公演情報
「骨ノ憂鬱」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/31 (金) 14:00
座席1階2列
一平が妻を殺した現代とはいつなのだろう。令和の現代とすれば、東京オリンピックの年に
7歳だった一平は、すでに60歳になろうとしている。ちょっと妻の殺害に至る動機を考えると無理があるような気がするのだ。
僕は7歳で人生を終えたと語る一平。
一平の父が起こしたある事件が、一平の祖父の死を介するように、一族の離散を招く。
原田大二郎氏が、とにかく大きく見える。しかし、ロビーで見かけた原田氏は170cmそこそこの体格で、なぜにあれほど大きく見えたのかが不思議なくらい。一代で財を成した明治の男を、その息子たちと対比させる意味で、演技が大きく見させたのだろうなあ、と推察するばかり。
満足度★★★★
開場時、元気いっぱいの居酒屋のような掛け声に若干戸惑いつつも丁寧な対応に好感を抱く。
開演直後は役者さんが皆、速射砲のように台詞をいうので早すぎて最初は耳がついていかず聞き取れない時があったけど、原田さんが登場したあたりでスピードが落ち着き以降は聞き取りやすくなった。
原田さんが演じる「過去の栄光を引きずる頭の固い高齢者」、私自身が仕事でそのようなタイプの人に日々振り回されてるので3兄弟がウンザリする気持ちが良くわかる。
後半のドミノ倒しのような鬱展開も、人間の愚かさとどうしようもなさを描いていて心に迫る。セットも見事で存分に堪能させてもらった。
満足度★★★★★
一面の草木、池、正面に木造家屋といういつもながらの山村あたりの舞台設定だが、飾り込んだ美術の前面や植物の所々に半透明ビニールが張ってある。今思えばビニルハウスの象徴だろうか。台詞の乗りもスタンダードな桟敷童子だが一点、ドラマ構造が違う。現代の男女二人(稲葉能敬、大手忍)の既に現実でない対話の中に回想として挟まれる男の幼少時代の出来事が大部分を占める。現代での出来事のあたかも手がかりとして展開するひたすら懐かしい過去の描写が、次第に胸を満たして行き、最後に現代へと引き戻された時、謎解かれる事のない不条理の現実が突きつけられる訳なのだが。
数年前劇団の転機とも思わせた『体夢』とも何処か通じる(風景はいつも通りなのに)シュールさがしっかりと桟敷童子の手の内にあるのを不思議な気分で眺めた。
満足度★★★★
今回もラストシーンが凄かったですが、舞台セットのご苦労の一部を談話会で聞くことができました。
家族三代の物語でしたが、たった一人の三代目の男の子。大人ばかりの中で「一平ちゃん一平ちゃん」と注目され続けるのはしんどいだろうにと思ってしまいました。
説明にあった言葉から想像していたのとは全然違う物語でした。
満足度★★★
冒頭は東京、荒川沿い。一平が妻を殺したという告白から始まり、「僕の少年時代は7歳で終わった」と、50年前の東京五輪のころ、九州の山村の旧家の大家族の話に飛ぶ。殺された妻も常に舞台の隅にいて、夫の7歳の時の体験を見ることになる。
そこは、祖父の大旦那が林業で成功して人財産を築いたが、今は長男が後を継ぎ、林業も斜陽が始まり、家族関係もギクシャクし始めていた。一平の父は次男で家業を手伝い、、三男は中学校教師である。隠居しても精力的で圧倒的な存在感のある1代目と、善良だが小人物の2代目の三兄弟。そして、いつも母親の陰に隠れている3代目の幼い一平。代が下るほど生活力を失っていく構図は「ブッデンブローグ家」のようだと、これは後で気づいたことである。
原田大二郎が破天荒な1代目を生き生き演じていた。客演の斉藤とも子が祖父の後妻として、この崩れそうな旧家を支える気丈な女性を演じて貫禄があった。個人的感想としては「黄色い叫び」よりよかった。一平役の稲葉能敬は、少年時代はずっと、黄色い帽子を目深にかぶり、感情を見せないナレーター役で影のような存在だったが、このナレーターがメリハリがあってよかった。
旧家の素朴な人たちのズレと諍いが、時にユーモラスに時に力強く演じられる。どこに感情移入してみるか、多焦点のドラマでモヤモヤした。ただ、愛していながら、愛がうまく伝わらない、自分の思いとは全く違うことをしてしまう、人間の切なさ、悲しさが最後には残った。
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/22 (水) 19:00
価格2,800円
ブロローグが平成の東京なのでちょっとビックリするが、本編はプロローグの人物の少年時代の物語で舞台も九州なので「あ、やっぱり」……(笑)
そうして語られるのは「理詰めの悲劇」あるいは「真綿で首を絞めるような悲劇」。
物語というものはだいたいクライマックスありきでそこに向けて進んでゆくものだが、下手な作り方だとそのクライマックスに向けて「話を進めるためにエピソードを積み重ねてゆく」のが見え見えで、「これ、何だろう」と思った部分がクライマックスへの布石だったりするものだが、桟敷童子の場合は軋轢・歪みなどが自然に積み重なってゆき、そも結果として悲劇が起こる、的な。(よって「VS嵐」のローリングコインタワーの如く、いつか崩れることは目に見えているがそれがいつなのか予測できない、みたいな?)
お馴染みのダイナミックな仕掛けからの美しいラストシーンでその悲劇性が少し緩和される気がするが、考えてみると実はとても切なく「取り返しがつかない」感が強調されるのも上手い。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/05/23 (木) 14:00
座席1階
今回の桟敷童子も遺憾なくそのパワーと浪花節、さらには劇的な驚きを用意。観客席をその世界観に引きずり込んだ。
舞台は九州。3人兄弟の物語だが二男とその一人息子、3兄弟の父を中心に進んでいく。一人息子の子ども時代を振り返る形だ。
桟敷童子の舞台はいつも、脇役が光る。徘徊する老婆、傘ばあちゃんがきわめて重要な役割を果たしている。
驚きの舞台装置は今回も各所に用意されている。前例の客席には水よけのビニールが配られるように、舞台脇の池は、重要な装置となる。ラストシーンは花園神社のテント舞台顔負けの驚愕の仕掛けだ。物語を貫く真っ赤なトマトがまぶしかった。
時にはやかましいほどのはっきりした台詞回しが、ぐいぐいと舞台を引っ張っていく。
実演鑑賞
満足度★★★★★
毎度毎度セットの凄さ。
あれはもお美術じゃなく野外風景。
衝動で妻を殺してしまった男の少年時代の物語。
今までの桟敷童子よりは現代に近い過去で、僻地よりは都心よりの
近代化設定に戸惑いつつも、そこはそこ。やっぱり、ザ桟敷童子。
男は死ぬまであの原風景の中に生きるんだろうか。
トマトが赤かったから・・カミユみたいでした。