さようなら、イサム 公演情報 さようなら、イサム」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★

    めまぐるしく場面がころころ転換され、ついつい見入ってしまいました。
    笑いを誘うシーンが沢山あって、わらいころげていました。
    とても面白かったです。

  • 満足度★★★★★

     極めてメタレベルの高い作品。

    ネタバレBOX

    2011年辺りから本格的に演劇を見始めたのだが、以来2400本以上の作品を拝見しているから年平均で300本以上ということに成る訳だが、だからこそというべきか、極めて独創的で巧みな前説で言われたフェイクを本気で信じかけた。どんなフェイクだったかというと、開演後20分位ずっと幕の前に役者が現れて演技をしていたので「幕は終演後に上がります」と言っていたのを学生演劇最後に今迄誰もやったことのない奇抜な演出で見せようとしているのか? と思い掛けたりハタマタ「自分は前説だけで本番には出ません」と言っていたのを半ば冗談、或いは? と勘繰ったりしながら見始めたのだ。元来、演劇とは嘘を用いて虚実に満ちた世界の構造を暴き、そうして暴かれた世界の陥穽を通して真なるものの輪郭を示す技術だから、真偽は匙加減一つ。別の言い方をすれば傾くことで真を顕わにする。(以下各解釈へは、ここから繋げて読んで頂きたい)
     解釈1:さて最も単純な解釈から始めよう。最初に述べた通り基点は、今作が極めて高次なメタ構造を持った作品だと言うことだ。前説でのフェイクやひっくり返し、ひっくり返された世界を更にひっくり返して、ストレートプレイに持ち込んだとみるや、今度は3つのストーリーを敢えてゴチャゴチャにして見せることで歌舞き、それを収束させることを目指してドラマツルギーを発動させる過程でも小ネタで笑わせる、3人の役者が演ずる、切れとスピード感のある殺陣でビジュアル的にも楽しませる等々。
     更に振れ幅の大きい今作の本来の目的である卒業公演というテーゼを踏まえ、去る者(卒業生)と残る者(在校生)との間に生起する若者らしく柔らかで自然な感情の発露として“別れ”を見事に昇華してみせた。それは、作中ハチャメチャにした3つのストーリーを収束する際、何らかの方法でコンペを催し、負けたグループは消滅するというルールで為される争闘の持つ厳しい寒さと呼応しているのだ! 見事である。蛇足だが、この内容はタイトルとも交感している。
    解釈2(補足的に):例えば「忠臣蔵」の真の狙いは幕藩体制批判であり、そのスピンオフ作品である「東海道四谷怪談」の真に迫ったおどろおどろしさ、お岩の怨念の強さと祟り伝説は、仇を討つことが寧ろ人々にとっての正義であり、それを押し潰したのが強権の権化たる幕府であったことへの凄まじいまでの怨念だったからこそ、為政者共は、復讐の権化たるお岩を恐れたのだと言うことができるのではないか? 或いは伊右衛門の不運・不幸を斟酌せず、単に非道な悪党に仕立てることで幕府への怨念を逸らす為に利用したと取ることも可能であろうが。ちょっと話が難しくなったか。
    解釈3(これも補足的):ちょっと深読みしてフェイクに関して現在日本を振り返ってみれば、フェイクのオンパレードではないか? 安倍のようなアホを政権トップに就けている勢力は、未だ経済界を牽引していると思い込んでいる重厚長大産業・製造業のトップ達。彼らは自分達の利益を最大限に考え、大日本帝国軍の怨念を未だ抱えてこの「国」独自の覇権をアジアで為そうと考える右派と共に、軍事的に握ろうと考える。この目的を果たす為に様々なフェイクを用いると考えると、奄美から琉球弧への対中防衛第1次列島線設定や、インドを含めたセキュリティ・ダイアモンド構想、文政権への誹謗中傷、原発推進もかなりハッキリ見えてこようというもの。

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