満足度★★★
意欲
その地方から発信しようとする意欲を買います。
そして作品も意欲的。
内容のエグさが砂糖菓子にくるまれた気味悪さ。
共感出来ない主人公に付き合う辛さが。
コロス達による「ウザさ」にも付き合う辛さもあり。
それでもその意欲と野心的な姿勢には感動した。
満足度★★★★
わざわざ地方へ足を運ぶ価値のある演劇
演劇の東京への集中度合いは凄まじくて、それ以外の地域では大都市を除いては、なかなか上手くいかないというのが事実だと思います。
今回のキラリ☆ふじみ演劇祭は、池袋から電車で30分かからずに行ける(駅からのバスが大変なのだけど・・・)立地とはいえ、地方を拠点とした演劇の熟成を行おうとしている企画意図が素敵です。
ただ、当然地元民だけでなく、東京からの観劇も見込んでの興行であり、集まっているカンパニーや集団もほとんどが東京からわざわざ持ってきた、来てもらったという団体で、そうなるとキラリ☆ふじみが単に東京の演劇を切り取って持って来たいだけなのか、良くわからなくなってしまう。
そんな中で、今回の「グランド・フィナーレ」は、作・演出・出演者は東京の方がほとんどだと思うけど、キラリ☆ふじみで企画されて生まれた舞台で、「ここでしか見れないキラリ☆ふじみの演劇」と言えると思います。
という事で、個人的に昨年最も印象的だった舞台「大恋愛」の終着点である「グランド・フィナーレ」はどんな事があっても見逃す事ができなかったのでした。
緞帳の、
“汚されたドレス”のような雰囲気が鮮烈だったので、
全編、もっとダークサイドな方向に舵をとっていれば、自分的には楽しめたかも? あっ、公共ホールか…w
満足度★★★★★
骨太な気持ち悪さ。
この気持ちの悪い短篇小説の舞台化を楽しみにしていた。
そして、その気持ち悪さが舞台にしっかり載っていたことが気持ち悪かった。
食い入るように舞台を見張り続けた。満足であった。
脚本と演出が原作を上手く再構成できたからに他ならない。
小説とは違う形で、解答が導かれたことは、喜ばしい。
佐藤(松田洋治)の内に込めた歪みの発露も悪くなかったし、
それを取り巻く人物やら、佐藤の自意識やらがなかなかに凝っている。
キラリ☆ふじみが、今後も骨太な舞台作りに寄与してくれることを望む。
遠くても通いたくなる劇場が増えることは嬉しいことだ(辛いけどね)。