刺激的な劇でした
目の前に死体がある。この人はなぜ死んだのか誰が殺したのかなどさまざまな思いをめぐらせばめぐらせるほどに、死という現実そのものからは遠ざかっていくということ。また、人の死が情報になって流通するなかで、例えば「民家で火事、四人家族死亡」のニュースには悲しみや痛みはもはやなくて、「死」の現実性が忘れられがちになるような時に「物語」になにができるのかできないのか、そうしたことを思考する劇でした。議論で芝居が進行している印象は好みのわかれるところだと思いますが、「考える劇」好き派のわたしには刺激的でした。