白い鯨 公演情報 「白い鯨」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.5
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  • 満足度★★★★★

     大坂で上演して来た劇団の東京初公演。初めて拝見したが、新たな才能の発見であった。極めて面白い。

    ネタバレBOX

    板上はフラット。但しパイプ椅子が2脚並べて置かれている。そこからやや離れてもう1脚置かれているのが目に留まる。脚本の発想が良い。物語は、新入社員入社面接の会場での話だ。男女1人ずつが、本日面接を受ける新卒である。男は余りパッとしない。決断力、判断力の劣るダメ系。女は、Uチューバーを目指し就職する気が無かったため出遅れで就活を始めたものの、積極的で優れた判断力を有する。如何にも現代日本の男女事情を正確に表したキャラ設定だ。彼らの受ける会社は情報系。広告代理店がベースになっているが、業務内容は更に進化した形態になっている。
     この面接現場を再現する形で上演される今作、3つの相が相まって展開する。第1の相は、通常のストレートプレイ、第2の相は、上手壁に移される映像によるプレイ、そして第3の相は、上手客席側のスペースでギターによって演じられる曲目、効果音の相。態々このセクションを第3の相としたのは、作品の内容を見事に捉え、とてもよくマッチした音作りをしてくれたからである。而もこの3つの相が実に上手く絡み合わされている演出がグー。脚本もしっかりしているのみならず、現実世界より半歩から0.75歩程進んでいる点で丁度良い。
     因みにタイトルの「白い鯨」とは「オンラインゲーム」名である。面接に来た彼らは先ず、会社のプロモーションビデオを見せられるのだが、この中に「白い鯨」が出て来、1つの質問が為される。「あなたは鯨になりますか?」と、利用規約と共に。無論、殆どの人が利用規約など読まずに「ゲーム」に参加する。すると、鯨からのミッションが1日1回届く。ユーザーは、このミッションにどのように対応したかをネット上にアップ、他のメンバーとの比較競合がゲーム内容になると言う訳だ。30回ミッションをクリアすると愈々鯨になる訳だが、当初誰でもクリアできるミッションが与えられるものの、鯨になる前のミッションは、非常に難易度が高い。例えば体に描いた鯨を刃物で切って下さい、が届くのだ。無論、その前に体に鯨の絵をかいて下さい、とのミッションが届いていた。さて、この自傷行為をクリアすると、猫を殺せだの、電車に飛び込めだのとトンデモないミッションが続くことになる。
     会社は広告代理店がベースになっていたから、個人情報をたくさん入手している。この個人情報を用いて様々に他人を操ることもできる。この事実を実践する場面等も映像表現で描かれるのだが、映像で示される白い鯨の内実がストレートプレイによって実践されるように描かれた脚本はまた個人情報を握られた人物が会社に利用され1つの駒として、劇に関与する形も描くのである。この緊迫した状況を生のギター演奏が実に効果的にサポートするのだ。
     東京に拠を移した模様だから注目しておいて良い劇団だ。役者陣も若いし、伸びシロは大きい。今回もかなりいい演技をしているし。
  • 鑑賞日2018/12/09 (日) 14:00

    価格1,800円

    14:00の回(曇)

    13:30受付、開場。珍しく手前、入口側が舞台、パイプ椅子が3脚。奥に客席(ややL字状)。、客席後方にG奏者(黒いボデイに白のピックガード)。

    13:44出入り口から女性の闖入者、前説、75分、ハイテンション。左頬に鯨のイラスト。

    14:00 Gのチューニング、開演~15:22終演。

    チラシに「鯨」が描かれていたので観に来ました。本(※)でも、映像でも「鯨」とあるとちょっと気になります。

    ※「神鯨」「ジョナサンと宇宙クジラ」など。

    こちらは初めて、役者さんたちも(たぶん)初めて。

    リクルートスーツの男女、面接官、謎の女性、壁に映る映像。

    リアル(面接する側/される側)とネット(狂信的/従属的)が同時進行。決断実行することを避ける者達、強い上昇志向と支配欲に毒された者達。

    どちらも「弱者(決定権を持たない)」は同調するか乗り変わるしかない。搾り取られた後に残るのはただの干からびた精神ではなかろうか。

    憑依(The Exorcistみたいだ)シーンはじわっと目の玉がひっくり返ったよう。

    瞬膜ですかね。

    茫洋としたネットワーク(電子)世界の大海から見るとほんの一滴にすぎないゲームの世界が装飾を排したそっけない舞台空間にこそ相応しいのかもしれません。

    とてもよい緊張感が続く内容でした。

    それは、たぶん(たとえば長い映像シーンの間でも)集中力を切らさなかった役者さんによるものも大きかったのではないかと思います。

    余談ですが、頬の「鯨」イラストをみて、マトリックスの白兎(刺青)を思い出しました。

  • 満足度★★★★

    ゲームに侵されていく人々の姿を描いていましたが、妖しくて怖くてゾクゾクしました。ネットに洗脳され壊れていく姿は、現代のリアルな姿のように感じました。役者さん達の演技も良く、映像を上手く利用していて、ギターの生音が入るのも良かったです。芯から怖くなるような舞台で、斬新さを感じました。

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