ふすまとぐち 公演情報 ふすまとぐち」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    劇団自体が宗教団体のさま
    会場に入ると見なれない観客がわんさか!この時点でいつもと違う雰囲気にのまれる。要は会場に津軽の皆様が応援に来てる。まるで教祖さまが演じてるようなさま。
    しかも公演中でもジーー、キュル、ジーー、キュル・・・となんやら夏でもないのに蝉の、今にも死にそうな鳴き声。ワタクシ、思わずキョロキョロした。

    そしたらさ、そしたらよ?!(・・!)

    一眼レフカメラみたいなメッポウ大げさなカメラでパシャパシャ!!と舞台を撮ってるじゃん。「はんずめて東京さきたから東京タワーでも撮ってけえるべ。」みたいなノリで・・。
    いあいあ、ワタクシ、修学旅行にでも来ちゃったか?って思ったよ!(苦笑!)

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    んなわけで、津軽弁丸出しのキヨさんがしゃべりまくってるシーンから始まる。よく解らないけれど、なんとなく解る。しかもこの津軽弁がなかなかいい。
    方言ってホント、いいよね?「渡辺源四郎商店」の公演の時も感じた心地よさをここでも味わう。

    だけれど辺源の芝居の空気感とは真逆の雰囲気がある。姑キヨの強烈な嫁いびりにより桜子は押入れの中に閉じこもったまま出てこない。この物語は「家族」を題材に太古の昔から延々と続き、そしてこれからも変わることなく続くであろう嫁姑の問題とその板挟みになって苦しむ長男らを真正面から取り組んだ作品。

    キヨはスーパーバイザーの金本君(営業)の口車に乗ってトルマリン羽根布団を購入したり、はたまた、「早起きの会」という怪しげな宗教の人たちと付き合っている。これらは何となく田舎の高齢者がひっかかるような情景だ。そんな姑の様子を押し入れの中で聞き耳をたてる桜子。嫁・姑・小姑の関係性が面白い。

    そして一見おとなしくふがいなさそうに見える長男の姿も描かれるが、これも一般的だと感じた。嫁と姑の間に立つ場合は母親の側については事態がいっそうこじれるだけだという知恵は誰にでもあるだろうけれど、それでも大抵の男性はこういった場面ではこんな風に第三者の立場に逃げて遠目で見ている感じなのだろうと思う。(苦笑)

    それぞれの人間の業がぶつかり合い、理想と違うその現実が轟音を立ててその姿を変えていくような芝居は見ていて滑稽であるとともに、恐怖でもある。嫌味をいう母親や引きこもって出てこない嫁も現実とは思えなく信じられないトモノリ(長男)は、いったんどこかに退き、万事が落ち着いてから出直したい気分になってしまったのだと思う。だからそんな現実逃避に身を置くべくトモノリは自分だけ引っ越すと言い出す。「どうして俺がこんなおもいをしなければならないのか・・。」と疑問を覚えるように。

    口だけ達者な姑、籠って外部の全てを遮断し話し合おうともしない嫁、現実逃避の感覚を引きずりながら説得する努力をしない長男、甘えてる小姑。

    これらの人間関係を絶妙にダーク色濃く演出した物語だった。そして姑が倒れ入院すると家族の関係は大幅に逆転する。こうやって家族は疲労感をも覚えながら脈々と次の時代に受け継がれていくようだ。物語は笑いも滲ませながらなるべく悲惨にならないように構成されており、感覚はコメディの部類に入ると思う。ワタクシ達他人は面白可笑しく見たけれど、男性の観客は少し視点が違うのだろうか・・?

    次回は8月とのことだから、また観に行きたいと思う。
  • 満足度★★★★

    生活感のある突き抜け方
    津軽弁の世界なので
    言葉がわからない部分が若干あることも手伝って
    笑って観てしまいましたが、
    冷静に考えると実はかなり壮絶な世界。

    しかも、
    個々の登場人物から沸きあがる感情の揺らぎには
    不思議な瑞々しさがあって。
    終盤に息を止めて
    見入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    嫁と姑、さらに小姑がからんでの確執というのは
    いつの時代もあるのだろうしとはおもうのです。
    朝食の味付けでごりごりとやるあたりは
    まあ、ありふれた風景かと思った。

    しかし、そこからの展開に目を見張りました。
    エピソードのひとつずつが
    絶妙にデフォルメされていて、
    家庭内の空気が観る側にがんがん伝わってくる。
    しかも、津軽弁が醸し出すニュアンスというか
    表現の強さが計り知れない部分などは、
    デフォルメ思えない部分などもあって・・・。

    子供のころからの苛立ち、
    そこに、宗教やちょっと怪しい商売まで入り込んできて、
    女たちの強さや鬱積したもの、さらには脆さまでが
    じわりじわりと観る側に伝わってくる。

    それこそふすまの内側で息を潜めているような感情を
    ふたをあけて観る側にそのまま伝えるためには
    このくらいのデフォルメが必要なのだと思うのです。
    しかも、内心を荒っぽく晒すだけではなく
    終盤に心の揺らぎをしっかりと表現する部分の語り口も
    実に秀逸。
    青森的ウィットや
    クールな視点もしっかりと編みこまれていて。

    なんというか、人が生きているなって感じる舞台。

    夏にも東京で公演があるとのことで
    とても楽しみになりました。
  • 満足度★★★★

    襖と愚痴
    とても良かった。105分。そこを拾ってしまうのかというシーンも巧みで、小6を演じる三上晴佳さんがぽつんと発声すると畳の上に潤いが生まれる。青森の劇団の芝居を観ると、役者以前に人間一人としての強さ。前にいた学生たちが耳に慣れるまで言葉の響きを楽しげにしていたが、相手がこちらに合わせてくれないと解ると、逃げずに食らい付いていく。会場出てからそういえば、曲何も流れなかったと気付いた。観ている間は天井の隙間風がぴゅーぴゅー微かに聞こえ、雪国。
    全国各地の芝居が観たいと思う、どこの誰がきても独自の文化、地域性を否定せず観たい。芝居から伝わる風土の違いが面白いもの。個人的には未見の日本海側に住む人の芝居を観てみたいなぁ。

  • 満足度★★★

    噛み応え
    津軽弁全開。自分は秋田弁をかじってるからわかったけど、一般の東京人にはどうだったかな、と思った。でもというか、だからというか、東京でこれを直球でやってくれるのがうれしい。勇気づけられます自分としては。
    ヨメ・シュウトメ・間に入ったムスコ(ヨメにとっては連れ合い)の微妙な感じとか、う〜〜ん、うまい。実は身につまされたり。観てて気持ちが痛かった。
    噛み応えのある舞台、という感じかな。
    作品以前に、姿勢を応援したいです。方言の芝居、どんどん出てきて欲しい。
    ところで、アンケートに答えた人の中から、抽選で青森の野菜をいただけるそうです。産直芝居?(^_^;

    ネタバレBOX

    怪しい宗教の人たちとか、危ない雰囲気がすごく出てると思いました。
    でも、火は・・・危ないですね。びっくりしました。

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