公演情報
「革命日記」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
昨年やられた同作品の青年団公演では2バージョンの内、リーダーを坊薗女史が演じる方を見損ねて残念がった記憶が。戯曲は面白く、映画美学校の発表公演は中々良い。
だが今回のは恐ろしくリアルな、まあ現代口語演劇じたいリアル追及型なのだが、同戯曲も含めて「リアルでなさ」を笑いにまぶして提供する平田演出舞台とは少し様相を変えて、リアルを犠牲にして笑いを取る的場面は一切なく(型の笑いは一箇所のみあったが)、人物像や関係性が全編にわたって丁寧に作られていた。
「今の時代、そういう(連合赤軍事件の粛清のような)事はない」という台詞にある通り、時代は限定しないものの現在に近い設定と思しく、社会変革を目指す活動に身を投じることになった若者の素直な心情、組織の矛盾の実態が、浮き彫りになって行く。作者的には社会変革の主体を気取る若きインテリの鼻持ちならなさ、打算、功名心、支配欲を内に秘めた発語を、笑う飛ばすために書いた戯曲であったとしても、作劇においては十分人物らの内面を汲んで台詞を書いた事だろう。対立する登場人物らそれぞれに感情移入できる舞台に見入ったが、これを平田氏が書いたのだ。
満足度★★★★
■約95分■
昨春観た作者本人演出版より、強い緊迫感、強い熱が感じられた。
作者演出版、すなわち平田オリザ演出版は、当パンの文章に従来型の革命への批判の言葉が連ねられ、それに引きずられて観たせいなのか、革命組織への突き放した視線が感じられ、革命家たちの観察記録とでも言うべき冷ややかさが感じられたが、今回の山内健司演出版は当パンの文章にも作品自体にも、革命家というものへの畏敬の念が感じられる。
作品が熱を帯びたのは、革命というものが山内氏にとって到底他人事ではなく、闘志たちに自分の熱を投影しながら演出を行ったせいだろうか?
いや、なにも、劇中の闘志たちのように、非合法革命への志向が山内氏にあると言いたいのではない。しかし、そのツイートには現在のこの国への激しい怒りがにじみ出し、世直しへの強い思いがうかがえて、最後のひと文字まで目で追わずにはいられない。
この私にも、どんどん浅ましく醜悪になっていくこの国をなんとかしたいという思いがないわけではない。だから身を入れて観てしまった。
滑り出しがぎこちなくて心配したが、演技は時間を追うごとによくなっていった。