ビョードロ 公演情報 ビョードロ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
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  • 日付は公演終了日までにしないといけないのでそうなっていますが、このイベントに参加したのは2019年12月21日です。

    初演と17回本公演のDVD上映会がありました。どちらもアフタートークの会と演者による副音声付きの会があり両方参加しました。初演時はまだおぼんろを知らなかったので見ることができずとても残念です。17回公演は参加したのですが、編集によって自分が覚えているシーンや見たかったシーンが入っていないなどやはり生で参加しないことにはと、つくづく思いました。とても素敵なお話ですし、演出によって随分違った感じになるので、繰り返し上演されたらいいな。
    メンバーによるオリジナルドリンクのサービスもありとても楽しかったです。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/02/16 (土) 13:00

     2016.2.16㈯ PM13:00 新宿FACE

     冬の合間の麗らかに晴れて暖かな土曜日の昼下がり、歌舞伎町の元新宿コマ劇場があった斜め前にある新宿FACEへと、劇団おぼんろ第17回本公演『ビョードロの森~月色の森で抱きよせて~』を観に向かった。

     劇場に入り、左手前から数列目の席に座り、目の前中央に四角い数段高くなった舞台とその右手側に櫓のようなものがあり、その中央の四角いリングのような舞台と繋がって、櫓のようなものがある劇場正面に舞台があり、四角い舞台の左下手に木造の電信柱のような物があり、そちこちに櫓や電信柱には、とりどりの布が旗のように布を巻き付け、ランプの下がった柱が在り、舞台を囲むように配置された客席がある。舞台装置としてはそれだけの削ぎ落とされた空間、それを、補いビョードロの森を自らの前に出現させるのは、役者たちのかける魔法と観客それぞれの想像力。想像力と役者たちの魔法で現れたビョードロの森へ迷い込む。そこで観た物語とは…。

     末原拓馬さんの紡ぐ物語、おぼんろの創り出し、織り成す世界は、やはり、美しくて悲しくて、胸がぎゅっとなる程、残酷で切ないけれど、とてつもなく優しくて温かくて幻想的な世界で、涙が溢れて止まらない。

     悲しく美しい絶望の後に、その先にきっと、優しい世界に行き着ける、絶望の中にも、絶望のその果てにも、1粒の砂金のような微かな希望と美しく咲く人の心はきっとあると、祈りにも似た一縷の望みを必ず後に残してくれた、素晴らしい舞台。

     愛して欲しいのに人の命を奪う『病原菌』として忌み嫌われ、愛されないジョウキゲンの絶望的ナ悲しみ、愛したいのに、ただ仲良くしたいだけなのに、自分が触れたら命を奪ってしまう。それが解っているから、大好きなタクモに抱きしめて欲しいという願いを、命尽きようとしている最後まで言えずにいる、ジョウキゲンの純粋で無邪気な無垢が胸を抉られるほど悲しい。

     そのジョウキゲンの健気さが、タクモに、ワクチンを打ったから大丈夫と嘘をつかせ、ジョウキゲンを抱きしめさせたのだろう。ジョウキゲンを抱きしめた時、タクモもまた、だれを傷つけ生命を奪いたい訳ではなかったのに、ビョードロの民に生まれたと言うだけで、蔑まれ、疎まれ、排除されようとするその事に傷つき、自分をジョウキゲンと一緒に、この世界から消し、きっとある絶望の果ての1粒の光の世界へと行き、生きたいと願ったのではなかったか。

     そして今回、実はパフォーマーの方たちも観る前から楽しみにしていたのだが、これがまた素晴らしかった。あのパフォーマンスが更に ビョードロの森 の世界が鮮やかな美しさを増したと思う。特に、渡邉翔史さんのバトントワリングは、チケットを取った時から楽しみにしていて、間近で見て本当に素敵だった。

     残酷で、ヒリヒリと痛くて、悲しくて、どうしようもない程切なくも、美しく、最後に一筋の希望の光と温かさを胸の奥に灯してくれる舞台だった。


                    文:麻美 雪

  • 満足度★★★★★

    終わってしまいました。4日間なんて短すぎる。あっちの席やらこっちの席からも見たかったのに。千秋楽には年賀状で「ビョードロ」のお知らせをした友人も見にきてくれました。終演後お茶しながら話をしたら、私が思いもよらなかった感想を聞けて面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    童話の世界にいるような、せつないお話で、惹きつけられて、めっちゃ良かったです。みなさんキレイで、また観たいです。

  • 満足度★★★★★

    17日12時の回を観てきた。今回は客演で二人、さらに9人ものパフォーマーが出るというのでどんな舞台になるのかとても興味深かった。なるほど、こう来たか、というパワーに溢れた舞台だった。かなりパフォーマーたちを出すことに力を入れたようで、芝居が少し繋がらない感じがしないでもなかったけど、客演二人も好演して楽しめた。

  • 満足度★★★★★

    切なく悲しい作品でした。いつの間にか、どんどん不思議な森の中に入り込みました。ただ、個人的には客いじりは好みではなく、それにより、現実に引き戻されてしまう気がしました。人の心の中にある貪欲さ、純真さ、裏切り、愛・・色々な事を感じました。役者さん達が右往左往走り回るので、どこに座っても楽しめ、そして、ムーブメントアクターの方々の存在感がすごかったです。ラストは、涙が出て仕方ありませんでした。自分でも、こんなに涙が出てくるとは?!という不思議な感覚でした。心洗われるような素敵な舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    今日は今まで見ていない方向から観劇。見る回を重ねるごとにムーブメントアクターさんたちの存在感と重要性を感じます。

    ネタバレBOX

    ジョウキゲンの誕生シーン、ジョウキゲンによって死に絶える人々、ビョードロの秘密の地下室に描かれた絵画、タクムの夢のなかの楽しいひととき。どれも素晴らしいです。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/02/15 (金) 14:00

    役者の数も会場の大きさも3倍近くスケールアップしての再演。細菌兵器目線というユニークすぎる設定で物語を紡いでいき、しかも、会場全体が舞台なので、前後左右、どこからどう役者が出てくるのかわからない。見る側も自分の周囲360°、照明と人の気配に注意していなければならないという、脳と感性、心が研ぎ澄まされる貴重な経験だった。FACEが立派に朧になっていた。(毎回そうなんだけど)

  • 満足度★★★★★

    自らの血でウィルスを創り出す能力を持つ一族、ビョードロ・・・。
    人間の欲望に翻弄される彼らの悲劇が5年ぶりにパワーアップして再演された。
    サーカスとダンスが投入されたことで、一層ドラマチックな表現になっている。
    次の展開も、結末も、わかっているのに泣けてしまう、おぼんろの世界再来。

    ネタバレBOX

    新宿FACEの7階へは初めて行った。
    初演の時より装飾はさっぱりしているようだ。
    いつもながら四方から観る舞台、役者が縦横に駆け回る3Dの場内。
    初めての参加者には「体験してほしいのでこちらの席へ・・・」と案内し
    常連の参加者には「来てくれてありがとう!」と手を取ってくれる。
    本番前の語り部たちに物語の重さや緊張感はなく、
    本当に来てよかった、と思わせてくれる歓迎ぶり。
    ここしばらく、仕事や体調の都合でおぼんろの舞台に行けなかった私だが
    久しぶりに行っても覚えていてくれることがとても嬉しい。
    この楽しさが、演劇に親しむ要因ともなっていることを実感する。

    さて、物語はいきなり悲劇から始まる。
    血液から病原菌を創り出す能力を持つ一族ビョードロは、
    細菌兵器を作りたい軍に利用された後、危険すぎる、と抹殺されてしまう。
    村ごと焼き払われたその日、偶然外へ出ていた少年二人が生き残る。
    タクモ(末原拓馬)とユスカ(鎌苅健太)は、森に隠れるように
    ひっそりと暮らしている。
    ある日、一人の男(さひがしジュンペイ)が二人を訪ねて来る。
    彼はユスカの父親だと名乗り、細菌兵器を作ってくれないかと持ちかける。
    ためらいながらも、やっと会えた父親を喜ばせたいユスカは
    最強の兵器をつくることを約束する。
    そして二人の血から生まれたのが「ジョウキゲン」(わかばやしめぐみ)だった。
    やがてジョウキゲンは、タクモ達の予想をはるかに超えて強力になっていく・・・。

    最強の兵器が誕生するシーンのおどろおどろしさ、不穏な空気や
    ジョウキゲンがそれと知らずに人々を死に至らしめる様が
    サーカスの驚異的な身体能力を活かしたダンスで表現される。
    これから起ころうとしている不吉な出来事を想像させて非常に効果的。
    “踊る”というより“身体を使って空気を表現する”ような動きが素晴らしい。

    今回もわかばやしさんのジョウキゲンが秀逸。
    タクモを喜ばせたいという無垢な思い、
    後に裏切られ利用されたのだと悟って息絶えるまで
    全ての感情を細やかに台詞に乗せる。
    なんと可愛らしく、そして怖ろしく孤独なことだろう。
    初演よりもテンションのメリハリがついて、ラストが一層悲しく哀れ。

    さひがしジュンペイさん、ここ2年ほどでシャープになり色気が増したと思う。
    おぼんろでは悪役が多いが、それも人間の一側面であり、
    私たちの中にある欲望を取り出して見せてくれる存在だ。
    だから憎めないし魅力的であって欲しいのだが、それを完璧に体現してくれる。

    それにしても末原さんが紡ぐ物語はいつも驚きに満ちている。
    微妙に時代とシンクロする内容、絶対泣かせるキャラと台詞、
    それに何といってもあの演劇スタイルを生み出す自由奔放さ。
    表現者と同時に、物語の書き手として、素晴らしいと思う。
    次はどんな物語を語ってくれるのだろう。
    誰に、どんな台詞を言わせるのだろう。
    このおぼんろのチームワークの良さにますます期待したい。

    ユスカ役の鎌苅健太さんが透明感あふれる演技で素敵だった。
    もうファンの多い方だが、私は観たことが無かったので、
    この方の他の舞台も観てみたいと思った。
    今回の驚きの座組み、大成功じゃないですか!?








  • 満足度★★★★

    ■約135分■
    まだまだ良くなる。それほどのポテンシャルを秘めた物語。だから伸びしろ分を差し引いて星は★★★★としました。





    ネタバレBOX

    自分たちの身を以てしか作り出せない強力な細菌を殺傷用に売り払って暮らしてきた因果な部族・ビョードロ族の生き残りの少年タクモと、少女へと擬人化された可愛い細菌ジョーキゲンとの、悲しい愛の物語。二人の関係を、私をはじめ誰にでも身に覚えのある関係へと敷衍できれば、そこに普遍性が生まれ、この劇はより力強い物語へと飛躍を遂げ、より激しく胸を打つことだろう。さらに豊かな三演を待ちたい。
    現状ではまだ、特殊な存在同士の愛の話を超えておらず、両者共倒れに終わるのだろう切ないラストに接してももうひとつ身につまされない。


  • 満足度★★★★★

    ムーブメントアクターを加えた新しいスタイルのおぼんろ。初演では観客の想像力に委ねたシーンを可視化した感がありました。今日はあそこの席でしたが、あっちの席からだとどんな世界なのだろう。明日はどの席にしようかと楽しみです。
    めぐみさんが演じるジョウキゲンはすごく可愛くていじらしくてタクモに代わって抱きしめたかったです。

  • 満足度★★★★

    何となくティム・バートン×ジョニー・デップの『シザーハンズ』を想像していたら、全くの別物。筋肉少女帯の世界観。この世を憎み滅ぼすルサンチマン・ファンタジー。真の主人公、ジョウキゲンの登場から物語は加速する。わかばやしめぐみさん演ずるジョウキゲンの恐ろしいこと。トラウマ級のキャラ設定に呆然。子供騙しではない、濃密な世界観。戦争兵器としての病原菌作りを生業としているビョードロという民。一族を皆殺しにされた最後の生き残りのほんのひとときの月夜のお話。土方巽を思わせる軟体サーカス団の呪術的舞踏がまた凄い。

    ネタバレBOX

    ラストが観たかったものとちょっと違った。観客の想像力に委ねるということなのだろう。ジョウキゲンが虐殺をするシーンももっと震え上がらせて欲しかった。『炎628』という映画のように。
  • 満足度★★★★★

    2011年に上演されたものを、二度観劇した経験があります。今回の物語は、そのときの作品に多少手が入ったようですが、内容にはほとんど変更はありませんでした。本演劇は、童話の世界を借りて、残酷な世界を表現したものです。この世に生まれて、うまく自分の愛を表現できない。それは、何が間違っていたのか。感じながら、なぜか涙があふれる。とても不思議で、美しい演劇です。前回あった軽いつなぎの間を消し、かわりに、今回は幻想的な新感覚パフォーマンス集団が、驚くほどうまく情景をつないでいました。一見の価値は、あるかと思います。

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