を基準線としたときの二つの作品の言葉の差異。 これを掬い取ることによって、二者の距離を埋めるのではなく隔たりを隔たりのまま直截に把握することは出来ないだろうか? それが可能ならば、異なる他者へのアプローチとして、現在(自己)に引き寄せるのでも過去(相手)におもねるのでもない、新たな地平が拓けるに違いない。それは同時に自己の言葉の他者性をも、より鮮明に浮かび上がらせる。 かくて私は、私と出会う。 自己に埋没するのではなく、世界と関係を取り結ぶために。 |
その他注意事項 | |
スタッフ | [音] 伊藤由紀子 (cokiyu web) [照明] 鈴村淳 [装置・美術] 柏井勇魚 (lt-s) 斎田創 (突貫屋) [衣装] 太田家世(自由創作師) [写真] 伊藤雅章 [宣伝美術] 京 (kyo.designworks) [制作] 日和庵 [製作] shelf |
[情報提供] 2007/05/13 19:35 by yk
[最終更新] 2009/03/31 19:45 by YasuhitoYANO
岸田國士の「紙風船」と、それをモチーフにした坪内志郎の「シム紙風船」。一見するとどちらも同じような、瑣末なことで行き違う男女のとりとめもない会話を描いた小品である。
「行き違い」によってあらわになる、二人のあいだに存在する距離。どうしようもなく埋められない距離。
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